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山口百恵 夜のヒットスタジオ全出演記録 1973-80



 DVDボックス『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』('10年6月30日発売)については改めて記事を書くとして、その前に、ここで百恵の〈夜ヒット〉への出演記録を整理しておきたい。DVD未収録放送回(VTR消失分)も含めた詳細な出演記録がブックレットに掲載されることを期待していたが、叶わなかったため、私が以前から個人的にまとめていたデータをここで公開することにする。これでDVD収録内容の詳細も把握できるので、多くの人にとって有用となるのではないだろうか。


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 '73年7月30日の初出演から'80年10月6日の最終出演まで、百恵は〈夜のヒットスタジオ〉に、私に確認できる限り、全部で81回出演している(ウィキペディアでは83回とされている)。ここでは、その81回分をすべてリストアップする。参照しているのは、最強の〈夜ヒット〉資料サイト“伝説の歌番組・夜のヒットスタジオを語る”。その情報に私が若干手を加え、百恵の出演回に絞ってまとめたのが、ここに掲載するリストである。

 凡例は以下の通り。

放送年月日 通算放送回数
山口百恵「(歌唱曲名)」 M:「(オープニング・メドレー担当曲名)」
その他の出演歌手名(順不同)

 グレーの薄い文字で示すのは、DVD未収録放送回(フジテレビに映像が保存されていない回)。未収録回に関しては、百恵が歌った曲、および、メドレー担当曲は不明である。メインの歌唱曲はシングル発売日を参照することで大方特定できるが、推測の域を出ない部分もあるため、リスト上では一切示さない。メドレーで百恵がトリを務めて持ち歌を担当した場合は、曲名の後に“(トリ)”と記す。
 また、〈夜ヒット〉は'98年からフジテレビのCSチャンネルで断続的に再放送が行われている。'10年7月現在まで、そこで一度でも再放送されたことがある回には、通算放送回数の後に“【CS再】”と記しておく。

 映像が現存する放送回の中で百恵がメインで映っている部分(歌唱場面、トーク場面など)に関しては、『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』でほぼすべて観ることができると考えていい(細かい例外は後述)。DVDには、以下のリスト内で黒文字で示される計56回分の出演映像が収録されている。



【1973】

1973年07月30日 第0248回
山口百恵、ザ・ドリフターズ、ダーク・ダックス、いしだあゆみ、奥村チヨ、他
1973年09月24日 第0256回
山口百恵、桜田淳子 、五木ひろし、佐良直美、沢田研二、他
1973年12月10日 第0267回
山口百恵、森進一、いしだあゆみ、和田アキ子、山本リンダ、欧陽菲菲、郷ひろみ、浅田美代子


※'73年7月30日、百恵が〈夜ヒット〉初出演で歌ったのはデビュー曲「としごろ」(同年5月21日発売)。9月24日には2ndシングル「青い果実」(9月1日発売)、12月10日には3rdシングル「禁じられた遊び」(11月21日発売)を歌っている。初ヒット「青い果実」で10月下旬~11月上旬にもう1回出演していてもおかしくない気がするが……。


【1974】

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1974年01月14日 第0271回
山口百恵、布施明、佐良直美、由紀さおり、藤圭子、奥村チヨ、千葉紘子、安西マリア
1974年02月18日 第0276回
山口百恵、五木ひろし、森進一、水前寺清子、和田アキ子、八代亜紀、天地真理、平山洋子
1974年03月18日 第0280回
山口百恵、水前寺清子、沢田研二、五木ひろし、山本リンダ、天地真理、西城秀樹、あゆ朱美
1974年04月15日 第0284回
山口百恵、和田アキ子、奥村チヨ、アグネス・チャン、西城秀樹、あべ静江、他
1974年06月03日 第0291回
山口百恵、村田英雄、ザ・ピーナッツ、森進一、西城秀樹、英亜里、あいざき進也、他
1974年07月15日 第0297回
山口百恵、ザ・ピーナッツ、沢田研二、今陽子、野口五郎、三善英史、林寛子、他
1974年09月02日 第0304回
山口百恵、森進一、布施明、由紀さおり、吉屋潤、野村真樹、西川峰子、他
1974年10月21日 第0311回
山口百恵、舟木一夫、五木ひろし、いしだあゆみ、小川知子、野口五郎、桜田淳子、他
1974年11月11日 第0314回
山口百恵、三浦友和(特別ゲスト)、森進一、布施明、沢田研二、中条きよし、あべ静江、他
1974年12月02日 第0317回
山口百恵、江利チエミ、森進一、和田アキ子、天地真理、桜田淳子、他


