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Sade World Tour 2011 Audience Video Awards



 '12年の2月もグラミー賞とアカデミー賞が大いに話題を振りまいた。しかし、今年はそれだけで終わらない。今年はシャーデー・ファンのために特別にもうひとつ授賞式がある。シャーデーの'11年ツアーの優れたオーディエンス撮り動画を讃える“オーディエンス動画大賞(Audience Video Awards)”である。

 '11年4月29日から12月16日まで計106公演行われたシャーデーの世界ツアー。会場では毎回大勢の観客によってショウの様子が撮影され、その映像がYouTubeに連日アップされ続けた。YouTubeに投稿されたシャーデー'11年ツアーのオーディエンス動画の総数は、恐らく数千本に及ぶ。“オーディエンス動画大賞”では、それら大量の動画の中からよく撮れている必見動画を厳選し、部門ごとに分けて複数本をノミネートした上、大賞を決定していく。選考は“シャーデー・オーディエンス動画委員会”(会員1名)によって行われる。ノミネートされた動画は、委員会の会員(私)によってDVDに焼かれ、永久保存されて末永く鑑賞される。さて、栄冠はどの動画に輝くのか?!


【NOMINATION CRITERIA 選考基準】

 '12年2月現在までYouTube上に存在する動画をノミネート対象とする。既に削除されてしまった動画は残念ながら対象外となる(削除された中には優れた動画もいくつかあったが、既に消えた動画を紹介しても仕方ないので、それらは忘れることにする)。幸い、ほとんどの動画が現時点でもまだ健在である。YouTubeでオーディエンス動画が削除対象となることはあまりないので、その動画を上げている投稿者のチャンネル自体が他の動画のせいで消滅しない限り、これらのオーディエンス動画は今後もかなり長い間、YouTube上に残っていくのではないかと思われる(但し、'11年ツアーの公式DVDが発売される時点で手入れが入る可能性もあるので、早めの保存が望ましい)。

 ノミネート対象は、アスペクト比16:9、解像度720ピクセル以上(720p/1080p)のHD動画に限る。480ピクセル以下(480p/360p/240p)で投稿されている動画は、どんなによく撮れていても落選とする。アスペクト比4:3の動画、また、16:9でも480ピクセル以下の動画はその時点で原則的に落選となる。

 オーディエンス動画の中には、ステージ両脇にあるサブ・スクリーン映像(ステージ上のメンバーの様子がリアルタイムで映し出される)を撮影しているものもあるが、これも一切選ばない。オーディエンス動画でスクリーン撮りは邪道だと思うからである。飽くまで観客の視点からステージが捉えられていることが大事である。きちんとしたカメラワークやカット割りでコンサートを楽しみたければ、いずれ発売される公式ライヴ映像を見ればいい。私はオーディエンス撮りならではの、生々しい臨場感に溢れた動画を高く評価する。また、コンサート映像であるだけに、音質も重視したい。よく撮れていても、音質があまりにも悪かったり、安定しない動画は落選とする。

 ツアーが行われていた9ヶ月間、私は毎日のようにYouTubeをチェックし、膨大な数のオーディエンス動画を見続けた。“Sade”で検索し、検索フィルターで“今日”、あるいは“一週間以内”に投稿された動画をすべてチェックするのはもちろん、公演地名や会場名でも検索を掛け、ピンからキリまで、あらゆるオーディエンス動画をしらみ潰しに見た(2~3日チェックを怠ると、その間に膨大な数の新動画が投稿されていて、すべてチェックするのに一晩かかることも少なくなかった)。撮影者の多い公演になると、1曲に対して5~10本くらいの動画が投稿される。私はそれらの動画のURLをすべてテキスト・ファイルに保存し、最もよく撮れていると思う動画を1本(時に2~3本)選び、“Soldier Of Love Tour on YouTube”という動画リンク集をツアー終了まで更新し続けた。ゆえに、そのリンク集の作成時点で既に比較的良質な動画が選抜されているのだが、今回のオーディエンス動画大賞では、そこから更に優れたものを絞り込む。ノミネートされた動画は、シャーデーの'11年ツアーのオーディエンス動画の中でも、永久保存に値する最高峰のものばかりである。3つの部門──“最優秀完全収録動画賞(Best Complete Show Videos)”、“最優秀各曲動画賞(Best Individual Song Videos)”、“最優秀撮影者賞(Smoothest Camera Operators)”──に分け、素晴らしいオーディエンス動画の数々を讃えることにしたい。


BEST COMPLETE SHOW VIDEOS 最優秀完全収録動画賞

 コンサートを完全収録した優れた動画を讃える。どの公演も大勢の観客が動画を撮影したが、最初から最後までコンサートを撮影している観客というのはそれほど多くない。大抵の観客は記念に数曲だけ撮影し、それ以外は普通にコンサートを楽しむものだからである。せっかくコンサートを観に来て、最初から最後までファインダーを覗きながら黙々と撮影するというのは、ファンとしてはなかなか辛いものがある。しかし、中にはコンサートを撮影してYouTubeに投稿することを趣味にしている人間や、ブートレガーのような輩もいて、コンサートを完全収録した動画もいくつか存在するのである。その中から、丸ごとDVDに焼いて保存したい優秀作品を選ぶ。

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17 May 2011 - Bercy, Paris - France
Posted by 000MadMan000 (reposted by madmansade2011)
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Still In Love With You / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day


 大賞は000MadMan000の5月17日パリ公演に決定。これは下馬評通りだろう(誰も予想してねえよ)。ツアー初期に登場し、世界中のファンの度肝を抜いた神動画である。アリーナ前方(20列目くらい)から望遠で実に美しい画を撮っている。アデュのアップが超充実。アデュの様子がよく見られるのは嬉しいが、ただ、これは同時にこの動画の欠点でもある。ひたすらアデュばかり映していて、ステージの全景や他のメンバーの様子が全くと言っていいほど映らない。ショウの要のスクリーン映像もほとんど見ることができない。こういう近視的でバランスを欠いた映像がオーディエンス撮りには多く、これなどはその典型だが、それでもアングルの良さ、画質の美しさ、カメラの安定感(ちょっとピンボケが多いが)はやはり素晴らしいと言うしかない。音質も超クリアで、まさに大賞に相応しい。初心者でもストレスなく楽しむことができるだろう。残念ながら「By Your Side」1曲のみ投稿されていない(バッテリー交換で撮影できなかったのかもしれない)。もともと公演直後の5月に投稿されたが、一度チャンネルごと削除され、madmansade2011という新アカウントで8月15日に再アップされた。画面右下にID入り。

 以下はその他のノミネート動画。中にはごく並レベルの映像もあるが、コンサートを丸ごと撮影した動画はそれだけでも貴重なので、まとめて列挙しておくことにする。暇人なら公演ごとにDVDを焼いて楽しむのも良いだろう。


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01 May 2011 - Sportpaleis Antwerp, Antwerp - Belgium
Posted by didier2109bel
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Still In Love With You / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 スタンド下段、ステージに向かって左40度くらいから撮影。ステージ全景とメンバーたちの様子がズームでバランス良く収められている(画面が微妙に傾き気味なのが残念)。ツアー2日目のこのアントワープ公演映像によって、初めてショウの全貌をはっきり掴むことができた。ツアー初期に重宝した名動画。この公演では「Morning Bird」「King Of Sorrow」「Cherish The Day」の3曲で、何らかのトラブルのため透明スクリーンが使われていない(「Bring Me Home」では普通に稼働している)。


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06 May 2011 - Mediolanum Forum, Milan - Italy
Posted by MrAdamino85
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Still In Love With You / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 スタンド上段、ステージに向かって左60度くらいから撮影。横から見下ろしているような感じなので、スクリーン映像は全く見られない。マニア向けだが、この動画は音質が良く、聴く分には悪くない。このミラノ公演の「Cherish The Day」は、アデュがステージに出てくるタイミングが異様に早くてちょっと驚く(マシューマンがリフを弾き始める前、ドラムのイントロの時点で登場する)。


