2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 2)



 シャーデーを観るため、私は遂にラスベガスまで来てしまった。
 
 コンサートは9月3日(土)の夜、ラスベガスのストリップ南部にある世界最大級の巨大ホテル、MGMグランドのアリーナで行われる。前日の2日(金)午後2時半、私は一人旅の不安と禁煙の苦行をどうにか耐え抜き、成田から約15時間かけて、ようやくラスベガスのマッカラン国際空港へ辿り着いた。


WELCOME TO LAS VEGAS

sade_mgm06.jpg
ラスベガスへようこそ

 日本から利用できる航空会社の便のほとんどは、マッカラン国際空港の第1ターミナルDゲートに到着する。ゲート内の通路にはいきなりスロットマシンがずらりと並んでいて、いかにもラスベガスに着いたという気分になる(ターミナル内には1000台以上のスロットマシンが設置されているという)。Dゲートの広い通路を歩いていくと、まず、上のような看板が出迎えてくれる。この看板をくぐってエスカレーターを降り、トラムで第1ターミナル本館へ移動。そこで長い空の旅はようやく終わり、空港の外へ出ることになる。私は遂にラスベガスにやって来た。ここから先はいよいよ自由行動だ。これからどうすればいいんだっけ……。

sade_mgm07.jpg
喫煙者のオアシス──マッカラン空港第1ターミナル、シャトル乗り場の喫煙所

 第1ターミナル本館から一歩外に出ると、すぐ目の前にシャトル乗り場があった。とりあえずシャトル・バスに乗って、空港から街の中心部まで移動しなければならない。はあ、とひとつ溜息をついて後ろを振り返ると、そこに喫煙所があった。Jesus Christ! やったぜベイビー! ここで私は15時間ぶりにようやく煙草を吸うことができたのだった(私は結局、15分くらいここにいた)。

sade_mgm08.jpgsade_mgm09.jpg
Executive社の切符売り場(左)、シャトルでトロピカーナ通りを西へ進む(右)

 ラスベガスの中心部は、巨大ホテルが軒を連ねるラスベガス・ブルバード=通称“ストリップ”と呼ばれる南北にのびる大通りである。空港からストリップへの移動はタクシーを使う手もあるが、シャトル・バスに乗るのが最も経済的である(とガイドブックに書いてあった)。シャトル乗り場には複数のバス会社の切符売り場がずらりと並んでいた。私はてくてく歩いて運賃を見てまわったが、どこもストリップまで7ドルで、結局、喫煙所のすぐ脇にあったExecutive社の6ドルが最も安いということが分かった。窓口で行き先のホテルを訊かれたので、“MGMグランド”と答える。シャトルはそれぞれホテル別で行き先が分かれているのだ。6ドルを払うと、乗車券代わりにカジノで使うチップを1枚渡された(乗車時に回収)。小型のバスに乗ってみると中は満員で、私の座る場所がなかった。運転手から“本当はダメなんだけど、特別に前に座っていい”というような意味のことを言われ、なぜか助手席に座ることに。特等席ではないか。

 空港を出てトロピカーナ通りを西へ。10分もしないうちに、左前方に黒いピラミッド型のホテル、ルクソール・ラスベガス Luxor Las Vegas、そして、右前方にバカでかいMGMグランドが見えてきた。MGMグランドは、東西にのびるトロピカーナ通りと、南北にのびるストリップの交差点に位置している。ラスベガスの地図は大体頭に入っていたので、位置関係はすぐに分かったが、しかし、スケールが予想と全然違っていた。広い。とにかく、だだっ広いのだ。道幅も何もかも、日本の街とはスケールが全く違う。ラスベガスはこんなに広いのか……。


THE LIONS SLEEP TODAY?

sade_mgm10.jpg
いよいよ到着、MGMグランド!

 シャトルはMGMグランドの敷地内に入り、正面玄関の前に到着した。私は別にMGMに宿泊するわけではないのだが、とにかく中へ入ってみることに。

 広々としたロビーは人でごった返していた。わけも分からず適当にホテル内を歩いていくと、すぐに巨大なカジノ空間が目の前に現れた。膨大な数のスロットマシン、カードゲームやルーレットの台が並び、昼間から大勢の人々がギャンブルに興じている。何なんだ、ここは。どこまで歩いてもカジノ、カジノ。一箇所の決まった空間にカジノ場があるわけではなく、何と言うか、ホテルのだだっ広い通路自体がすべてカジノになっていて、カジノの中を歩きながらホテル内を移動するような感じなのである。カジノの全景写真を撮りたかったが、見張りの係員が恐いので撮らなかった(どこでも同じだが、客のプライバシーを守るため、カジノ内での写真撮影は禁止されている。撮っているところを見つかると、オールバックの恐い人にカメラを取り上げられて足でけちょんけちょんに踏みつけられたり、別の部屋へ連れて行かれてボコボコにされたり……ということはないと思うが、多分、厳重に注意され、場合によってはデータの消去を求められる)。

sade_mgm11.jpg
ライオン・ハビタットの入口。ガオ~!