※大ヒット「ひと夏の経験」('74年6月1日発売)での出演は6月3日と7月15日と思われる。『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』には、「ひと夏の経験」で出演した時の貴重なスチールが掲載されている(DISC 3を取り外すと、“甘い罠~”と歌う肥満気味な百恵が現れる)。
 11月11日の放送では、初主演映画『伊豆の踊子』(同年12月26日公開)の同名主題歌を歌う。主人公の“かほる”に扮し、共演の三浦友和に付き添われての歌唱。この出演時のスチール(トーク時の友和とのツーショット写真)もDVDブックレットに掲載されている。「伊豆の踊子」のシングルA面曲「冬の色」(12月10日発売)は、12月2日に披露されたようだ。



【1975】

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1975年01月13日 第0323回
山口百恵、布施明、和田アキ子、ちあきなおみ、中村雅俊、ぴんから兄弟、天地真理、野口五郎、南沙織
1975年02月17日 第0328回
山口百恵、森進一、いしだあゆみ、ダウン・タウン・ブギウギ・バンド、矢吹健、野口五郎、西城秀樹、浅田美代子、朝丘雪路(ゲスト司会)、他
1975年03月17日 第0332回
山口百恵、布施明、フォーリーブス、和田アキ子、野口五郎、かずみあい、他
1975年04月14日 第0336回
山口百恵、橋幸夫、梓みちよ、五木ひろし、アグネス・チャン、中条きよし、浅田美代子、他
1975年05月19日 第0341回
山口百恵、水前寺清子、森進一、森田健作、内山田洋とクールファイブ、桜田淳子、天地真理、他

1975年06月23日 第0346回 【CS再】
山口百恵「夏ひらく青春」 M:「ふるさと」 歌謡ドラマ
五木ひろし、青江三奈、和田アキ子、八代亜紀、中条きよし、ぴんから兄弟、千田彩子
1975年07月28日 第0351回 【CS再】
山口百恵「夏ひらく青春」 M:「甘い十字架」 歌謡ドラマ
布施明、森田健作、天地真理、中条きよし、テレサ・テン、太田裕美、夏木マリ
1975年08月11日 第0353回(沖縄・海洋博中継)【CS再】
山口百恵「夏ひらく青春」 M:「好奇心」
森進一、五木ひろし、井上順、和田アキ子、南沙織、アグネス・チャン、黒木真由美
1975年09月08日 第0357回 【CS再】
山口百恵「ささやかな欲望」 M:「なみだの操」 歌謡ドラマ
梓みちよ、五木ひろし、あべ静江、殿さまキングス、石川さゆり、あいざき進也、森田公一とトップギャラン
1975年10月13日 第0362回
山口百恵、五木ひろし、野口五郎、中条きよし、南沙織、郷ひろみ、他
1975年12月01日 第0369回
山口百恵、五木ひろし、いしだあゆみ、フォーリーブス、南沙織、浅田美代子、憂歌団、真木ひでと


※この年の6月からようやく映像を観ることができる。この時期の〈夜ヒット〉映像は飛び飛びで保存されていて、百恵の出演回の中でたまたま生き残ったのが6~9月の4回。フジテレビのCSでは、'09年4月から'74~76年の放送回の中で現存するものが次々と初再放送されてファンを狂喜させた。この4回の百恵出演回もその時に再放送されている。
 三波伸介の司会時代にあった“歌謡ドラマ”のコーナーは、DVDでは完全収録ではなく、百恵が主に活躍する場面のみを編集して収録している。百恵は6月23日の“歌謡ドラマ”にも登場しているが、これだけDVD未収録(活躍場面が極端に少ないためだろう。祭りコントで端役の町娘を演っているが、台詞も2回しかない)。

 '75年の失われた放送回の中で注目したいのは、2月17日。ダウン・タウン・ブギウギ・バンドが出演している。実は、百恵が宇崎竜童に初めて会ったのが、この〈夜ヒット〉出演時なのである。当時、百恵16歳(高校一年)、宇崎29歳。百恵は、宇崎とパーソナリティを務めていたニッポン放送のラジオ番組〈ローリングタウン No.1〉の最終回('80年4月4日放送)で、その時の宇崎の第一印象を以下のように回想している。