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30 June 2011 - Bell Centre, Montreal, QC - Canada
Posted by digitalmontreal
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 スタンド下段、ステージに向かって左60度くらいから撮影。上記のミラノ公演動画同様、角度がきつ過ぎてスクリーン映像は全く画面に入らない。パンやズームもなく、基本的にアデュ、マシューマン、デンマンの単調な3ショットが延々と続く。カメラ自体は安定しているのでそれなりに鑑賞はできるが、これもマニア向け。このモントリオール公演は、「In Another Time」「Jezebel」「By Your Side」でヘイルがステージ前方ではなく、後方の定位置で鍵盤を演奏するというちょっと変わった公演だった(ヘイルが前方にいないため、「In Another Time」でアデュはいつもと逆向きにスツールに座っている)。


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07 August 2011 - United Center, Chicago, IL - United States
Posted by springflowers2007
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 アリーナ中央2列目から撮影。この動画は迫力満点だ。かぶりつきでショウの様子がじっくり楽しめる。34分26秒のパート1(「Soldier Of Love」~「Smooth Operator」インタールード)、34分30秒のパート2(「Smooth Operator」~「Paradise」の途中)、10分20秒のパート3(「Paradise」の途中~「Morning Bird」)で分割してアップされている。が、残念なことに「King Of Sorrow」以降のコンサート終盤が欠けている。終盤部分は携帯で撮ったショボい断片動画しかアップされていない。このspringflowers2007という投稿者は、同じカメラで最後まで撮影していないのだ(バッテリーが切れたのか?)。完全収録されていれば最高だったのが……。中途半端な位置で動画を分割しているのも残念。実に惜しい。


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08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia
Posted by House13inc
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life (version 2) / Love Is Found (version 2) / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel (version 2) / Bring Me Home / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us (version 2) / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo (version 2) / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 スタンド上段正面から撮影。ステージ全景からメンバーたちのアップまでバランスよく収録。音質もまあまあ(低音が歪む)。画面左上にID入り。そこそこお薦めできる動画だが、「Pearls」以降が480pでしかアップされていないのが残念。この投稿者は同じ場所からカメラ2台で撮影し、数曲を別ヴァージョンで公開してもいる。三脚で固定して撮影したと思われるヴァージョン2(いずれも480p)の動画は、ずっと同じ画角でステージ全景を撮っているため、スクリーン映像がよく分かる。尚、このYouTube動画から作られたブートレグDVDが出回っているようだが、絶対に買ってはいけない(欲しければ自分でYouTubeから落として焼くべし)。


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20 November 2011 - Lotto Arena, Antwerp - Belgium
Posted by mistermayonaise
Soldier Of Love / Your Love Is King / Skin / Kiss Of Life / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Jezebel / Bring Me Home / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride / All About Our Love / Paradise / Nothing Can Come Between Us / Morning Bird / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side / Cherish The Day

 アリーナ最前列ほぼ中央(やや右)から撮影。「Soldier Of Love」冒頭とメンバー紹介後半を除き、コンサートをほぼ完全収録(曲間が微妙にカットされてもいる)。全6パートで分割。ずっと座って撮影しているため、高低差でステージの奥の方が全く見えない(立ち上がって撮影する最後の「Cherish The Day」でようやくステージの床が映る)。場所が場所だけに見応えはあるが、アデュのアップばかり撮っているため、ショウの全体像はほとんど捉えられていない。音質がショボいのも辛い。マニア向け。ちなみに、この公演はアデュのお母さんが会場に来ていた(「In Another Time」のMCで言及される)。



BEST INDIVIDUAL SONG VIDEOS 最優秀各曲動画賞

 各曲ごとに優れた動画を選ぶ。オーディエンス動画大賞で最も熱いのがこの部門である。コンサートを完全収録していなくても、曲単位ならいくらでも高品質の傑作動画があるのだ。基本的にそのパフォーマンスの見所をしっかり捉えている動画を高く評価する。例えば、「Love Is Found」のようにスクリーン映像が要になる曲で、ステージ上のメンバーしか映っていない動画はあまり頂けない。「In Another Time」であれば、必然的にステージに向かって右方面から撮られた動画が有利になる。「Is It A Crime」なら、ソロをとる各メンバーにきちんとカメラが振られることが重要である。
 先述の通り、カメラ持参の観客の多くはコンサートを終始撮影しているわけではなく、自分の好きな数曲を記念に撮影するケースがほとんどである。つまり、イントロを耳にしてから撮影を始めるので、曲の頭が数秒切れていることが多い。いくらよく撮れていても、パフォーマンスを断片的にしか収録していない不完全動画は原則的に落選とするが(場合によっては選出する)、イントロの微妙な欠落に関しては大目に見ることにしたい。また、この部門では先に発表した“最優秀完全収録動画賞”で選出した動画は対象外とする。
 大賞は画像で示す。但し、大賞に選ばれた動画が必ずしも絶対的に優れているわけではなく、ノミネートされた動画はどれもそれぞれに長所があるという点を強調しておきたい。様々なアングルの動画を選んでいるので、ひとつひとつ見ていけば、そのパフォーマンスをより楽しむことができるだろう。私はこれらの優秀動画を2~3曲ごとにまとめてDVDに焼いて楽しんでいる(“「Soldier Of Love」「Your Love Is King」ディスク”、“「Skin」「Kiss Of Life」ディスク”……という具合に)。

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Soldier Of Love
03 May 2011 - O2 World, Hamburg - Germany / 07 May 2011 - Schleyerhalle, Stuttgart - Germany / 19 May 2011 - Olympiahalle Munich, Munich - Germany / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 17 July 2011 - Amway Center, Orlando, FL - United States (incl. Three Little Birds) / 23 July 2011 - Toyota Center, Houston, TX - United States / 06 August 2011 - United Center, Chicago, IL - United States (incl. Your Love Is King) / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 03 September 2011 - MGM Grand Garden Arena, Las Vegas, NV - United States / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 30 October 2011 - Belgrade Arena, Belgrade - Serbia / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 「Soldier Of Love」動画の主な選考ポイントは、メンバーたちが床から登場する冒頭場面がどの程度の迫力で映っているか、スクリーン映像の兵士たちがきちんと映っているか、終盤でアデュ、モムレル、オズボーンが揃って回転する場面が3ショットで映っているか等である。大賞はchitownluv17の8月6日シカゴ公演。アリーナ最前列ど真ん中から撮影。床が見えない冒頭の登場場面はいまいちだが、総合的に見てこれが最もよく撮れていると思う(この動画には続けて「Your Love Is King」も収録されている)。黒い3枚の幕を使ったイントロ部分が最もよく撮れているのは、6月24日イースト・ラザフォード公演(私はラスベガスでこの動画とほぼ同じアングルからこの場面を目撃してぶっ飛んだ)。見ていて最も盛り上がるのは、やはり観客が熱い北米公演の動画。爆音の演奏と共にメンバーが登場するこのオープニング曲で、場内は一気に熱狂の嵐に包まれる(7月23日ヒューストン公演動画にはその雰囲気がよく捉えられている)。7月17日オーランド公演動画はおまけのノミネート。映像自体は並だが、この動画は客電が落ちる1分45秒前から撮影されている点が貴重。「Three Little Birds」を口ずさみながら開演を待つ観客たちの様子が確認できる。何百本も投稿された「Soldier Of Love」動画の中で、開演前の「Three Little Birds」から収録している動画は、私の知る限り、これだけである。


