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2014年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年01月

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Michael Jackson──スマイル大賞2014



 大晦日。今年も残すところ僅かとなった。'14年のシャーデー大賞が昨日発表されたが、今年は特別にもうひとつ音楽賞がある。一年を通して最も多くの人々に微笑みを与えたアーティストに贈られる“スマイル大賞”である。

 今年、最も多くの人を幸せにしたアーティストはファレル・ウィリアムズだったと思うが(彼には“ハッピー大賞”を進呈したい)、最も微笑みを与えてくれたアーティストと言えば、この人しかいない。'14年スマイル大賞の受賞者は、アメリカのシンガー・ソングライター、マイケル・ジャクソンさん。受賞曲は「Love Never Felt So Good」。

 『XSCAPE』は本当に素晴らしいアルバムだった。スターチャイルド(星の子)になったマイケルが、人知を超えた不思議な力で宇宙から私たちと交信するような奇跡の全8曲。『XSCAPE』は、他界しても尚、人をインスパイアし、導きを与えるマイケルの神通力があってこそ生まれた傑作だと思う。マイケルの精神と感応しながら、謙虚かつ大胆に共同制作を行ったLAリードやティンバランドたちのミュージシャンシップも素晴らしかった。時代を意識しつつ、そこから絶妙に逸れた独特のMJクオリティを持つ『XSCAPE』は、生前に彼が残した多くの傑作と同様、今後も風化することはないだろう。

 先行シングルに切られ、アルバムでも冒頭を飾った優美なディスコ・ソウル「Love Never Felt So Good」は、私の一番のお気に入り曲でもある。必要最低限の味付けで素材の良さを100%生かしたタイムレスな編曲も素晴らしい。5月の発表から今日まで、私はこの曲を毎日のように聴き続けてきた。実際にCDで聴くだけでなく、自分の“脳内iPod”でも数え切れないくらい聴いた。嫌なことがあったり、疲れて家路を歩いていると、決まってこの曲が頭の中で流れ、私を支え、微笑ませてくれた。いつまでも大切に聴き続けたい、自分にとって本当にかけがえのない1曲だ。大晦日にこの曲を取り上げ、マイケルに賞を贈ることは半年前から決まっていた。何の権威もないちっぽけな賞だが、彼は賞をもらうのが好きだったので、恐らく喜んで受け取ってくれるのではないかと思う。

 2014年、今年もたくさんの素晴らしい音楽に出会うことができた。プリンスやディアンジェロの新譜もあったが、私にとって今年の一番の幸せは、何と言っても最高のマイケルと再会できたことである。「Love Never Felt So Good」は、まさにその気持ちを代弁するような歌だ。今年はこの歌を和訳して締め括ることにしたい。

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| Michael Jackson | 13:00 | TOP↑

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D'Angelo──シャーデー大賞2014



 '14年のシャーデー大賞が日本時間の12月30日午後10時に発表された(今年もあったのか!)

 昨年から始まったこの賞は、シャーデーのように時代や流行にとらわれることなく、独自のソウル・ミュージックをエレガントかつ果敢に追求している次世代アーティストに毎年与えられる、権威ある──かどうかは甚だ疑わしい──音楽賞である(念のために断っておくと、シャーデーのメンバーは一切選考に関わっていません)。主としてその年に優れたアルバム、もしくはEPを発表した女性アーティストに贈られるが、男性アーティストも選考対象となる。'13年の第1回は、アメリカの女性シンガー・ソングライター、アリス・スミスさんがアルバム『SHE』で受賞を果たした(その中の1曲「Another Love」──フリートウッド・マック「Dreams」似の名曲──は'14年にプリンス&サードアイガールのアルバムでカヴァーされることに。彼女にとって何よりの栄誉だったに違いない。8月のアフロパンク・フェスでの麗姿も記憶に新しい)

 今年もシャーデー大賞選考委員会による厳正な審査が行われた。関係者の話によると、12月初旬の時点までは委員会内で票が分散しており、'14年の大賞は“該当者なし”となる予定だったそうだが、12月15日に緊急投下された“D爆弾”によって状況は一変。他の候補はすべて吹っ飛び、最終的に15年ぶりの新譜で劇的帰還を果たしたアメリカのシンガー・ソングライター、ディアンジェロさん(40)が満場一致で'14年シャーデー大賞に決定した。

 アメリカで再び人種問題が緊張を迎える中、予定を早めて発表されたディアンジェロ&ザ・ヴァンガード名義の新譜『BLACK MESSIAH』は、既にあちこちで言われている通り、その社会性・政治性、また、具体的な音楽性の面でも、まさに“現代の『THERE'S A RIOT GOIN' ON(暴動)』”と呼ぶに相応しい作品だと思う。スライ〜Pファンク〜プリンス流儀をとことんハードに貫いた漆黒のサウンドは、まるで何年も煮込まれた黒人音楽史のシチュー、あるいは、ちゃんこ鍋のようだ。仕込まれた様々な具──ブルース、ゴスペル、ジャズ、R&B、ソウル、ファンク、ヒップホップ──は、圧倒的な熱量によってほとんど原型をとどめないくらいグチャグチャに煮込まれている。ネジが4〜5本抜けたまま駆動しているとしか思えない分解すれすれの危険なグルーヴは、私たちの社会が孕む様々な不協和を体現しているようにも、あるいは、宇宙からの波動のようにも感じられ、聴けば聴くほど凄みを覚える(“ディアンジェロ&ザ・スペース・カウボーイズ”とかいうバンド名でも良かったかもしれない)。徹底的にアナログ録音にこだわったサウンドは時代に逆行しているようだが、それが全く懐古趣味に堕さないのは、ディアンジェロが常に大きな歴史的視座から現在を見つめているからだろう。過去を知る者だけに未来はある。カヴァー曲の多さにも表れている通り、彼は非常に学究肌の人だ。そういう意味ではジャネール・モネイと同じタイプのアーティストと言えるが、ジャネールのやり方が徹底してコンセプチュアルであるのに対し、ディアンジェロの音楽はとにかく直感的で肉体的である。一段とゴツくなった屈強な身体は、彼が“歴史”を自分の筋肉としながら、これまでひたすら鍛錬を積み重ねてきたことを示しているようにも思える。