宇崎「初めて宇崎に会った時の印象」
百恵「コワかった」
宇崎「うっそ~!」
百恵「ほんとよ、だって宇崎さんはね、こういう真っ黒なメガネをかけてね、デェ~ッとリーゼントしてね、それでね……そう、〈ヒットスタジオ〉で初めて会ったんですよ。うん、覚えてます。で、あたしと浅田美代子ちゃんがいてね、ちょうど。懐かしいでしょう。美代ちゃんがいて……それでリハーサルの時に……あの~、〈ヒットスタジオ〉の場合、後ろの方に箱が置いてあって、そこにずっと座ってるでしょ。そこに座ってたんですね。で、美代ちゃんと話してたんです。そしたら宇崎さんがね、こういうリーゼントで、メガネをかけて、白のつなぎを着てね、で、(宇崎口調で)“すいません、このギターに触ってくれませんか”って。覚えてないでしょ?」
宇崎「ああ、覚えてますよ」
百恵「そうですか。で、“なんでですか?”って言ったら、“いえ、あの、触ってくれるだけでいいんです”」
宇崎「変態みたいじゃないの(笑)」
百恵「だって、ほんとにそう言ったんだもん」
宇崎「いやいやいや、でも、そうだよ、あれ……」
百恵「でも、あん時はあたしも14か15になりたてぐらいで……」
宇崎「なんか、もっとプク~とした感じしてたね。こう、トントンとやると跳ねる、みたいな」
百恵「やだ、もう(笑)。毬じゃない、それじゃ(笑)」
宇崎「いや、ほんと、毬っぽい感じでしたよ。でも、あれね、触ってもらったでしょ。間接的に触るんで……やっぱ、握手してくれない?って、なかなかね……あの時、27か8でね……それでもやっぱり、恥じらいみたいなのがありましたね、僕の中に。握手してくれない?って、なかなか言えないですね……同じ芸能人同士として」
百恵「(笑)」
宇崎「ネックに触ってもらうと、あとで自分で匂い嗅いだりしてね(笑)、“百恵さんの匂い……”」
百恵「やっぱり、これはちょっと(笑)、夜の趣味を持っております」



【1976】

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1976年01月12日 第0375回 【CS再】
山口百恵「白い約束」 M:「心のこり」 歌謡ドラマ
布施明、伊東ゆかり、野口五郎、細川たかし、ぴんから兄弟、麻丘めぐみ、内藤やす子
1976年02月09日 第0379回
山口百恵、ちあきなおみ、八代亜紀、尾崎紀世彦、野口五郎、天地真理、中条きよし、メッツ
1976年03月08日 第0383回
山口百恵、北島三郎、梓みちよ、内山田洋とクールファイブ、郷ひろみ、細川たかし、太田裕美、他
1976年04月19日 第0389回
山口百恵、五木ひろし、森進一、西城秀樹、八代亜紀、桜田淳子、バンバン、村上こうじ

1976年05月17日 第0393回
山口百恵「愛に走って」 M:「盛り場ブルース」 コンピュータ恋人選び
森進一、木の実ナナ、アグネス・チャン、トランザム、西川峰子、子門真人、片平なぎさ
1976年06月21日 第0398回 【CS再】
山口百恵「横須賀ストーリー」 M:「わたしの青い鳥」
森進一、五木ひろし、ちあきなおみ、森昌子、桜田淳子、岩崎宏美、朝田のぼる
1976年07月19日 第0402回 【CS再】
山口百恵「横須賀ストーリー」 M:「岸壁の母」
二葉百合子、森進一、和田アキ子、あおい輝彦、西城秀樹、内山田洋とクールファイブ、西川峰子
1976年08月23日 第0407回 【CS再】
山口百恵「横須賀ストーリー」 M:「世界は二人のために」
ダーク・ダックス、佐良直美、和田アキ子(代理司会)、五木ひろし、ずうとるび、片平なぎさ、岡崎ひとみ
1976年09月20日 第0411回 【CS再】
山口百恵「パールカラーにゆれて」 M:「甘い十字架」
布施明、五木ひろし、梓みちよ、小柳ルミ子、西城秀樹、野中小百合

1976年10月18日 第0415回
山口百恵、三波春夫、森進一、布施明、南沙織、キャンディーズ、角川博、渥美二郎
1976年11月29日 第0421回
山口百恵、ザ・ドリフターズ、伊東ゆかり、沢田研二、内山田洋とクールファイブ、小柳ルミ子、南沙織

1976年12月20日 第0424回 【CS再】
山口百恵「パールカラーにゆれて」 M:「盛り場ブルース」
森進一、小柳ルミ子、あおい輝彦、西城秀樹、南沙織、ピンク・レディー、井上順

※5月17日の「愛に走って」は、“コンピュータ恋人選び”のコーナーを兼ねている。三浦友和との相性が占われ、友和の写真をバックに歌うという微妙な演出。この回はCS未再放送で、今回のDVDで初めて復活した。この日の百恵は本当に桜田淳子そっくりだ。