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Your Love Is King
06 May 2011 - Mediolanum Forum, Milan - Italy / 07 May 2011 - Schleyerhalle, Stuttgart - Germany (incomplete) / 13 May 2011 - O2 World, Berlin - Germany / 17 July 2011 - Amway Center, Orlando, FL - United States / 17 August 2011 - Power Balance Pavilion, Sacramento, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 「Your Love Is King」で個人的に好きなのは、マシューマンがソロを吹く間奏部分でのアデュのシルエット姿である。間奏に入ってすぐにマシューマンにカメラを振ってしまうと、彼女のシルエットが映らない。この間奏場面は、アデュを映しながらゆっくりマシューマンへカメラを振っていくか、ズームアウトしてアデュとマシューマンを同時に画面に収めるのがベストである。大賞はvalea21の5月7日シュトゥットガルト公演。アリーナ中央20列目付近から撮影。冒頭が約1分欠けている不完全動画だが、あまりにも美しく撮れているため大賞に選んだ。5月6日ミラノ公演動画も素晴らしいが、カメラ右手間の観客が障害物になっているのが惜しい。8月17日サクラメント公演動画は音質が最高。ステージ左横から撮影された11月25日ウィーン公演動画には、正面からは見られない間奏時のアデュの表情がばっちり映っていて、アデュ・ウォッチャーにはたまらない。


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Skin
29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France (incomplete) / 07 May 2011 - Schleyerhalle, Stuttgart - Germany (incomplete) / 15 July 2011 - BankAtlantic Center, Ft. Lauderdale, FL - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia / 13 November 2011 - Zimny Stadion Ondreja Nepelu, Bratislava - Slovakia (incomplete)

 「Skin」はあまり大した動画がない。一般的に馴染みのない新譜収録曲ゆえ、撮影者が少ないのだ(YouTubeで最新公演のオーディエンス動画を検索しながらこの曲を見つけると、私はいつも“「Skin」キター!”と熱くなった)。大賞は「Your Love Is King」と同じvalea21による5月7日シュトゥットガルト公演。イントロが丸ごと欠けている上、終盤のマシューマンのギター・ソロの途中で切れてしまう残念な不完全動画だが、消去法でこれを選ぶしかない。lovamoiによる4月29日ニース公演動画もよく撮れているが、これも最後のギター・ソロが欠けている。ニース公演にはもうひとつalmendranyによる良好動画(完全収録)があるが、360pなので落選。ちなみに、ツアー初日のニース公演は、“Like Michael back in the day”でアデュのアクションがなかった。


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Kiss Of Life
29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France (incomplete) / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 15 November 2011 - Leipzig Arena, Leipzig - Germany / 19 November 2011 - Westallenhalle, Dortmund - Germany / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria / 09 December 2011 - Sydney Entertainment Centre, Sydney - Australia

 「Kiss Of Life」の大きな見所は、自然と戯れるアデュの姿を映し出す美しいスクリーン映像である。このスクリーン映像がどれだけ長く映っているかがポイントなのだが、選考が難しい。この曲でアデュはステージ右端で歌い始め、徐々にステージ中央へ移動していく。アリーナ中央前方から撮ると、序盤でアデュの背景が殺風景になる。アリーナ右前方から撮ると、序盤でアデュの背後にスクリーン映像を収めることができるが、代わりに中盤以降でスクリーン映像が画面から外れてしまう。この曲は、序盤は右方向、中盤以降は正面方向から撮るのが望ましい。大賞はrm26062006の10月25日ブラジリア公演。アリーナ中央の中程から撮影し、序盤はステージ右端にいるアデュを捨てて主にスクリーン映像を撮っている。が、ステージと距離がある上、画角を広くとっているので、画面内にスクリーン映像を背にしたアデュが収まる時間は長い。アデュがステージ中央に来る中盤以降の画は文句なし。間奏で浮かび上がるアデュのシルエットもばっちり見られる。右方向から撮影された動画では、cleanheart13の8月30日アナヘイム公演が良い。アデュの背後からスクリーン映像が外れる中盤以降もパンやズームアウトで上手くスクリーンをフォローしている(女性客が声援を送っているのもいい感じ)。この曲を撮るのにあまり適さないアリーナ左前方からのアングルでも、12月9日シドニー公演動画(不作だった豪州ツアー動画の中でベストの1本)のように、撮影者の腕次第では結構イケる。この曲では、アデュがマイクを胸に当てて心臓の鼓動音を出す場面、マシューマンとウォーターズのソロ、最後にマイクにキスするアデュの表情なども見所である。


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Love Is Found
Official Video / 29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France / 04 May 2011 - Konig-Pilsener Arena, Oberhausen - Germany / 15 July 2011 - BankAtlantic Center, Ft. Lauderdale, FL - United States / 23 July 2011 - Toyota Center, Houston, TX - United States / 09 August 2011 - Target Center, Minneapolis, MN - United States / 11 August 2011 - Pepsi Center, Denver, CO - United States / 19 August 2011 - Staples Center, Los Angeles, CA - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 03 September 2011 - MGM Grand Garden Arena, Las Vegas, NV - United States / 15 October 2011 - Anfiteatro Vicente Lopez, Buenos Aires - Argentina / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 29 October 2011 - Armeec Arena, Sofia - Bulgaria / 30 October 2011 - Belgrade Arena, Belgrade - Serbia / 19 November 2011 - Westallenhalle, Dortmund - Germany / 22 November 2011 - Zagreb Arena, Zagreb - Croatia

 コンサート第一部の白眉「Love Is Found」。素晴らしいパフォーマンスなので、選考基準を若干甘くして多くの動画をノミネートしたい。この曲はスクリーン映像さえ映っていればどの角度から撮っても面白いが、基本的にはアリーナ中央のやや離れた場所からステージ全景を同じ画角で撮り続けるのがベストである。TheCrazyhennesによる5月4日オーバーハウゼン公演動画は、ツアー初期に登場し、この曲のオーディエンス動画のスタンダードになった名作(数万回視聴された後に一度削除され、新アカウントで11月に再アップされた)。大賞はThePetarGjosevの10月30日ベオグラード公演。露出オーバーで光が滲んでいるが、これが図らずもこの曲の幻惑的な演出を引き立てている。白黒のスクリーン映像が赤みがかった文字通り“異色”の動画だが、公式映像では絶対に味わえないオーディエンス撮りならではの美しさがあるため大賞に選んだ。スクリーン映像を画面一杯に収めたrm26062006の10月25日ブラジリア公演動画も必見。巨大な踊るシルエットの迫力を捉えた理想的な1本である(こちらが大賞でも良い)。TanoArgentoの10月15日ブエノスアイレス公演動画は音がすごい。PAスピーカーの傍で撮影しているのか、リバーブ感がほとんどないライン録音のような異様に生々しい音がする。低音が歪んでいるのが残念だが、オズボーンが弾くアコギの音まで鮮明に聞こえて面白い。ライヴ映像を基にした公式ヴィデオ(7月公開)は地域別視聴制限のため日本からは見られないので、ダウンロードして楽しもう。


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In Another Time
04 May 2011 - Konig-Pilsener Arena, Oberhausen - Germany / 15 July 2011 - BankAtlantic Center, Ft. Lauderdale, FL - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 15 November 2011 - Leipzig Arena, Leipzig - Germany / 20 November 2011 - Lotto Arena, Antwerp - Belgium

 ステージ右端にメンバーが集まって演奏する「In Another Time」は、右方面の客席から撮られた動画が圧倒的に有利である。大賞はrm26062006の10月25日ブラジリア公演。アリーナ中程やや右寄りから撮影され、絶妙のカメラワークでステージを捉えている。間奏の際、ウォーターズ、オズボーン、マシューマンの順にカメラを緩やかに振っていくあたりなど完璧だ。寄りと引きのバランスも文句なし。オーディエンス撮りの手本のような動画である。スタンド最下段右90度(真横)から撮影されたconcertkid2の8月25日サンノゼ公演も負けず劣らずの神動画。アデュとヘイルの表情を淡々と捉え続ける映像が曲の雰囲気にマッチして実に味わい深い(終盤でマシューマンを加えて3ショットになるところも素晴らしい)。11月20日アントワープ公演はアデュのお母さんが会場にいた日。娘のアイラに向けて書いた歌を自分の母親の前で歌うというシチュエーションが良い。ぼやけ気味の淡い映像も趣きがある。


