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All Night Fuji [September 1984]


ALL NIGHT FUJI
Broadcast: September 1984 (Japan)
Performance: Smooth Operator
Personnel: Sade Adu (vocals), Stuart Matthewman (sax), Andrew Hale (keyboards), Paul S Denman (bass), Dave Early (drums), Martin Ditcham (percussion)

 '84年9月上旬、シャーデーは、六本木のライヴ・ハウス、インクスティックを経営するセック・コーポレーションの招聘で初来日を果たした。この時、彼らは東京での6回のギグの他に、フジテレビ土曜深夜の名物番組〈オールナイトフジ〉に出演している。初来日時の公的な映像としては恐らく唯一となる貴重な記録である。披露された曲は、日本でのデビュー曲「Smooth Operator」。


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 冒頭にアルファベットで曲名、続いてカタカナでバンド名が表示される(日本デビュー時の彼らの日本語表記は“シャーディー”だった)。編成は、オリジナル・メンバー4人にデイヴ・アーリー(ドラム)、マーティン・ディッチャム(パーカッション)を加えた当時のツアー・メンバー全員。外タレとしては珍しく完全生演奏。レコードに非常に忠実な演奏で、アデュもイントロの語り付きで安定した歌唱を聴かせる。アデュは黒いドット入りの白ブラウス+スリムな黒パンツ+黒革手袋という出で立ち。耳には例によってフープ・イヤリング。当時の彼女の定番コスチュームで、来日ステージの写真でもこの格好が見られる。

 背景は〈オールナイトフジ〉の標準セット。バックのメンバーの様子がアウトフォーカスで挿入されたり、所々にエフェクト処理がされていたりと、映像はそれなりに凝っている。非常に残念なのは、曲が完奏されないこと。ポール・デンマンのベース・ソロの途中(つまり、マシューマンのサックス・ソロの手前)で観客の拍手音が被せられ、強引にフェイドアウトして終わってしまうのだ。レコードも日本発売されていない時点での出演なので、この短さは仕方ないかもしれない。むしろ、一般的にまだ無名に近かったイギリスの新人バンドを、〈オールナイトフジ〉のような人気番組に出演させたレコード会社の尽力を讃えるべきだろう。

 私の手元にある映像はシャーデーのパフォーマンス部分のみなので、番組の前後の様子を知ることはできない。〈オールナイトフジ〉は生放送番組だが、音楽アーティストの出演部分に関しては、映像を事前収録することがよくあったようなので、シャーデーもそのケースではないかと思われる。少なくとも演奏のフェイドアウトの仕方を見る限り、実際に生放送中のスタジオでシャーデーがパフォーマンスを行ったようには見えない。恐らくトークなどはなく、簡単な紹介コメントと共にパフォーマンス映像が流されたのではないだろうか。
 正確な放送日は不明。来日公演日程を参照する限り、9月8日(土)、15日(土)のいずれかの放送と思われるが、録画の場合、レコード国内発売の翌日に当たる22日(土)の可能性も考えられる。


 アルバム『ダイヤモンド・ライフ』、及び、シングル「スムース・オぺレーター」がソニーから国内発売されたのは、'84年9月21日。当時のアルバム帯の謳い文句は、次のようなものだった。

  ロンドン・メイドのハイテック・ジャズ・レディ、シャーディー・アデゥ。
  妖しく謎めいた美女を中心とする4人のコンボが先端人種の街ロンドンで今大話題!


 今となっては“なんのこっちゃ”という感じもするが、とにかく、シャーデーの日本でのお目見えはこのようなものだった。シャーデーは、ロンドンからやって来た最先端のお洒落なクラブ・ミュージックとして輸入され、本国イギリスに続いて、アメリカより半年早く日本で人気に火がついた。来日はこの日本デビュー直前に当たる9月上旬なので、かなり早い段階での積極的なプロモーションだったことが分かる。

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THE DIAMOND LIFE TOUR in JAPAN
September 1984
7(金)インクスティック PM10:00/¥3500(2ドリンク付)
8(土)ラフォーレ・ミュージアム原宿 PM7:00/¥3000
9(日)ラフォーレ・ミュージアム原宿 PM7:00/¥3000
10(月)ツバキハウス PM9:00/¥3000
14(金)インクスティック PM10:00/¥3500(2ドリンク付)
15(土)日比谷野外音楽堂 "SPENDING YOUR SUMMER NIGHT"
     出演:シャーデー、アプサラス、THE CONX
     PM5:00/¥2500(前売)¥2800(当日)

 シャーデー初来日公演のスケジュールは上記の通り。ラフォーレ、インクスティック、ツバキハウスといった都内のヒップなスポットを廻り、お洒落でハイテックな先端人種のイメージを強く印象づけた。ステージは基本的に45分ほどのショウケース的内容だったようだ。最後の野音公演は“SPENDING YOUR SUMMER NIGHT”と銘打たれたイベントで、他に当時の日本のバンドが二組出演している。

 初来日公演についてのアデュの感想。

「ビックリしたのは最初のラフォーレのギグね。だって、異常に静かで、最初に演奏を始めたパーカッショニストなんて恐がってたわよ。“もう死んじまいたいよ”ってな感じ(笑)。でも、それが日本人の反応のしかたなんだと思うの。会場のせいもあるしね。ツバキハウスじゃあ全く違ったもの。少々雑音が多くて、すごく静かな曲をやってんのにバーテンダーがグラスを洗うのに必死になってたり(笑)。でも、みんな熱狂的で、客席から声が飛びだしてきたのが素敵。イギリスではないわ、こんなの」(10 November 1984, Popeye)

 グラスの雑音のことは他のインタヴューでも話している。余程うるさかったのだろう。

「みんな凄いのっちゃって、反応としては最高だったのよ。私自身もね、クラブに行って、立ちっぱなしだったりすると、なかなかじっとしていられないもの。だけど正直な話、バーから聞こえてくるグラスの音、あれにはちょっとまいったわ。もしも雑音がね、人の話声だけだったら、みんなもっと注意すると思うのよ。だけど、あのガチャガチャ、ガラガラでしょ。なんか、台所でプレイしているみたいでね(笑)」(December 1984, Adlib)

 ちなみに、この'84年9月の初来日の後、シャーデーは『PROMISE』期のツアーで'86年5月1日~12日に再来日公演(8公演/横浜、仙台、大阪、名古屋、東京。北海道公演も決まっていたが体調不良で中止)、『LOVE DELUXE』期のツアーで'93年6月22日~7月4日に3度目の来日公演(10公演/東京、横浜、広島、大阪、名古屋)を行っている。

 シャーデーの日本のテレビ番組への出演に関しては、私の知る限り、他に'88年6月8日放送〈夜のヒットスタジオ〉がある。「Love Is Stronger Than Pride」で出演しているが、私は残念ながら未見である(衛星中継での出演と思われる。録画映像をお持ちの方は是非ご連絡下さい)。


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