 DVDには、7月19日のメドレー曲「岸壁の母」だけが収録されていない。最初に観た時はDVD製作時のミスかと思ったが、ブックレットを見ると、きちんと“「岸壁の母」(未収録)”と書かれているので、意図的な削除である。なぜ未収録か? 百恵はこの日のメドレーで、「禁じられた遊び」を歌うクールファイブからマイクを受け、「岸壁の母」を歌った後、二葉百合子にマイクを渡す。クールファイブや二葉百合子にNGの理由があるとは思えない。この時の〈夜ヒット〉は“400回記念月間”に当たり、メドレーで歌手が紹介される際、番組が始まった'68年当時の各人の写真が画面に映されるという演出があった。百恵の場合は、彼女が9歳(小学4年)の頃の写真が紹介されるのだが、その写真には、百恵と一緒に、彼女の母親と妹さん(と叔母さん?)が映っている。これが恐らく未収録の理由なのだろう。百恵の母と妹は当時のメディアではごく普通に紹介されていたが(百恵と一緒にテレビに登場したこともある)、DVD化に際しては、現在、芸能活動をしていない百恵のプライバシーを熟慮して収録しなかったのかもしれない。「岸壁の母」は、百恵が担当したメドレー曲の中でも絶妙のハマり具合を見せた逸品なので、未収録は残念ではある。

 10月と11月の2回が落ちてしまったのも惜しい。こちらはやはり映像が残されていないのだろう。いずれも「パールカラーにゆれて」を歌ったと思われる。この曲は前後の2回分が残っている分、まだ救いがある。ちなみに、12月20日はピンク・レディー初登場回。



【1977】

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1977年01月24日 第0429回 【CS再】
山口百恵「初恋草紙」 M:「あなただけを」
三橋美智也、坂本スミ子、由紀さおり、あおい輝彦、森田公一とトップギャラン、新沼謙治、芦川よしみ
1977年02月21日 第0433回 【CS再】
山口百恵「初恋草紙」 M:「甘い生活」
春日八郎、水前寺清子、小柳ルミ子、野口五郎、内山田洋とクールファイブ、テレサ・テン、井上順
1977年03月28日 第0438回 【CS再】
山口百恵「夢先案内人」 M:「メランコリー」
梓みちよ、五木ひろし、和田アキ子、内山田洋とクールファイブ、ピンク・レディー、神田広美、アトリエ、朝田のぼる
1977年04月18日 第0441回
山口百恵「夢先案内人」 M:「恋の追跡」
伊東ゆかり、沢田研二、石川さゆり、キャンディーズ、欧陽菲菲、新沼謙治、他
1977年05月30日 第0447回 【CS再】
山口百恵「夢先案内人」 M:「涙ぐらし」
ランナウェイズ、中尾ミエ、森田公一とトップギャラン、小柳ルミ子、郷ひろみ、太田裕美、角川博、久木田美弥
1977年06月20日 第0450回
山口百恵「イミテイション・ゴールド」 M:「シーサイド・バウンド」
沢田研二、由紀さおり、郷ひろみ、内山田洋とクールファイブ、麻丘めぐみ、高田みづえ、狩人
1977年07月11日 第0453回(大磯ロングビーチ中継)
山口百恵「イミテイション・ゴールド」 M:「夏の誘惑」
沢田研二、大橋純子、細川たかし、桜田淳子、他
1977年08月08日 第0457回 【CS再】
山口百恵「イミテイション・ゴールド」 M:「夏ひらく青春」(トリ)
アン・ルイス(特別ゲスト)、森進一、松崎しげる、野口五郎、石川さゆり、李成愛、内藤やす子、谷ちえ子
1977年09月19日 第0463回
山口百恵「秋桜」 M:「心のこり」
ブラザーズ・フォー、都はるみ、五木ひろし、和田アキ子、内藤やす子、他
1977年10月03日 第0465回(10周年突入記念第1弾)
山口百恵「横須賀ストーリー」 M:「季節風」「洪水の前」「ボタンを外せ」(森+桜田+百恵)
郷ひろみ+山口百恵「てんとう虫のサンバ」(新御三家+三人娘、特別共演)
ザ・ドリフターズ、森進一、五木ひろし、沢田研二、布施明、梓みちよ、小柳ルミ子、和田アキ子、内山田洋とクールファイブ、野口五郎、西城秀樹、郷ひろみ、森昌子、桜田淳子、高田みづえ、キャンディーズ、ピンク・レディー
1977年11月14日 第0471回
山口百恵「秋桜」 M:「黄色い麦わら帽子」
ジョージ・チャキリス、都はるみ、松崎しげる、アグネス・ラム、郷ひろみ、他
1977年12月26日 第0477回 【CS再】
山口百恵「秋桜」 M:「薔薇の鎖」
五木ひろし、布施明、八代亜紀、中島みゆき、西城秀樹、ヒデとロザンナ、大田裕美