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Smooth Operator
03 May 2011 - O2 World, Hamburg - Germany / 04 May 2011 - Konig-Pilsener Arena, Oberhausen - Germany / 06 May 2011 - Mediolanum Forum, Milan - Italy / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 08 July 2011 - Conseco Fieldhouse, Indianapolis, IN - United States / 06 August 2011 - United Center, Chicago, IL - United States / 17 August 2011 - Power Balance Pavilion, Sacramento, CA - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 25 October 2011 - Nilson Nelson Gymnasium, Brasilia - Brasil / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 3分間のインタールード映像に続いて演奏される「Smooth Operator」。インタールード部分も含めて収録している動画がベターだが、演奏部分だけでも良く撮れているものはノミネートする。シャーデーの代名詞的ヒット曲だけあって投稿数も半端でないが、スクリーンの夜景映像が綺麗に撮れている動画がほとんどない。大賞はwiwipinkdrummerの5月6日ミラノ公演。この動画にはカメラ手前の観客が視界を遮っているという致命的な欠点があるが(おまけにインタールード部分も未収録)、映像の質感がずば抜けて美しい。微妙に左に傾いた画面内で、空撮の夜景映像が滑らかに流れていく様子も実に気持ちいい(右にいる観客を避けるためカメラが傾いてしまったのだろうが、この構図は奇跡的に素晴らしい。まるでヘリで飛行しているような感覚を与える)。間奏のベース・ソロでひれ伏す際、アデュがアドリブでデンマンの帽子をいじる場面も最高だ。残念なのは、その後のサックス・ソロの最中、リズムに合わせてアクションを決めるアデュのシルエットが全く映っていない点。ここも「Your Love Is King」同様、すぐにマシューマンにカメラを振ってはいけない(いずれにせよこの動画の場合、手前の観客のせいでアデュを映すことは不可能なので仕方ない)。インタールード部分は、スクリーン映像が画面一杯に広がる10月25日ブラジリア公演動画が迫力あり(インタールードは、途中からステージに現れてスクリーン映像に溶け込むデンマンとマシューマンの姿がきちんと映っていることが重要)。総合的に最もレベルが高いのは、やはりvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演か。videosdoluizは他にいくらでも受賞チャンスがあるので、ここでは他の撮影者を讃えておきたい。


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Jezebel
24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 25 June 2011 - Prudential Center, Newark, NJ - United States / 08 July 2011 - Conseco Fieldhouse, Indianapolis, IN - United States / 15 July 2011 - BankAtlantic Center, Ft. Lauderdale, FL - United States / 03 August 2011 - The Palace at Auburn Hills, Detroit, MI - United States (incomplete) / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 13 October 2011 - Movistar Arena, Santiago de Chile - Chile / 15 October 2011 - Anfiteatro Vicente Lopez, Buenos Aires - Argentina / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1 incomplete) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 「Jezebel」は生演奏と同期したジャジーなスクリーン映像が大きな見所だが、ステージ上のメンバーたちとスクリーン映像をバランス良く収めた動画があまりない。大賞はpikassの11月25日ウィーン公演。選考基準に反するが、思い切ってスクリーン映像が全く映っていない動画を選んだ。スタンド下段、ステージに向かって左60度くらいの急角度から撮影。アデュとマシューマンを中心に、メンバーたちの様子を丁寧に追った実にクールな映像である。同じように左横から撮影された8月3日デトロイト公演動画(不完全)は、シャーデーのオリジナル・メンバーだけを収めた構図がこれまた味わい深い。スクリーン映像を見るなら、スタンド正面からステージ全景を収めた10月22日リオデジャネイロ公演動画(#2)がお薦め。この曲は毎回アドリブで微妙にフレーズを変えるマシューマンのソロも聴き所だ。


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Bring Me Home
29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France (#1 incomplete) / 29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France (#2) / 10 May 2011 - Ericsson Globe, Stockholm - Sweden (incomplete) / 25 May 2011 - O2 Dublin, Dublin - Ireland (incomplete) / 14 August 2011 - Key Arena, Seattle, WA - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 05 November 2011 - Ice Palace, St Petersburg - Russia / 20 November 2011 - Lotto Arena, Antwerp - Belgium

 透明スクリーンを使った「Bring Me Home」。この曲はスタンド席、もしくは、アリーナ後方の真正面からステージ全景を画面一杯に同じ画角で淡々と撮り続けるのがベストだが、残念ながら最後まで決定的な動画が登場しなかった。「Skin」同様、撮影者が少ない上、正面方向の席からしか良い画が撮れないことが優秀な動画を生まれにくくした。最もよく撮れているbaronfredの5月25日ダブリン公演を大賞にしておくが、この動画は1分13秒しかない。完全収録ものでは、似たような場所から撮影された8月14日シアトル公演動画がまずまずの内容。アデュの表情は8月25日サンノゼ公演動画でよく見られる。尚、4:3動画のため落選となったが、jumponstage5の5月16日チューリッヒ公演動画は、この曲を理想的なアングルでほぼ完全収録している。


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Is It A Crime
06 May 2011 - Mediolanum Forum, Milan - Italy / 13 May 2011 - O2 World, Berlin - Germany (incomplete) / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States (incomplete) / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States (#1) / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States (#2) / 13 October 2011 - Movistar Arena, Santiago de Chile - Chile (#1) / 13 October 2011 - Movistar Arena, Santiago de Chile - Chile (#2) / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 15 November 2011 - Leipzig Arena, Leipzig - Germany / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 ノミネートされた12本はどれも神動画と呼ぶに相応しい傑作ばかりである。大賞はconcertkid2の8月25日サンノゼ公演(#2)。スタンド最下段、右真横から撮影。終盤のギター・ソロでのウォーターズとアデュの2ショットが素晴らしすぎる。この曲のやや通向けの見所は、ギター・ソロに入った後、マイクスタンドを持ちながらスポットライトの中でしばらく身体を揺らしているアデュの麗姿である。正面方向から撮る場合、ソロを弾くウォーターズにカメラを振らざるを得ないため、このゆらゆらしているアデュが撮れない(画角を広くして2人とも画面に収める手もあるが、人物像が小さくなってしまうため迫力がない。アデュを映しながらゆっくりウォーターズにカメラを振るのがベスト)。しかし、concertkid2は横方向から撮影することで、ギター・ソロ部分でウォーターズとアデュを同時にアップで画面に収めることに成功した。アデュはギター・ソロの途中でスポットライトの外へ出て姿を消す。画面内にウォーターズだけが残り、彼の最大の見せ場がソロ・ショットで見事に引き立てられる。最高ではないか。公式映像ではまずあり得ない画だ(終演と同時にズームアウトしてステージ全景を撮るところも素晴らしい。いかにもコンサートを撮りなれている)。同公演をスタンド正面やや左から望遠で撮ったptheoneの動画(#1)も良いが、こちらはギター・ソロ部分でウォーターズとアデュのどちらを撮るかで迷っているのが惜しい(迷わずウォーターズを撮り続けるべき)。6月24日イースト・ラザフォード公演動画は、アメリカの観客の熱気を捉えた臨場感溢れるサウンドが素晴らしい(最後が欠けているのが残念)。「Is It A Crime」の撮影でひとつ重要なのは、イントロでマシューマンを撮った後、1小節のブレイクに入る直前にズームアウトし、天井から4本のカーテンが落ちてくる様子を画面に収めることである。が、大抵の撮影者はアデュに気を取られてこれができていない(もっとも、これは事前に演出を知らないとできないカメラワークなので、文句を言うのは酷かもしれない)。また、特にアップで撮影している場合、終盤の1小節半のブレイクの瞬間、両手を広げてしゃがみ込むアデュをきちんとフォローできるか、というのも重要なポイントである。


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Still In Love With You
29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France (incomplete) / 04 May 2011 - Konig-Pilsener Arena, Oberhausen - Germany / 17 May 2011 - Bercy, Paris - France / 25 May 2011 - O2 Dublin, Dublin - Ireland (480p incomplete)

 4~5月の欧州ツアーで披露されたシン・リジィのカヴァー「Still In Love With You」。当然、公演地名が表示されるネオン・ビルボードが映っていることが肝心である。演奏回数が少ないため、よく撮れている動画はほとんどない。大賞はalanhealy06の5月25日ダブリン公演。曲の頭が約1分欠けた不完全動画である上、480pで投稿されているが、特例で大賞に選ぶ。秀逸なカメラワーク、美麗な画質、そして何より、シン・リジィの地元での公演という点が受賞の決め手となった。ツアーが進むにつれ、このビルボードのパートは「Still In Love With You」→「Love Is Stronger Than Pride」→「The Safest Place」と演奏曲が変わっていったが、やはり最初の「Still In Love With You」が最高だったと思う。果たして公式ライヴDVDにボーナス収録されるか?


