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The Nicholas Brothers (part 4)

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 人種の壁に阻まれてハリウッドでキャリアを思うように伸ばすことができなかったニコラス兄弟は、'50年代になるとアメリカ国外、主にヨーロッパでの活動に力を入れるようになっていた。同時に、ハリウッドを離れて映画スターとして第一線を退いた彼らは、当時急速に普及していた新たな媒体=テレビに活動の場を見出していくことにもなる。

 ハリウッド時代後のニコラス兄弟については入手できる映像も少なく、あまり詳しく紹介することができないのだが、ひとつ特筆されるのは、一時期、ニコラス兄弟としてのコンビが解消されていた期間があったということである。ヨーロッパに活動拠点を移し、巡業や映画出演で第二のキャリアを固めていた彼らだったが、ホームシックになったフェイヤードがハロルドを残して'58年に単身アメリカへ帰国。それから'64年までの約7年間、2人はそれぞれピン芸人として活動していたのだ。

 その間、ハロルドは主にフランスで舞台、テレビ、映画を中心に活躍し、歌手として多数のレコードも出すなど、マルチなエンターテイナーとしてかなりの人気者だったようである。ハロルドのヨーロッパ時代の活動についてはネット上にもほとんど情報がなく、全貌を把握することは難しい。映画では、ピエール・グランブラ監督『L'Empire De La Nuit』(1962)への出演が確認できる。また、正確な時期は不明だが、カテリーナ・ヴァレンテのTVショウで「Alright, Okay, You Win」('57年録音のニコラス兄弟の唯一のアルバム『WE DO SING TOO』収録曲)を歌うハロルドの姿をDailyMotionで確認することもできる。

 ソロ時代についてハロルドの回想。
「最初の頃はステージでやりづらかった。踊りながら兄の方を気にしなくていいというのがね。小さい頃は踊りながらよく兄にぶつかってたからさ。でも、何とかやってるうちに慣れるものでね。一人で公演するようになって、観客の方も一人の私を受け入れてくれた。“兄はどこだ?”なんて訊かれなかったよ」('91年、Bruce Goldsteinによるインタヴュー)

 ヨーロッパでは黒人に対する酷い差別もなく、居心地はとても良かったらしい。'51年にドロシー・ダンドリッジと正式に離婚していたハロルドは、このヨーロッパ時代にElyanne Patronneというフランス人女性と再婚し、パリに腰を落ち着けた。

 一方、アメリカに戻った兄フェイヤードは、Vicky Barronというメキシコ人ダンサーと再婚し、ソロ、あるいは彼女と組んで、ハリウッドやラス・ヴェガスのナイトクラブ、またはメキシコ~南米などで公演し、細々と芸能活動を続けていたようだ(Vicky Barronなる女性との結婚については言及している文献がほとんどなく、信憑性は定かでない。ちなみに、最初の夫人ジェラルディンとは'56年に離婚)。

 2人のコンビが復活するのは'64年、アメリカの人気演芸番組〈The Hollywood Palace〉。その頃にはアメリカの黒人差別も以前とは変化を見せていた。

 今回は、様々な紆余曲折を経験した'50~'70年代、テレビ時代のニコラス兄弟を追ってみたい。

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The Best Of Sade

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THE BEST OF SADE
2LP: Epic 477793 1, 12 November 1994 (UK)
CD: Epic 477793 2, 12 November 1994 (UK)
CD: Epic 500594 2 (Remastered), 13 November 2000 (UK)


Your Love Is King (3:41) edit / Hang On To Your Love (4:29) edit / Smooth Operator (4:16) re-recorded single version edit / Jezebel (5:23) / The Sweetest Taboo (4:25) / Is It A Crime (6:16) / Never As Good As The First Time (3:58) remix edit / Love Is Stronger Than Pride (4:17) / Paradise (3:36) remix / Nothing Can Come Between Us (3:52) remix / No Ordinary Love (7:19) / Like A Tattoo (3:36) / Kiss Of Life (4:10) edit / Please Send Me Someone To Love (3:40) / Cherish The Day (6:17) Sade remix long version / Pearls (4:35)

Mastered: Ian Cooper
Musicians: Sade Adu (vocals), Andrew Hale (keyboards), Stuart Matthewman (guitars and sax), Paul S Denman (bass), etc.
Photography: Albert Watson (Sade Adu), Jo Strettel (Andrew/Stuart/Paul)
Design: Peter Brawne

Side 2 starts with 'The Sweetest Taboo', side 3 with 'Paradise', side 4 with 'Kiss Of Life' on LP.

UK chart: #6
US chart: #9
US R&B chart: #7



 '94年、デビュー10周年の節目に発表されたシャーデー初のベスト盤。アデュの顔写真以外、アーティスト名もタイトルも何もない簡潔なカヴァーに、シャーデーが10年の間に築き上げてきた確かなキャリアが感じられる(写真はアルバート・ワトソンが監督した'93年のPV「Feel No Pain」からのスチール)。

 収録内容は、それまで発表された全4枚のアルバムからシングルを中心に、彼らの代表曲を基本的に時系列で並べたものになっている。ここでしか聴けない曲というのはないが、同年初頭のサントラ盤『PHILADELPHIA』に提供されていたカヴァー曲「Please Send Me Someone To Love」がここで手に入るのがファンには嬉しい。
 選曲でひとつ面白いのは、「When Am I Going To Make A Living」「Turn My Back On You」「Feel No Pain」という3つのシングル曲を外した代わりに、アルバム曲「Jezebel」「Like A Tatoo」「Pearls」が収録されている点。いずれもシングル向きではないが、シリアスでメッセージ色の強い印象的なナンバー。これによってこのベスト盤は、単なるシングルの寄せ集めとは一味違う、シャーデーのアーティスト性を多面的に捉えた、きちんとしたアルバム作品としてのクオリティも兼ね備えたものになっている。彼らの最良の作品だけで構成された、まさしく“シャーデーのベスト”と呼ぶに相応しい濃密な一枚である。

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