※5月30日の百恵はいつもと違う。百恵の着ぐるみを着た別人ではないか、と思うくらい、異様に太っているのだ。体型が目立たないゆったりした大人っぽい長袖の服を着ているのだが、“大人っぽい”を通り越して、どう見ても40代のオバさんにしか見えない。これはかなり衝撃的である(私が幼児だったら、“百恵ちゃんじゃない~!”とテレビの前で喚いたかもしれない)。実は、百恵はこの直前に仕事で出掛けていたヨーロッパでの食べ過ぎ、眠り過ぎが祟り、一気に肥大してしまったのだった(5月16~19日にカンヌ映画祭参加、20~22日にニースで友和とグリコのCF撮り、27~28日にロンドンでアルバム『GOLDEN FLIGHT』録音というスケジュールで仕事をしていた)。しかし、そこから僅か3週間後の6月20日、「イミテイション・ゴールド」での初出演時には、また元の体型に戻している。ロバート・デ・ニーロみたいだ。さすがスーパーアイドル。

 10月3日は人気歌手が集結する10周年記念特番。過去のヒット曲や特別共演で魅せる2時間の変則的な内容だった。百恵は前年のヒット「横須賀ストーリー」を歌っている(これがスゴい)。新御三家との特別共演は、DVDでは郷ひろみとの「てんとう虫のサンバ」部分だけが収録されている。この回は是非とも2時間全長版を観てみたい。
 尚、11月14日の「秋桜」では、百恵の歌に聴き入るジョージ・チャキリスの姿を観ることもできる。これは思わぬ収穫だ。

追記:
 この記事の作成時点では、'77年10月24日放送回にも百恵が出演しているという情報があったが、後にフジテレビCSでの初再放送('10年9月30日)によって、誤りと判明した。'77年10月24日放送回に百恵は登場せず、代わりに、それまでデータとして確認できなかった荒木由美子(百恵フォロワー)の出演があり、阿木+宇崎の「ヴァージン・ロード」を歌っていることが明らかになった。当初から荒木の出演が予定されていたのか、百恵と急遽交代になったのかは不明(CS再放送の映像では、番組の序盤と中盤に、いつもは見られないテロップが画面下に流れているのだが、ボカシ処理のため読み取れない。もしかすると、出演者に変急変更があったことを断る内容かもしれない)。これにより、データとして確認できる百恵の〈夜ヒット〉総出演回数は82回から81回になった。



【1978】

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1978年01月23日 第0481回 【CS再】
山口百恵「乙女座宮」 M:「愛のメモリー」
五木ひろし、梓みちよ、野口五郎、松崎しげる、キャンディーズ、ピンク・レディー
1978年02月27日 第0486回 【CS再】
山口百恵「乙女座宮」 M:「あずさ2号」
森進一、五木ひろし、千昌夫、松崎しげる、岩崎宏美、渡辺真知子、狩人
1978年03月20日 第0489回
山口百恵「乙女座宮」 M:「天使の爪」
都はるみ、沢田研二、アリス、森昌子、大田裕美、高田みづえ、西村まゆ子
1978年04月10日 第0492回 【CS再】
山口百恵「乙女座宮」 M:「禁猟区」/「渚のシンドバッド」(桜田とのリハーサル映像)
森進一(代理司会)、郷ひろみ、ピンク・レディー、桜田淳子、Char、紙ふうせん、中原理恵
1978年05月29日 第0499回
山口百恵「プレイバック Part 2」 M:「イミテイション・ゴールド」(トリ)
ザ・ドリフターズ、森進一、アリス、高田みづえ、清水健太郎、榊原郁恵、狩人
1978年06月12日 第0501回 【CS再】
山口百恵「プレイバック Part 2」 M:「あんたのバラード」
五木ひろし、郷ひろみ+樹木希林、野口五郎、森昌子、世良公則&ツイスト、ガールズ、トライアングル
1978年07月31日 第0508回 【CS再】
山口百恵「プレイバック Part 2」 M:「あなただけを」
森進一、あおい輝彦、大田裕美、原田真二、榊原郁恵、サザンオールスターズ、本間由里
1978年08月21日 第0511回 【CS再】
山口百恵「絶体絶命」 M:「コスモス街道」
布施明、和田アキ子、堀内孝雄、郷ひろみ+樹木希林、岩崎宏美、狩人、古賀栄子
1978年09月11日 第0514回
山口百恵「絶体絶命」 M:「ひと夏の経験」(トリ)
郷ひろみ「ハリウッド・スキャンダル」(間奏で郷が百恵をダンスエスコート)
加藤登紀子、郷ひろみ、世良公則&ツイスト、アグネス・チャン、新沼謙治、中原理恵、他
1978年10月16日 第0519回 【CS再】
山口百恵「絶体絶命」 M:「黄色い麦わら帽子」
梓みちよ、布施明、西城秀樹、柳ジョージ&レイニーウッド、松崎しげる、ビューティー・ペア、石野真子、レイジー
1978年11月13日 第0523回 【CS再】
山口百恵「いい日旅立ち」 M:「宿無し」
ジャニス・イアン、布施明、郷ひろみ、石川さゆり、世良公則&ツイスト、岩崎宏美、レイジー
1978年12月25日 第0529回
山口百恵「いい日旅立ち」 M:「草原の輝き」
北島三郎、増位山太志郎、沢田研二、郷ひろみ、八代亜紀、アグネス・チャン、円広志