「私はこれまでのどのアルバムもカムバックじゃなく、自分たちが成長する過程の一歩一歩だと思ってる。私たちは自分たちが現役だといつも思ってきた。たとえ活動していない時でもね」

 これは'11年のインタヴューで記者から“カムバック”と言われたことに対するシャーデー・アデュの返答である。シャーデー以上に長いブランクの間も、ディアンジェロは同じようにずっと現役であり続けていた(肉体的にボロボロだったことはあるかもしれないが、彼が音楽のことを忘れたことは一度もなかったと信じている)。孤高にして先鋒。まさに唯一無二の大横綱。山のような彼の肉体を、私はただただ震えながら仰ぎ見る。

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| Man's Man's Man's World | 22:00 | TOP↑

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神の業

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 さて、イエスは通りすがりに、生まれつき目の見えない人を見かけられた。
 弟子たちがイエスに尋ねた。「ラビ。この人が生まれつき目が見えないのは、だれが罪を犯したからですか。本人ですか。それとも両親ですか。」
 イエスはお答えになった。「本人が罪を犯したからでも、両親が罪を犯したからでもない。神の業がこの人に現れるためである。」


──ヨハネによる福音書 9章(『新約聖書』/新共同訳)

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天国


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Benjamin Clementine──哀悼



 スクリーミン・ジェイ・ホーキンスとニーナ・シモンの私生児──
 
 そう言われても私は信じるだろう。なにせ、スクリーミン・ジェイには57人も子供がいたというのだから……(75人説、あるいは、それ以上という説もあり)

 「I Put A Spell On You」もレパートリーにしている反重力ヘアのこの男、ベンジャミン・クレメンタインは、2枚のEP──『CORNERSTONE』(2013)、『GLORIOUS YOU』(2014)──に続いて、来る2015年1月に待望のデビュー・アルバム『AT LEAST FOR NOW(仮邦題:とりあえずクレメンタイン)』を発表する。とりあえず、赤文字で“ヤバい”とだけ書いておきたい。そして、1曲訳しておきたい。

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| Man's Man's Man's World | 05:15 | TOP↑

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Screamin' Jay Hawkins──お前に魔法をかけてやる




Willie: What the fuck is that? I really hate that kind of music.
Eva: It's Screamin' Jay Hawkins, and he's a wild man, so bug off!

ウィリー:なんだその曲は。おれの趣味じゃない。
エヴァ:スクリーミン・ジェイ・ホーキンスよ。文句ある?

──『ストレンジャー・ザン・パラダイス』(1984)

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| Man's Man's Man's World | 10:00 | TOP↑

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Image Association Game #61



Simone Mareuil
Un Chien Andalou (1929)
Directed by Luis Bunuel
Written by Luis Bunuel and Salvador Dali

See below at your own risk

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| Image Association Game | 02:10 | TOP↑

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Image Association Game #60



Spellbound (1945)
Directed by Alfred Hitchcock
Dream sequence based on designs by Salvador Dali

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| Image Association Game | 02:00 | TOP↑

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Wendy & Lisa──ハネムーン急行


Jean Patchett
Photo by Irving Penn, 1949

 1987年、夢の続き。

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| Diva Legends | 01:35 | TOP↑

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12月の歌──I Think It Was December




 2014年も残り1ヶ月。このブログも大掃除をして、書けていない記事を一気に片付けてしまいたいところだが……掃除中に見つけたあれやこれで脱線し、結局、何も片付かないような気もする(私は掃除が苦手なのだ)。

 “12月の歌”はプリンスのあの曲とこれの二択だったのだが、最終的に自分がより好きな方を選んだ。ウェンディ&リサの2nd『FRUIT AT THE BOTTOM』(1989)収録の「I Think It Was December」。ウェンディの少女のようなヴォーカルがとてもチャーミングなゴスペル調ナンバーだ。'11年にリマスター再発された同アルバムのブックレットには本人たちによる全曲解説が掲載されていて、リサ曰く、この曲はバート・バカラック楽曲を歌うディオンヌ・ワーウィックに触発されたものだという(思い出のアルバムとして『HERE I AM』を挙げている)。ディオンヌの上品なゴスペル・テイストと、ウェンディ&リサ特有の、まるでシャガールの絵のように幻想的で色彩豊かな世界観──レヴォリューション時代のプリンス作品を大いに支えた──が融合し、アメリカ版「翼をください」とも言うべきこの名曲が生まれた。クリスマス時期にぴったりの、本当に素敵な歌だ。私も散らかりっぱなしの部屋から飛び去りたい……。

 では、メリー・クリスマス!

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| Seasonal Songs | 22:15 | TOP↑

2014年11月 | ARCHIVE-SELECT | 2015年01月