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Love Is Stronger Than Pride
24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria (incomplete)

 6~11月の北米/南米/欧州ツアーで披露された「Love Is Stronger Than Pride」。公演地名ビルボード、ソロを弾くマシューマンの他に、アウトロ部分でコンガを叩くボッシュの姿がきちんと映っているかどうかが大きなポイントとなる。大賞はvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演。アリーナ前方から撮影。マシューマンとボッシュにカメラを振るタイミングが遅いのが残念だが(ソロを間違えるマシューマンもヘチョい)、見所を最もバランス良く収めている。この曲ではもうひとつ、終盤でステージ後方のスタンドに腰掛けるアデュの姿も見所だが、これはconcertkid2の8月25日サンノゼ公演動画がよく撮れている(ボッシュとアデュを一緒に収めた画が最高。これだけで大賞にしたいくらいだ)。ちなみに、この曲は当初、コンガとキーボードだけになるアウトロ部分が4小節しかなかったが(6月24日イースト・ラザフォード公演動画を見ると分かる)、6月30日モントリオール公演から8小節になり、ボッシュの渋い見せ場となった。


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The Safest Place
09 December 2011 - Sydney Entertainment Centre, Sydney - Australia (#1 incomplete) / 09 December 2011 - Sydney Entertainment Centre, Sydney - Australia (#2) / 09 December 2011 - Sydney Entertainment Centre, Sydney - Australia (#3)

 12月の豪州/中東ツアーでほんの数回しか披露されなかった「The Safest Place」(動画で確認できたのは12月9日シドニー、12月16日アブダビの2公演のみ)。この曲の動画は存在するだけでも貴重である。12月9日シドニー公演の3本はそれぞれ一長一短で、どれが大賞でも良い。最もよく撮れているmatth29の動画(#1)を大賞にしておくが、これは残念ながら短い(1分17秒)。maschinedownunderの動画(#3)はイントロから最後まで完全収録しているが(2分47秒)、アングルが悪い。ひとつだけ見るなら、そこそこのアングルでほぼ完全収録(2分39秒)したmends0424の動画(#2)だろうか。この曲も是非、公式ライヴDVDにボーナス収録して欲しい。


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All About Our Love
06 August 2011 - United Center, Chicago, IL - United States / 27 August 2011 - Oracle Arena, Oakland, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#1) / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#2) / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 23 November 2011 - Papp Laszlo Arena, Budapest - Hungary

 バンドの思い出アルバムのようなスクリーン映像が涙なしには見られない「All About Our Love」。当然、スクリーンがきちんと映っていることが重要である。大賞はchitownluv17の8月6日シカゴ公演。アリーナ最前列ど真ん中から撮影。ステージ全景とヴォーカル3人のアップを撮った上、画面から外れている左右のマシューマンとデンマンにそれぞれ1回ずつカメラを振るバランス感覚を評価したい(スクリーンに私の好きなアデュ&オズボーンの2ショット映像が登場する時に3人のアップを撮っているのが残念)。アリーナ前方から撮影し、画面一杯にスクリーンを捉えたvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演動画(#1)も悪くないが、この曲はややカメラを引いて、赤いカーテンの柱を額縁のように画面に収めた方が趣きがある。結局、一番感動的なのは、スタンド席から淡々とステージ全景を撮り続ける11月23日ブダペスト公演動画かもしれない。手前にデンマンを置いてヴォーカル3人を撮った11月3日ヘルシンキ公演動画が個人的には気に入っている。


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Paradise / Nothing Can Come Between Us
12 May 2011 - Festhalle, Frankfurt - Germany / 31 May 2011 - The O2 Arena, London - England (incomplete) / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 23 August 2011 - Cricket Amphitheatre, San Diego, CA - United States / 03 September 2011 - MGM Grand Garden Arena, Las Vegas, NV - United States / 15 October 2011 - Anfiteatro Vicente Lopez, Buenos Aires - Argentina / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#1) / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#2) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1 incomplete) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia / 13 November 2011 - Zimny Stadion Ondreja Nepelu, Bratislava - Slovakia (incomplete) / 16 November 2011 - SAP Arena, Mannheim - Germany

 メドレーで演奏される「Paradise」「Nothing Can Come Between Us」は、2曲まとめて収録している動画のみをノミネート対象とする。大賞は文句なしでvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演(#1)。アリーナ前方から撮影。この大胆なカメラワーク、圧倒的な情報量はどうだ。ものすごい臨場感で、まるでその場にいるような気になってくる。これぞオーディエンス動画の鑑、正真正銘の神動画だ。このサンパウロ公演はオズボーンがやけにノリノリである。10月29日の欧州再ツアーからルーティン化する彼の“Everybody say yeah!”コール(「Nothing」中盤、観客に向けたモムレルの“2つのお願い”の間に行われる)はこのサンパウロ公演で生まれた。9月3日ラスベガス公演動画は、「Nothing」でモムレルが“ひとつめのお願い”をした後の展開がウケる(これはこれでナイス映像。客席の雰囲気がよく伝わってくる。この日、私は右側スタンド席にいたということを改めて自慢しておきたい。スクリーンには映らなかったが、動画には小さく映っているかも?)。11月13日ブラチスラバ公演は、機材トラブルのため「Paradise」でスクリーン映像が出なかった日。「Nothing」と同じように、スクリーンにステージ上のメンバーたちを映して急場をしのいでいる(「Nothing」でオズボーンが“Everybody say yeah!”コールをど忘れしている点もお見逃しなく)。


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Morning Bird
01 May 2011 - Sportpaleis Antwerp, Antwerp - Belgium / 07 May 2011 - Schleyerhalle, Stuttgart - Germany / 10 May 2011 - Ericsson Globe, Stockholm - Sweden / 25 June 2011 - Prudential Center, Newark, NJ - United States / 06 July 2011 - TD Garden, Boston, MT - United States / 29 October 2011 - Armeec Arena, Sofia - Bulgaria (4:3) / 22 November 2011 - Zagreb Arena, Zagreb - Croatia

 透明スクリーン映像が幻想的で美しい「Morning Bird」。これも「Bring Me Home」同様、やや後方からステージ全景を収めるのがベストだが、正面でなくとも良い画が撮れるため、比較的優秀な動画が多い。大賞はrebeckaheterjagの5月10日ストックホルム公演。アリーナ中程の左方向から透明スクリーンを見上げるように撮影。スクリーンに浮かび上がる巨大な幻影の迫力が伝わってくる。6月25日ニューアーク公演動画は、アメリカの会場の雰囲気がよく捉えられていて面白い(シャーデーに続いてアンドリュー・ヘイルに声援が送られるのが良い。「Morning Bird」が始まる際、観客は「Nothing Can Come Between Us」の興奮を引きずって騒然としているが、徐々に曲に引き込まれて静かになる)。スクリーン映像は、スタンド正面からステージ全景を収めた10月29日ソフィア公演動画(4:3/720p)でじっくり堪能できる。透明スクリーンはステージを囲うように3方向に下りているが、その様子はスタンド左斜めから撮影された11月22日ザグレブ公演動画でよく分かる。5月1日アントワープ公演は、何らかのトラブルのため透明スクリーンが使われなかった珍しい日(真っ暗なステージにアデュとヘイルが登場し、シンプルにパフォーマンスを行っている。同様のトラブルは11月13日ブラチスラバ公演でもあった)。