※カメラ目線を決めまくってジュリーを猛追した'78年(もちろんジュリーに向かってガンを飛ばしている)。最後は見事に王様の隣の席をゲットしてニコニコ。この年の百恵の勢いは、とにかくハンパでない。DVDには、桜田淳子と「渚のシンドバッド」を歌ったリハーサル映像(4月10日)、郷ひろみが「ハリウッド・スキャンダル」間奏で百恵を引っ張り出して一緒に踊った映像(9月11日)もきちんと収録されている。しつこく4回も歌った「乙女座宮」は、スタジオ・セットに登場する流れ星の進化の過程が見もの。



【1979】

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1979年01月22日 第0533回
山口百恵「いい日旅立ち」 M:「勝手にシンドバッド」
五木ひろし、西城秀樹、アグネス・チャン、サザンオールスターズ、金田たつえ、円広志、他
1979年02月19日 第0537回
山口百恵「美・サイレント」 M:「待っている女」
森山良子、沢田研二、五木ひろし、小柳ルミ子、岩崎宏美、サザンオールスターズ、他
1979年03月26日 第0542回 【CS再】
山口百恵「美・サイレント」 M:「てぃーんずぶるーす」
小室等、矢野顕子(客演)、鳳蘭、五木ひろし、八代亜紀、原田真二、高田みづえ
1979年04月23日 第0546回 【CS再】
山口百恵「美・サイレント」 M:「夏ひらく青春」(トリ)
植木等、ハナ肇とクレイジーキャッツ(特別ゲスト)、五木ひろし、五輪真弓、ゴダイゴ、岸田智史、岩崎宏美、大田裕美
1979年06月04日 第0552回
山口百恵「愛の嵐」 M:「サファリナイト」
カテリーナ・バレンテ、萩原健一、井上尭之、柳ジョージ&レイニーウッド、野口五郎、大橋純子、シグナル、石川さゆり
1979年07月30日 第0560回 【CS再】
山口百恵「愛の嵐」 M:「君が美しすぎて」
森進一、布施明、野口五郎、八代亜紀、松崎しげる、大田裕美、越美晴
1979年08月20日 第0563回 【CS再】
山口百恵「しなやかに歌って」 M:「イミテイション・ゴールド」(トリ)
由紀さおり、西城秀樹、野口五郎、ジョニー大倉、サーカス、高田みづえ、大田裕美
1979年09月17日 第0567回 【CS再】
山口百恵「しなやかに歌って」 M:「襟裳岬」
森進一、梓みちよ、小柳ルミ子、柳ジョージ&レイニーウッド、野口五郎、サザンオールスターズ、高山厳
1979年10月01日 第0569回(12周年突入記念)
山口百恵(スタジオで談話。VTR「プレイバック Part 2」「乙女座宮」)
五木ひろし、森進一、沢田研二、布施明、さだまさし、松坂慶子、八代亜紀、イルカ、郷ひろみ、西城秀樹、野口五郎、桜田淳子、ゴダイゴ、ツイスト
1979年10月08日 第0570回(所沢・西武ライオンズ球場中継)【CS再】
山口百恵「しなやかに歌って」 M:「夜空」
五木ひろし、西城秀樹、野口五郎、桜田淳子、細川たかし、ゴダイゴ、ピンク・レディー、オレンジ
1979年11月05日 第0574回
山口百恵「しなやかに歌って」 M:「女になって出直せよ」
杉良太郎、野口五郎、郷ひろみ、サザンオールスターズ、ツイスト、松原みき、他
1979年12月10日 第0579回 【CS再】
山口百恵「愛染橋」 M:「乙女座宮」(トリ)
五木ひろし、西城秀樹、原田真二、クリスタルキング、天地真理、パッショナータ、バラクーダ

