2017 01123456789101112131415161718192021222324252627282017 03

2017年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年03月

≫ EDIT

Gorillaz feat. Benjamin Clementine──トランプの黙示録



 壁つくりカネを拝もう崇めよう──
 
 ベンジャミン・クレメンタインが客演したゴリラズの新曲「Hallelujah Money(お金バンザイ)」は、'17年1月20日に発足したドナルド・トランプ米政権を痛烈に皮肉ったエレクトロニック・ゴスペル。“ゴスペル(福音)”と言うよりは、むしろ“黙示録”と呼んだ方がしっくりくる、不気味な終末感を湛えた曲だ。

 ドナルド・トランプが大統領に就任する前日の1月19日に公開された同曲ヴィデオは、CGで再現されたトランプ・ビルのエレベーターが舞台(上の画像が実際のトランプ・ビルのエレベーター・ホール。多くのサイトが“トランプ・タワー”と書いているが、正確には違う)。ゴリラズが傍受した防犯カメラの映像という設定(?)で、金ピカのエレベーターに乗ったひとりの男=ベンジャミン・クレメンタインの独白が、正面からの固定アングルで延々と捉えられる。語りの内容については、以下に訳出する歌詞をご覧いただきたい。エレベーター内で歌う男の背後には、20世紀の様々な映画──『動物農場』(1954)、『光る眼』(1960)、『バラカ』(1992)、西部劇俳優時代のクリント・イーストウッド(『ローハイド』? イーストウッドは共和党支持者で、消極的なトランプ支持者)等々──や、得体の知れないドキュメンタリー映像の断片が脈絡なく映し出され、ベンジャミンの不吉な語りと相まって、混沌とした終末ムードを強く醸し出す。

 今回のゴリラズとの共演により、これまでベンジャミン・クレメンタインを取り上げてこなかったメディアでも彼の名前が見られるようになった。ファン「We Are Young」への客演でジャネール・モネイが(無駄に)脚光を浴びたときのことを思い出すが、あまり必然性が感じられなかったあのコラボと「Hallelujah Money」は違う。これはベンジャミンの存在なしでは成り立たない曲だ。寓話的な歌詞や演劇的な語り口には、彼の持ち味がしっかりと活かされている。まるでオセアニア国(『1984年』)のプロパガンダ映像でも見るようだ。ジョージ・オーウェルの風刺精神を汲んだ、いかにもイギリス人らしい反トランプ・ソングである。

≫ Read More

| Man's Man's Man's World | 02:05 | TOP↑

2017年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2017年03月