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King Of Sorrow
04 May 2011 - Konig-Pilsener Arena, Oberhausen - Germany / 10 May 2011 - Ericsson Globe, Stockholm - Sweden / 31 May 2011 - The O2 Arena, London - England (incomplete) / 23 July 2011 - Toyota Center, Houston, TX - United States / 23 August 2011 - Cricket Amphitheatre, San Diego, CA - United States / 03 September 2011 - MGM Grand Garden Arena, Las Vegas, NV - United States / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 序盤の美しい透明スクリーン演出、スクリーンが上がって再び観客の前に姿を見せるメンバーたち。1曲で2度おいしい「King Of Sorrow」は、他の曲と大きく異なるステージの美術が大きな見所である。大賞はddannyvの7月23日ヒューストン公演。アリーナ中央からのロングショットで、ステージの美術と演出の華麗さがよく分かる(この曲が大好きな男性客による歌唱付き)。5月10日ストックホルム公演動画もほぼ同じ画を撮っているが、そちらはピンボケが酷い。この曲は序盤で透明スクリーンに現れるアデュ&クラウドの巨大な踊るシルエットをきちんと撮ることが大事である(序盤は基本的にロングショットが望ましい)。斜め右から撮影された5月4日オーバーハウゼン公演動画では、巨大な走馬灯のような透明スクリーンの美しさが確認できる。アデュをよく見たければ、5月31日ロンドン公演動画(1分42秒しかないが、紛れもなく神動画)、10月22日リオデジャネイロ公演動画(#1)がお薦め。通向けだが、スタンド左横から撮られた11月25日ウィーン公演動画も独特の趣きがあって良い。


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The Sweetest Taboo
29 April 2011 - Palais Nikaia, Nice - France / 13 May 2011 - O2 World, Berlin - Germany / 31 May 2011 - The O2 Arena, London - England (incomplete) / 19 June 2011 - Wells Fargo Center, Philadelphia, PA - United States / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 24 July 2011 - American Airlines Center, Dallas, TX - United States / 09 August 2011 - Target Center, Minneapolis, MN - United States / 17 August 2011 - Power Balance Pavilion, Sacramento, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 03 September 2011 - MGM Grand Garden Arena, Las Vegas, NV - United States / 04 September 2011 - Citizens Business Bank Arena, Ontario, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 08 November 2011 - Crocus City Hall, Moscow - Russia / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 何度でも見たい、いつまでも見ていたい「The Sweetest Taboo」。人気曲だけあって、この曲は多くの観客が撮影している。17本もノミネートしたのは、選考基準を甘くしたわけではなく、それだけ優秀な動画が多いということである。この曲では、ブレイクダウンでメロディカを吹くヘイル、3人で踊った後、デンマンのベースでチョッパーのアクセントを弾くオズボーンの姿を是非映したい。アデュに気を取られて、この2つの見所が撮れていない動画が結構多い。大賞はLadyInBlackProdの7月24日ダラス公演。アリーナ最前列ど真ん中から撮影。この動画はすごい。アデュ、オズボーン、モムレルの3人が最後に揃って前へ出てくるところなど、ものすごい迫力だ。上記2点も見事にクリアしている。このダラス公演動画と最後まで大賞を争ったのは、videosdoluizが撮った10月20日サンパウロ公演。同じくアリーナ最前列付近からの撮影だが、とにかくカメラワークが神としか言いようがない。主役のアデュを押さえつつ、合間に鋭くカメラを振ってきちんと他のメンバーも捉えている。ステージ右端へ行くアデュは追うが、左端へ行った時は無理に追わず、代わりになんとチョッパーでベースを弾くデンマンを撮っている。素晴らしい判断力だ。的確で迷いのない流れるようなカメラワークは全く感動的である(シャーデーのパフォーマンスより、むしろこの撮影者のセンスと腕前の方に感動してしまう)。videosdoluizのサンパウロ公演動画には、残念ながらデンマンのベースを弾くオズボーンの姿が映っていない。但し、videosdoluizはそのせいで大賞を逃したわけではない。LadyInBlackProdのダラス公演動画がサンパウロの神動画を破った理由は、最後にポーズを決めた時のアデュの笑顔があまりにも素晴らしいからである。彼女は最後の決めポーズをその時の気分で変える(これもこの曲の大きな見所のひとつ)。サンパウロ公演よりダラス公演の方が、ちょっとだけポーズの決まり具合が良かったのである。ノミネートされた動画はどれも本当に素晴らしいものばかりだ。尚、9月4日オンタリオ公演動画には、一番最後に通常使用されないクレーンカメラの影が映っていて、ショウがDVD用に撮影されていることが分かる(私が行った前日の9月3日ラスベガス公演にクレーンカメラは入っていなかった)。


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The Moon And The Sky
24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 25 June 2011 - Prudential Center, Newark, NJ - United States / 31 July 2011 - Time Warner Cable Arena, Charlotte, NC - United States / 01 August 2011 - Bridgestone Arena, Nashville, TN - United States (incomplete) / 17 August 2011 - Power Balance Pavilion, Sacramento, CA - United States / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil

 照明とスクリーン映像による月明かりのような繊細な光が素晴らしい「The Moon And The Sky」。この曲の最大の見所はずばり、髪を風になびかせながら歌うシャーデー・アデュ(52)の尋常でない美貌である。大賞はicebreaker615の8月1日ナッシュビル公演。最後が約30秒欠けた不完全動画だが、大賞はこれしかない。最初にこの動画を見た時、私は絶句した。美しすぎるじゃまいか! シャーデーはやっぱ顔面アップに尽きるぜ……と思っていたら、mistermayonaise(11月20日アントワープ公演で最前列からアデュをアップで撮りまくったオランダのエロいシャーデー・ファン。最優秀完全収録動画賞でノミネート)が、この動画のコメント欄に全く同じ感想を書き込んでいて笑ってしまった。52歳の女のアップがこれほどまでに美しいのはなぜなのか。何か特別なスキンケアをしているのか? それとも、内面的な美しさの表れなのか? ツアー中、インタヴューで美の秘訣を尋ねられ、アデュはこう答えている──“秘訣? 良い照明。たくさんの化粧。効果てきめんよ”(31 August 2011, perthnow.com)。


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Pearls
13 May 2011 - O2 World, Berlin - Germany / 31 May 2011 - The O2 Arena, London - England / 08 July 2011 - Conseco Fieldhouse, Indianapolis, IN - United States / 15 July 2011 - BankAtlantic Center, Ft. Lauderdale, FL - United States / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 27 August 2011 - Oracle Arena, Oakland, CA - United States / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#3) / 20 November 2011 - Lotto Arena, Antwerp - Belgium / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 アデュの一人舞台「Pearls」。この曲はスクリーン映像の太陽の中にアデュがすっぽり収まる真正面のアングルがベストである。ハイレベルな争いになったが、大賞はvideosdoluizの10月22日リオデジャネイロ公演(#1)。アリーナ前方からほぼ理想的なアングルで撮影。画面いっぱいに炎が広がる太陽の爆発場面はすごい迫力だ。アップで撮ったアデュの顔が黒く潰れているのと、ステージの床が映っていないのが惜しい(“The sun gives her no mercy”の部分で太陽の輪郭が映っていないのも残念)。これよりやや後方から撮られた同日のImpossiblePrincebrの動画(#3)も悪くないが、手ぶれが酷い上、ズーミングが雑。viajjjanteが撮った10月20日サンパウロ公演動画は完璧だが、4:3(480p)のため残念ながら落選となった。ノミネートされた動画を順に見ていけば、ツアーが進むにつれてアデュの歌唱がどんどん完成度を増していく様子が分かると思う。私が最も感動するのは、concertkid2が撮った8月27日オークランド公演(スタンド右から撮影)。この日の「Pearls」の歌唱は限りなく満点に近い。ライヴDVD用の撮影はこの直後、8月30日アナヘイム公演から始まった。彼女が最高の状態で撮影に突入したことが分かる(が、私が観た9月3日ラスベガス公演はいまいち調子が悪かった)。