※「愛の嵐」で2回しか出演していないのが少々悔やまれる。映画『ホワイト・ラブ』のスペイン・ロケ(6月後半~)のせいで、1回分出演が飛んだのかもしれない。

 10月1日の12周年突入記念特番は、スタジオに多くの歌手が集まり、番組の過去を振り返る趣向だったようだ。歌い出しでマイク落下のアクシデントがあった「プレイバック Part 2」('78年7月31日放送)、お立ち台の上で歌いながら後ろにひっくり返りそうになった「乙女座宮」('78年2月27日放送)の映像が紹介され、スタジオで百恵がコメントをしている。この時の百恵はマニッシュなジャケット姿で、なかなかかっこいい。

 『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』で驚くのは、CM中のスタジオ内の映像が(ほんの僅かではあるが)収録されていることである。例えば、6月4日「愛の嵐」では、歌唱が終わってCMに入った後の数秒間の様子(スタッフにマイクを渡してその場を去る百恵)、8月20日「しなやかに歌って」では、セットに使われていた大量のキャンドルの火をスタッフが消火器で消している様子などが収められている('80年2月18日の映像では、ラッキー・テレフォン・プレゼントが始まる前、CM明け直前の数秒間が映っている)。放送した映像しか残されていないと思っていたので、これには本当に腰を抜かした。とんでもない激レア映像である。



【1980】

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1980年01月21日 第0584回
山口百恵「愛染橋」 M:「甘い生活」
小室等、五木ひろし、郷ひろみ、野口五郎、ばんばひろふみ、大橋純子、高田みづえ
1980年02月18日 第0588回 【CS再】
山口百恵「愛染橋」 M:「プレイバック Part 2」(トリ)
五木ひろし、岩崎宏美、敏いとうとハッピー&ブルー、石野真子、チャゲ&飛鳥、狩人、横山みゆき
1980年03月17日 第0592回
山口百恵「謝肉祭」 M:「青い果実」(トリ)
五木ひろし、沢田研二、由紀さおり、小柳ルミ子、海援隊、シャネルズ、桑江知子
1980年04月14日 第0596回 【CS再】
山口百恵「謝肉祭」 M:「ランナウェイ」
五木ひろし、内山田洋とクールファイブ、五輪真弓、ロス・インディオス&シルヴィア、岩崎宏美、シャネルズ、岩崎良美
1980年05月26日 第0602回
山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」 M:「大都会」
八代亜紀、西城秀樹、もんた&ブラザーズ、松崎しげる、クリスタルキング、ピンク・レディー、相本久美子
1980年06月16日 第0605回 【CS再】
山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」 M:「夏ひらく青春」(トリ)
布施明、西城秀樹、奥村チヨ、松原みき、ロス・インディオス&シルヴィア、もんた&ブラザーズ、岩崎良美
1980年08月18日 第0614回
山口百恵「ロックンロール・ウィドウ」「不死鳥伝説」 M:「哀愁でいと」
ジュディ・オング、斉藤哲夫、野口五郎、研ナオコ、高田みづえ、田原俊彦、他
1980年09月22日 第0619回
山口百恵「一恵」 M:「あなたしか見えない」
リタ・クーリッジ、沢田研二、八代亜紀、ばんばひろふみ、高田みづえ、狩人、他
1980年10月06日 第0621回(特集サヨナラ山口百恵)
山口百恵「横須賀ストーリー」「ロックンロール・ウィドウ」「This is my trial」「さよならの向う側」
森昌子、桜田淳子、和田アキ子、西城秀樹、郷ひろみ、野口五郎、アン・ルイス、大田裕美、岩崎宏美、ピンク・レディー、高田みづえ(特別ゲスト:沢田研二、五木ひろし、ジュディ・オング、研ナオコ、青空球児・好児、他)

※引退に向けて多忙を極めた'80年。7月に出演できなかった代わり、8月18日には2曲歌っている。「さよならの向う側」('80年8月21日発売)を10月6日「特集サヨナラ山口百恵」のために温存し、9月22日放送回で、まだレコーディングもされていなかった「一恵」('80年11月19日発売のラスト・シングル)を歌わせた英断に拍手。ここで「一恵」の歌唱映像が残されたのは本当に幸いだ。
 メドレーでのトリは前年に続いて3回。本当にプレイバックする2月18日の「プレイバック Part 2」が見もの。それにしても、'77年から'80年まで通して、トリで一度も「横須賀ストーリー」を歌っていないのが不思議。


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'79年2月19日の百恵はびっくりするほど可愛い。さすがスーパーアイドル
'77年5月30日のオバさんとは全く同一人物と思えない