 呆気に取られながらカジノ・フロアを歩いていると、左手に“ライオン・ハビタット(ライオンの住みか)”が見えてきた。MGMグランドでは、そのシンボルでもあるライオンを飼育してアトラクションにしているのである。これは誰でも無料で見ることができる。生ライオンを見るなんて小学生の時以来かもしれない。せっかく来たので中に入ってみることにした。

sade_mgm12.jpgsade_mgm13.jpg
sade_mgm14.jpgsade_mgm15.jpg
これがライオンの住みかだ!

 内部は天井と左右がガラス張りになった細い通路状の空間になっていて、そこから生ライオンが見られる。私が訪れた時は天井に2頭のライオンがいて、全くやる気なさそうにゴロ寝していた。これぞまさしく“ライオンは寝ている”である。下から見ると、丸まったでっかい絨毯みたいだ。来場者たちは皆一様にこれをポカンと口を開けて眺めるのである。ライオンのすぐそばには飼育員がいて、ボールを転がしてライオンを地味に刺激している。ライオンは気が向くとボールをキャッチしたりして、来場者を喜ばせる。やはり多少は動きがないと面白くない。

sade_mgm16.jpg
ライオン・ハビタットのすぐ脇に……

 なるほどねえ、と思いながら、ライオンの住みかを去ろうとしたその時、私の視界に突然シャーデーの姿が! もちろん、生シャーデーではない。明日行われるコンサートの告知パネルである(前回記事のトップに掲載した写真は、このライオン・ハビタット脇のパネルを正面から撮影したものである)。“SATURDAY, SEPTEMBER 3, 2011 MGM GRAND GARDEN ARENA”と書かれている。シャーデーのコンサートはやはり明日、間違いなくこの場所で行われるのだ。この告知を目にしただけで私のテンションは一気に上がった。ガオ~!

sade_mgm17.jpgsade_mgm18.jpg
色んな場所にシャーデーが!

 MGMグランド内をうろうろすると、他にも色々な場所にシャーデーのコンサートの告知があった。おお、なんて素晴らしいホテルなんだ。そこらへんにいるアメリカ人を誰でもいいから捕まえて、“おれ、明日これ観に行くんだぜ!”と自慢してやりたい気分だった。しかし、その一方で、これらの告知を目にしても尚、私には自分がシャーデーのコンサートを観られるということが半ば信じられなかった。私にとってシャーデーのコンサートは、ずっと“観られるわけがないもの”だった。やっぱりこれは何かの間違いじゃあるまいか。誰かが私を騙そうとしてこんな看板を仕掛けているのではないか。こんな砂漠の真ん中にある街に、本当にシャーデーはやってくるのか?!

sade_mgm19.jpg
MGMグランド正面に鎮座するライオン像

 ストリップ側の出口からMGMグランドの外に出てみた。ストリップとトピカーナ通りの交差点の角からMGMグランドを見上げる。デカい。『未来少年コナン』とかに出てくる要塞みたいだ。正面にはライオンの巨大なブロンズ像が鎮座している(こちらのライオンはちゃんと起きている)。あまりにデカすぎて、ホテルの全景がカメラのファインダーに収まりきらない。のけぞりながら何枚か写真を撮った。

 写真を撮っていると、白人の若い男が私に声を掛けてきた。彼も一人で写真を撮っていて、あまり上手くない英語で“僕の写真を撮ってくれませんか”と言う。カメラを受け取り、ライオンの前でポーズをとる彼に向けてシャッターを押した。カメラを見て写りを確認する男。彼の姿は全身きちんと写っていたが、ライオンの頭が切れていた。“僕は上半身だけでいいから、ライオンをきちんと入れてくれないか”と言って、私に撮り直しを求める。はいはい、ライオンが大事なのね。ずうずうしい奴だなあ、と思いつつ、仕方なくもう1枚撮った。

 そんなどうでもいいことをやっているうちに、私はすっかり全身汗だくになっていた。暑い。無茶苦茶に暑いのだ。この時期のラスベガスの最高気温は40度である。暑い、ではなく、熱い、と書いた方がニュアンス的に近い。日差しの強さとアスファルトの照り返しがとにかく半端でない。まるでフライパンの上で焼かれているようだ。日本のモワ~ッとした暑さとは全く違う。外を歩くと5分もしないうちに喉がカラカラになる。しかし、日陰に入ると、これがびっくりするほど涼しかったりする。さすが砂漠の街である。

(続く)


※写真はすべて筆者撮影(クリックで拡大可)

Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 1)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 2)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 3)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 4)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 5)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 6)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 7)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 8)
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 (part 9)

Soldier Of Love Tour [2011]
Soldier Of Love Tour on YouTube

| Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011 | 03:19 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT