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シャーデー、世界ツアー終了

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 '11年12月16日(金)、シャーデーの世界ツアーがアラブ首長国連邦のアブダビで遂に千秋楽を迎えた。欧州、北米、南米、東欧、豪州、そして、中東。'11年4月29日のニース公演から、12月16日のアブダビ公演まで、世界を股に掛けたシャーデーの'11年ツアーは、最終的に計106公演にも及ぶ大規模なものとなった。


ADU DHABI TONIGHT

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アブダビ公演で「Your Love Is King」を歌うアデュ

 世界ツアー最終日、アブダビ、ヤス・アリーナのステージで、幕開け曲「Soldier Of Love」が終わった後、アデュは観客にこう挨拶した──“今夜は私たちバンドにとって、とっても大きな夜です。ほろ苦い夜です。今夜は私たちの世界ツアーの最終日だからです。あとで悲しみを味わうでしょう。でも、喜びもあります。アブダビで皆さんとこうして過ごせるからです。涙は明日に取っておくことにして、今夜は皆で楽しみましょう”。「In Another Time」前のMCでは、アブダビ(Abu Dhabi)と自分の名字(Adu)を掛けて“今夜はアデュダビってことで(笑)”と冗談も飛ばした。

 アブダビが世界ツアーの最終公演地になることは、その後の日程が何も発表されないことから予測はついていたが、少し間を置いて'12年にアジア・ツアーが実現するかもしれないという期待を私は最後の最後まで抱いていた。アブダビ公演の「Nothing Can Come Between Us」で、トニー・モムレルは“今夜、ここで皆さんと共に世界ツアーを終えることができて感激だ”と言っている。公演終了後、いち早くYouTubeにアップされたその映像を目にした時、彼らの世界ツアーが本当に終わってしまったのだということを、私は事実として初めてはっきり認識した。

 来日公演が実現しなかったのは本当に残念である。私は“SADE LIVE TONIGHT IN TOKYO”というビルボードが輝く光景をずっと夢想していた。是非とも日本で彼らのショウが観たかった。来日決定のニュース記事に使うアデュの画像まで用意していたが、結局、最後まで使うことはなかった。奇蹟は起こらなかった。ラスベガス公演鑑賞記の最後にも書いたことだが、来日公演が実現しなかったことで彼らを責めることはできない。残念だが、これは本当に仕方のないことなのだと思う。

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チリ公演のカーテンコール(本記事冒頭の写真も)

 本当に素晴らしいツアーだった。4月29日の開幕以来、私はYouTubeに投稿されるオーディエンス動画で、ツアーの様子をずっと見てきた(“Soldier Of Love Tour on YouTube”参照)。世界各地から毎日のように届けられるシャーデーの最新ライヴ映像。それらをひとつひとつチェックするのが私の日課のようになっていた。映像で見るだけでは飽きたらず、終いにはラスベガスまで飛んでしまった。シャーデーが当たり前のように活動していて、次々と新しい映像、写真、インタヴュー記事に触れることができる。最高だった。私にとって本当に夢のような9ヶ月間だった。

 今、最後の公演の映像をYouTubeでチェックしながら、私は大きな喪失感を覚えている。何度見たか知らないパフォーマンスをひとつひとつ眺めながら、改めて最高のショウだと思う。これがもう二度と行われないのかと思うと、自然と目頭が熱くなってくる。幕引き曲「Cherish The Day」で観客に敬礼をし、無言でステージを去っていくアデュの姿を見て、私は胸が締め付けられるような思いがした。彼女は単にアブダビの観客の前から姿を消しただけではない。私たちに(またいつものように)“約束なしのお別れ”をしたのである。'10年2月に始まった『SOLDIER OF LOVE』期のシャーデーの活動が、これで完全に終了した。私には“ありがとう”のひとことしかない。


THANK YOU FOR EVERYTHING... SEE YOU!

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クリーブランド公演のアデュ(来日決定の記事に使おうと思っていた私のお気に入りの写真)

 シャーデーが再び公衆の前に姿を見せるのは一体いつのことになるのか。彼らが再びツアーに出ることはあるのだろうか。'11年8月末、豪州ツアーの予定が発表された頃、アデュは現地メディアの取材に応えて次のように話していた。

「私にはクラブ歌手みたくただステージに出て歌うようなことはできない。私にとってそれはスペクタクルでなければいけない。ショウをやるのは自分にとって本当に大変なことなの。もう再びこんなことをやるかどうか分からない。ちょっとありそうもない気がするわ」(31 August 2011, perthnow.com)

 同インタヴューで、彼女は“こんなこと(ツアー)をやるのは、これで最後かもしれないと思った”とも喋っている。遠い将来、単発のショウやごく小規模なツアーが行われることはあるかもしれないが、ここまで大規模な世界ツアーが行われることは、恐らくもう二度とないだろう。これ以上に素晴らしいツアーなど想像できない。これで引退してしまったとしても何も不思議はないのだ。今回のツアーは、ファンにとっても、シャーデーのメンバーたちにとっても、一生に一度の特別なイベントとなった。

 ファンにとって当面の楽しみは、'12年に発売されるであろうツアーのライヴDVDということになる。新譜が出るまでの期間、ファンは過去のマテリアルの再発や蔵出しに期待するしかなくなるが、ボーナス・トラック入りでの旧譜再発などは望めそうもない。ツアー開幕に合わせて発売された新曲入りベスト盤『THE ULTIMATE COLLECTION』は、レコード会社が彼らに豪華版での旧譜再発を打診して却下された末の妥協的産物だったらしい。

「そういうのは大嫌い。レコード会社はその手のプラチナ永久保存ものを出したくてしようがないのよ。“冗談じゃない。私たちはそこまで終わっちゃいないわ”と言ってやったわ」

 スチュアート・マシューマンによると“もちろん次(新譜)はあるだろう”ということだが、“次”がいつになるかは誰にも分からない。そして、実のところ、シャーデーが本当に戻ってくるかどうかすら分からないのである。'11年8月末の同インタヴューで、アデュは珍しく将来のことについて話していた。

「私には将来、(音楽の他に)別にやることがあるの。漠然とした計画はあるんだけど、喋るともうやったような気になってしまうから、それについては話したくない。大きな考えがあるんだけど……。自分が音楽やショウに注ぐ力をチャリティに注げば、何か素晴らしいことができると思うの」

 今はとにかく、お疲れさま。ゆっくり休養してほしい。
 本当にありがとう、シャーデー。





シャーデー、12月に中東公演決定!(2011.11.04)
Soldier Of Love Tour [2011]
Soldier Of Love Tour on YouTube

| Sade News | 10:20 | TOP↑

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