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No Ordinary Love
31 May 2011 - The O2 Arena, London - England / 25 August 2011 - HP Pavilion, San Jose, CA - United States / 27 August 2011 - Oracle Arena, Oakland, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#1) / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil (#2) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 19 November 2011 - Westallenhalle, Dortmund - Germany / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 この曲は5月31日ロンドン公演でbodiemeadeが決定的な動画を撮った(アリーナ最前列付近から撮影。マシューマンのギターのアップが特に素晴らしい)。しかし、ブラジルの名カメラマンは、同じくアリーナ前方からそれを見事に超えるド迫力映像を撮った。大賞はvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演(#1)。間奏~ブリッジ部分で、ソロを弾くマシューマンからアデュの足下(裸足)へ行き、そこから全身を舐めてアデュの顔面を捉えるカメラワークを見た時は本当に驚いた(同様のショットは後半にもう一度登場する)。とても素人の撮影とは思えない。サビ頭でスクリーンに放射線状の火柱が現れるカタルシスティックな瞬間を、1度目はアデュのアップ、2度目はロングショットで撮っているのも素晴らしい。ルウィンソンやデンマン、サビを合唱する観客にもカメラを振る冷静な観察眼はどうだ。その場で起きていることが実によく伝わってくる。まさにノー・オーディナリーな動画だ。この曲は前傾姿勢でギターを弾くマシューマン&ウォーターズの姿も見所だが、これはconcertkid2の8月27日オークランド公演動画とpikassの11月25日ウィーン公演動画がよく撮れている(この曲で主役のアデュとスクリーンの火柱以外に最も映すべき要素は、凶器のようなギターである)。


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By Your Side
24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 06 July 2011 - TD Garden, Boston, MT - United States / 06 August 2011 - United Center, Chicago, IL - United States / 26 August 2011 - Oracle Arena, Oakland, CA - United States / 30 August 2011 - Honda Center, Anaheim, CA - United States / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil / 03 November 2011 - Hartwall Areena, Helsinki - Finland / 15 November 2011 - Leipzig Arena, Leipzig - Germany / 25 November 2011 - Wiener Stadthalle, Vienna - Austria

 「By Your Side」の撮影で必ずやらなければいけないのは、天井から紙吹雪が降ってくる終盤の場面でズームアウトし、全景を映すことである(その後、エンディングのフレーズを歌うアデュにズームインするのが望ましい)。大賞はまたしてもvideosdoluizの10月20日サンパウロ公演。アリーナ前方で撮っているvideosdoluizは、紙吹雪の場面でズームアウトした上、更に頭上と客席にカメラを振っている。さすがの反射神経だ。この動画には、オズボーンが「A Song For You」を歌うメンバー紹介部分も続けて収録されている。オズボーンが「A Song For You」を歌ったのは、私の知る限り、南米ツアー以降の数公演のみ。これを収録している点も含めて、videosdoluizの「By Your Side」動画はまさに決定版である。ステージ前方に並んで演奏するメンバーたちの様子を左横から撮影したpikassの11月25日ウィーン公演動画も素晴らしい(pikassはメンバー紹介部分を別動画で投稿している。ウィーン公演でもオズボーンの「A Song For You」が聴ける)。


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Cherish The Day
21 June 2011 - Nassau Coliseum, Uniondale, NY - United States / 24 June 2011 - Izod Center, East Rutherford, NJ - United States / 28 June 2011 - Air Canada Centre, Toronto, ON - United States / 03 July 2011 - Mohegan Sun Arena, Uncasville, CT - United States / 08 July 2011 - Conseco Fieldhouse, Indianapolis, IN - United States (incomplete) / 26 August 2011 - Oracle Arena, Oakland, CA - United States / 12 October 2011 - Movistar Arena, Santiago de Chile - Chile / 20 October 2011 - Ibirapuera Auditorium, Sao Paulo - Brasil / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#1) / 22 October 2011 - HSBC Arena, Rio de Janeiro - Brasil (#2) / 29 October 2011 - Armeec Arena, Sofia - Bulgaria / 11 November 2011 - Atlas Arena, Lodz - Poland / 15 November 2011 - Leipzig Arena, Leipzig - Germany / 12 December 2011 - Brisbane Entertainment Centre, Brisbane - Australia

 感動の大フィナーレ「Cherish The Day」。透明スクリーンにマンハッタンの大展望が広がる中盤でズームアウトし、きちんとステージ全景を収めることが必須である。videosdoluizの10月20日サンパウロ公演はさすがのカメラワークで見応え十分だが、席が前方すぎるため、透明スクリーンが下りている最中の画が弱い(目一杯ズームアウトしても全景を捉えきれない。代わりに客席にカメラを振るところはさすが)。この曲の最適な撮影場所は、ステージ全景とメンバーたちのアップをどちらもよく撮ることができるアリーナ中程である。大賞はmarcelomontteroの10月22日リオデジャネイロ公演(#1)。場所はまだ少し前すぎるが、メンバーたちの表情とステージ全景をとても良いバランスで収めている。この動画で特筆すべきはズーミングの素晴らしさ。そこまで寄るか、というくらいの大アップでアデュ(とデンマン)を捉えるのだが、対象に向かってズームインしていくタイミング、スピード、滑らかさが最高で、官能的とでも言うしかないすごい映像になっている。また、画面の手前(下部)に観客を収める構図を基本にしているのも素晴らしい。観客とバンドが一体になった場内の祝祭的な雰囲気が実によく伝わってくる。観客たちの合唱が聞こえたり、ステージを見つめる男性客の横顔が映るところも最高だ。この動画を決定的に素晴らしいものにしているのは、シャーデーのコンサートを27年間も待ち続けたブラジルの熱い観客たちである。画質や音質でこれに勝る動画は他にいくらでもあるが、私が実際にラスベガスで体験した「Cherish The Day」の感動と興奮を最もリアルに蘇らせてくれるのは、このリオ公演動画である。これはまさに観客の視線そのものだ(単に私がいた場所と近いせいもあるかもしれないが)。総合的に最もよく撮れているのは、lecosmiqueの7月8日インディアナポリス公演。アリーナ中程の左方面から撮影し、完璧なカメラワークでステージを捉えている。この曲の理想的なオーディエンス動画と言えるが、残念ながらアデュがリフトに乗るまでの序盤が欠けた不完全版(4分44秒)。完全収録であれば恐らくこれが大賞を獲っていただろう。11月15日ライプツィヒ公演は、トラブルでエンディングのブレイクビーツのループが出なかった日(見ていて冷や冷やする。どう乗り切るかは見てのお楽しみ)。

 480ピクセル以下や4:3動画まで含めれば、傑作動画は他にいくらでもある(「Cherish The Day」の場合、これとかこれとかこれとかこれ等々)。が、選考基準によって、それらはすべて落選となっている。もっと見たい人は、“Soldier Of Love Tour on YouTube”のリンクをしらみ潰しに見ていくか、自分で検索して探すといいだろう(これだけ見れば十分だと思うが……)。


SMOOTHEST CAMERA OPERATORS 最優秀撮影者賞

 最後に、YouTubeにコンサート動画を投稿したすべてのファンの中から、最も素晴らしい撮影を行った人物を讃えることにしたい。受賞者は以下の4人。彼らの撮った動画はどれも本当に素晴らしい。