 こういうリストは、たとえ映像がなくても、眺めているだけで結構楽しい。出演歌手名を見るだけでも、当時の日本の流行音楽の状況がかなり分かる。〈夜ヒット〉の全放送回に関するデータをまとめた『夜のヒットスタジオ大年鑑』的な本が是非とも欲しい。出演歌手、歌唱曲、メドレー曲のリストに、放送エピソード、番組スタッフや出演歌手らの回想、スチールなどを加えて丁寧に編集すれば、素晴らしい本ができると思う。

 『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』は、本当にハルマゲドン級のとんでもないブツである。『ザ・ベストテン 山口百恵』も素晴らしいが、『山口百恵 in 夜のヒットスタジオ』はそれを遙かに超える。これはもう、番組自体の格が違うとしか言いようがない。とにかく、凄い。鑑賞記はまた改めて書きたい。


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※'88年6月8日に、シャーデーが〈夜ヒット〉に出演している。衛星中継で「Love Is Stronger Than Pride」を歌ったのではないかと思われる。この録画映像をお持ちの方は、是非、私にコピーを下さい。私が持っているもの何でも差し上げます(当方、外タレの〈夜ヒット〉出演映像もいくつか所有しております。ご連絡はこちらまで。マジです)。


追記('10年8月17日)
 絶版のため未見だった『芳村真理の夜のヒットスタジオDELUXE』にようやく目を通すことができた。'88年、芳村真理が放送1000回を機に番組を勇退した際に出版された書籍。一応、著者は芳村真理とされているが、これは、フジテレビ編集による歴とした“夜ヒット本”で、私が欲しいと思っていた“『夜のヒットスタジオ大年鑑』”にかなり近い内容の本だった。さすがに出演者リストなどの細かいデータまではないが、豊富なスチールと共に番組20年間の歴史が紹介されていて面白い。主な読み物としては、以下がある。

●そこに歌あり、そこに演出あり。
芳村真理
※番組勇退に際しての想い
●夜ヒットを作った男たち──プロデューサーたちのメッセージ
伊藤昭/藤森吉之/疋田拓
※歴代プロデューサー3人による回想
●歌の水先案内人
前田武彦/朝丘雪路/井上順/古舘伊知郎
※歴代司会者たちによる回想。三波伸介は故人のため取材なし(囲み記事で紹介)。
●1968-1988 歌謡史20年
小倉エージ/みうらじゅん/秋元康
※コラム。小倉エージは20年間の歌謡史の概観、みうらじゅんはノーランズなどの徒花外タレに対する偏愛について記述。〈夜ヒット〉を常にスタンダードとして意識していたと語る秋元康の文章がなかなか面白い(彼は『ザ・ベストテン』の構成を手掛けてもいた)。
●華麗な夜のヒットファッション
芳村真理
※自分のファッションの変遷を振り返る
●歌謡番組史での夜ヒットの位置──人間ドキュメントとしての歌番組
特別寄稿 加東康一(芸能評論家)
※〈夜ヒット〉評論
●忘れられないあの歌&スター
芳村真理
※番組20年間の思い出あれこれ
●ラストメッセージ
芳村真理
※まとめの短い謝辞

 小倉エージ、みうらじゅん、秋元康、加東康一は寄稿。他は基本的に談話を基にテキストが作成されていると思われる。膨大な量のスチールを様々な括り(歌手、セット、年代など)で振り分け、簡単なキャプション付きで紹介していくのがこの本の基本構成で、それらの合間に上記の読み物が入っている。番組初期からの主要レギュラーだったダン池田は、写真では登場するものの、一身上の都合により取材なし。番組の生みの親である塚田茂(構成作家)の言葉がないのも惜しい。私が個人的に興味がある裏方の人々の話や、制作現場の具体的な様子などについて、あまりページが割かれていないのが残念ではあるが(私は、それこそ芳村が放送中に手にしていた台本なども見てみたい)、それでも、盛り沢山の充実した1冊であることには違いない。〈夜ヒット〉年表、〈夜ヒット〉クイズ、番組の20年後を予想する漫画(要らねー)なども有り。飽くまで芳村真理の勇退に際して作られた本なので、復刊は望めない。〈夜ヒット〉ファンには図書館での閲覧をお勧めしておく。

芳村真理の夜のヒットスタジオDELUXE
著者 芳村真理
編集 フジテレビ/夜のヒットスタジオ
発行 株式会社フジテレビ出版
発売 扶桑社
昭和63年6月10日発行 ¥1300

 尚、山口百恵は、スチール数点('74年11月「伊豆の踊子」や、DVDボックスのパッケージに使われている'78年10月「絶体絶命」等々)と、芳村真理の回想内でフィーチャーされている。DVDブックレットを見ても思ったが、この番組はスチールが本当に多く残されていて驚く。百恵に関する芳村の回想に関しては、“夜のヒットスタジオ──特集サヨナラ山口百恵 (part 2)”の追記を参照。



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