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concertkid2
Nominated for: Your Love Is King / Love Is Found / In Another Time / Smooth Operator / Is It A Crime (Won) / Love Is Stronger Than Pride / The Sweetest Taboo / The Moon And The Sky / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side

 8月17日サクラメント公演、8月25日サンノゼ公演、8月26&27日オークランド公演の4公演を撮影したアメリカのシャーデー・ファン。各公演それぞれ違う曲を撮影。計11曲でノミネートされ、ステージ右横から撮影された「Is It A Crime」で劇的な受賞を果たした。11曲もノミネートされながら彼が1冠に終わったのは、単にアングルの特殊さのせいである。彼は4公演ともステージに向かって急角度の席から撮影している。他に「In Another Time」「Love Is Stronger Than Pride」で受賞の可能性があったが、残念ながら正面方向から撮影された他の優秀動画に受賞を阻まれた。ハイレベルな動画が揃った「Is It A Crime」での受賞は快挙と言っていいだろう。アカウント名からも窺い知れるが、彼は色んなアーティストのコンサートを撮影してYouTubeに投稿している(“2”ということは、恐らく過去に一度アカウント停止に遭っているのだろう)。安定した画面、的確なズーミング、迫力の高音質は、さすがコンサート動画小僧。急角度からの撮影のためスクリーン映像は楽しめないが、品質はどれも保証付きだ。


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pikass
Nominated for: Soldier Of Love / Your Love Is King / Kiss Of Life / Smooth Operator / Jezebel (Won) / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride / King Of Sorrow / The Sweetest Taboo / Pearls / No Ordinary Love / By Your Side

 11月25日ウィーン公演を撮影したオーストリアのシャーデー・ファン。スタンド下段、ステージに向かって左60度くらいの急角度から撮影。concertkid2の動画と同様、スクリーン映像が全く入らない極端なアングルだが、計12曲でノミネートされ、メンバーの表情を丹念に捉えた「Jezebel」で見事に受賞を果たした。画面の安定感と音質の素晴らしさはもちろん、通常なかなか見られないメンバーの横顔を繊細なカメラワークとズーミングで克明に記録した点が高く評価される。pikassとほぼ同じ場所から画角を変えずに撮影しているdigitalmontrealの6月30日モントリオール公演動画(最優秀完全収録動画賞でノミネート)と較べれば、pikassの撮影の素晴らしさがよく分かるだろう。公式ライヴ映像では絶対に味わえない、オーディエンス撮りの醍醐味に溢れた名ショットだ。


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videosdoluiz
Nominated for: Your Love Is King / Smooth Operator / Jezebel / Is It A Crime / Love Is Stronger Than Pride (Won) / All About Our Love / Paradise - Nothing Can Come Between Us (Won) / The Sweetest Taboo / Pearls (Won) / No Ordinary Love (Won) / By Your Side (Won) / Cherish The Day

 7月17日オーランド公演、10月20日サンパウロ公演、10月22日リオデジャネイロ公演を撮影したブラジルのシャーデー・ファン。計13曲でノミネートされ(「Your Love Is King」は2公演分)、6曲で受賞を果たした。今回の最多ノミネート者であり、下馬評では彼の動画が賞を総なめにするのではないかと言われていたが、意外にも6曲での受賞にとどまった。それでもさすがの強さを見せ、予想通り最多受賞者となっている。彼が撮った動画は、ほとんどがその曲の決定的ショットと言うべき素晴らしいものばかりだ。大胆不敵なカメラワーク、冷静な判断力、鋭い反射神経。主役のアデュやバンドの各メンバーの姿に加え、パフォーマンスやイベント全体を捉える客観的視点によって、非常に情報量の多い臨場感溢れる動画を撮影した。カメラをまるで自分の目のように自由自在に操る彼の撮影技術は驚異的である。熱心なファンだけあって、パフォーマンスの見所を的確に押さえているのも素晴らしい。常にその曲に相応しい、最高の撮り方をしているのだ。このブラジルのシャーデー・ファンは、南米ツアーが決定する以前に北米へ渡り、7月17日のオーランド公演を観ている。そこで「Your Love Is King」と「Is It A Crime」を撮影したが、この2本は音質が不安定だった(恐らくマイク部分が障害物で塞がれている。「Your Love Is King」のみノミネート)。この失敗を踏まえて臨んだ10月のブラジル2公演で、彼は見事に大傑作動画の数々をものにした。


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marcelomonttero
Nominated for: Cherish The Day (Won)

 10月22日リオデジャネイロ公演を撮影したブラジルのシャーデー・ファン。「Cherish The Day」1曲のみでノミネートされ、会場の熱気を捉える見事な撮影で受賞を果たした。動画はほとんど視聴されていないが、彼はvideosdoluizと並ぶブラジルの名カメラマンである。「Cherish The Day」動画を見て“ただ者ではない”と思った私は、彼のチャンネルへ行き、もう1本投稿されていた同日撮影の動画を見た。コンサート第2部以降の9曲を編集した8分29秒の断片集なのだが、これがスゴい。「Cherish The Day」はアリーナ右前方から撮影されているが、彼は「By Your Side」までアリーナ中央の中程にいた。そして、そこから臨場感溢れる凄まじい神映像を撮っているのである。この8分29秒の断片集は必見である(「Nothing」でやけに歌の上手い観客の歌声が入っているのが可笑しい。音痴な歌声も笑えるが、上手すぎても笑える)。これら9曲の映像がすべて全長版で公開されていたら、賞争いは恐らくvideosdoluizと彼の一騎打ちになっていただろう。今回のオーディエンス動画大賞の最大のダークホースである。

 ブラジルでは、それまでのオーディエンス動画とはレベルの違う神動画が連発された。最優秀撮影者賞に輝いたvideosdoluizやmarcelomonttero、10月25日ブラジリア公演を撮ったrm26062006(「Kiss Of Life」「In Another Time」で2冠)をはじめ、ブラジルには優れたスキルとセンスを持った撮影者がたくさんいた。彼らは“木”だけでなく、きちんと“森”を見る。安定したカメラワークで様々な要素を画面に収め、コンサートの様子を非常に克明に記録しているのである。ブラジルのファンはどうしてこんなに撮影が上手なのか。理由はさっぱり分からないが、ともかく私は、それらの優れた動画の数々を目にして、ブラジルのシャーデー・ファンのレベルの高さを強く思い知らされた次第である。


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 物事や出来事を捉える上で基本的に大切なのは、対象をなるべく多くの視点から眺めること、そして、得られた情報を適切に編集することである。ひとつの視点(ワンカメ)でしかコンサートを眺められないオーディエンス動画は、複数のカメラの情報を編集した公式ライヴ映像に原理的に敵わないように思われる。しかし、あるひとつの視点から物事を捉えたドキュメントが、複数の視点を集積したドキュメントより感動的であることは珍しくない。そこには人の心に強く訴え、共感を呼ぶ生々しさがあるからだ。ワンカメでいかに多くのものを見られるか、というのもオーディエンス撮りの醍醐味である。私はこれらの素晴らしい動画を撮影して投稿してくれた世界中のファンに感謝したい。

 ブラジル勢の健闘が印象的だったシャーデーの第1回オーディエンス動画大賞。第2回でまた来年もお会いしたいところだが、多分、無理だろう(シャーデー、毎年ツアーやってくれないか……)。さて、公式ライヴDVDでは一体どんな映像が見られるのか。発売が楽しみすぎるぞ!


※最後にもう一度書いておくが、ここに挙げた神動画たちはいつまでYouTube上にあるか分からない。シャーデーの動画自体が削除対象にならなくても、その投稿者のチャンネルが削除されたらアウトだ。ファンは今すぐ片っ端からダウンロードして保存しておくべきである。いつまでもあると思うなYouTube!



Soldier Of Love Tour [2011]
Soldier Of Love Tour on YouTube
Aspects of Love's Soldiers
Sade @ MGM Grand Garden Arena 2011

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