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週刊 山口百恵──百恵が毎週蘇る~!

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 どえらいものが発売されてしまう。毎週毎週ひたすら山口百恵が蘇る分冊百科雑誌『週刊 山口百恵』である。私が百恵のデビュー40周年企画を考えている間に、水面下では早くもこんな凄い企画が進行していたのだ。

 創刊号(特別定価330円)が百恵のレコード・デビュー記念日である5月21日に発売される。更に驚くべきことに、この創刊号には宇崎竜童による百恵用デモテープ音源を収録したCDが付属するという。これはヤバすぎる!! 約8年間にわたる山口百恵の歴史が毎号少しずつ紐解かれ、百恵の“百”に因んだ全100号(!)での完結が予定されている。百恵関係者や著名人のインタヴュー、完全作品ガイド、完全百恵年譜、各種百恵研究、エッセイ、ルポタージュ、復刻記事、未発表写真など盛り沢山の内容で、多角的に山口百恵とその時代に迫っていくそうだ。読者はこの『週刊 山口百恵』を通して、百恵の8年間の現役時代を約2年かけて追体験することになる。創刊号は、百恵の芸能界入りのきっかけとなったオーディション番組〈スター誕生!〉'72年12月決戦大会の特集(都倉俊一のインタヴューも掲載。なんと牧葉ユミのディスク・ガイドまであるらしい。内容詳細はこちらで確認を)。

 これは百恵ファンにとって夢のような雑誌である。山口百恵は大体半年~1年くらいのスパンで蘇っているような気がするが、これからは毎週蘇ることになる。ファンは100号まで買い続けなければならない。金がない上、100冊分の置き場所もない私は一体どうすればいいんだ。助けてくれ~!!!


 ……という夢を見た。

 山口百恵のデビュー40周年となる2013年、未発表音源集『THE MOMOE ANTHOLOGY』、展覧会〈山口百恵展〉の他にもうひとつ実現されるべき企画が、この『週刊 山口百恵』である。

 雑誌の概要は上記、私がうなされた夢の通りである。山口百恵が初めて〈スター誕生!〉の予選大会に出場した'72年10月15日から、引退の'80年10月15日までの8年間を時系列で追っていく分冊百科スタイルの週刊誌。100号まで発刊する場合、単純計算で1号あたり約1ヶ月の時間が進むことになる。基本的にこの時間軸に添って様々な特集が組まれていく。雑誌名は『週刊 山口百恵クロニクル』でもいい(って、本当にありそうだな)。

 但し、この雑誌は作るのが大変である。100号かけて百恵と'70年代を振り返るのはとてつもない大仕事だ。作る側も大変だし、買う側も大変である。……やめましょう。

 そこで、軌道修正! より現実的な簡易版を考えることにした。

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CD付きマガジン『隔週刊 美空ひばり こころの歌』

 かつてデアゴスティーニから『隔週刊 美空ひばり こころの歌』というCD付きマガジンが発刊されたことがあった('06年1月10日~'08年9月2日/全70号/1490円・創刊号790円)。毎号、代表曲をオリジナル音源で収録したCD(7曲収録)が付属し、貴重なプライベート写真、エピソード、楽曲に関する詳細な資料と共に美空ひばりのキャリアが振り返られるという雑誌だった。オールカラー、全16ページの誌面は以下の6章構成になっている。

名曲のバック・ステージ(各号のタイトル曲の歌詞とジャケット写真、楽曲に対するひばりの思い、当時の時代背景、楽曲制作に関わった人々による回想)
永遠のヒット・パレード(その他のCD収録曲の歌詞、エピソード)
マイライフ マイソング(ひばりの人生を貴重写真や自ら綴った言葉と共に解説)
銀幕のひばり(ひばりの出演映画を毎号1本取り上げ、作品、主題歌、撮影時の裏話などを紹介)
私と美空ひばり(ひばりとプライベートや仕事で付き合いのあった著名人が毎号1名登場し、懐かしい思い出を語る)
ひばり年譜

 『隔週刊 美空ひばり こころの歌』は美空ひばりのデビュー60周年を記念し、デアゴスティーニとコロムビアの提携で作られた(詳しくはデアゴスティーニのサイト、または、プレス・リリースを参照)。今度はソニー・ミュージックがデアゴスティーニと組み、これの山口百恵版を作ればいいのだ。簡単である。


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 出来た~。『隔週刊 山口百恵 歌い継がれてゆく歌のように』。百恵の16枚目のシングル「初恋草紙」をフィーチャーした第16号を作ってみた(クリックで拡大可)。

 美空ひばりに較べて百恵は活動期間が実質7年半と短く、オリジナル曲も255曲しか発表されていない(初期のカヴァー曲を含めるともう少し多いが)。CD付きマガジンで70号や100号まで作るには音源が足りない。そこで、シングル盤をリリース順に毎号1枚ずつフィーチャーする構成にし、全32号でスパッと完結とする。32冊くらいならどうにか最後まで買えそうだし、置き場所も何とかなりそうではないか。

 内容は基本的に『美空ひばり こころの歌』と同じで良い。

名曲プレイバック(各号のタイトル曲の歌詞とジャケット写真、当時の時代背景、楽曲制作に関わった人々による回想)
33の回転扉(その他のCD収録曲の歌詞、エピソード、オリジナル・アルバムの紹介)
ザ・百恵白書(百恵に関するエトセトラ。毎号様々な角度から百恵を調査)
女優・山口百恵(主演映画・ドラマを取り上げ、作品、主題歌、撮影時の裏話などを紹介)
拝啓 山口百恵さま(百恵とプライベートや仕事で付き合いのあった著名人が毎号1名登場し、懐かしい思い出を語る)
百恵タイムトラベル(活動年表)

 シングルA面曲を振り返る“名曲プレイバック”は、当時の日本の芸能界・音楽界の状況や時代背景を踏まえながら作品を客観的に解説するテキストと、レコーディング・ディレクター川瀬泰雄による作品制作過程の解説の2本柱にする。同時に、作詞家、作曲家、編曲家からも可能な限りコメントをもらい、川瀬氏の回想とあわせて掲載する(百恵自身のコメントは、彼女がパーソナリティを務めていたラジオ番組のお喋りなどから拾ってきても良い)。オリコンのチャート・アクション表も掲載したいところだ。

 川瀬氏はついでに“33の回転扉”でも楽曲解説を行う。百恵全曲解説本『プレイバック』の繰り返しになるが、適任者はやはりこの人以外に考えられない(“『プレイバック』パート2”的な解説をお願いしたい)。“33の回転扉”はアルバム曲が中心になるので、関連アルバムの紹介も囲み記事で簡単に行う。

 “ザ・百恵白書”は内容不定の遊びスペース。毎号色んな特集を組む。例えば、百恵の出身番組〈スター誕生!〉の特集とか、歴代の三人娘を比較するアイドル特集とか、百恵フォロワーや百恵楽曲のカヴァー特集とか、百恵以外の阿木+宇崎作品を紹介するカタカナ・エンカ特集とか、百恵を中心に'70年代後半の邦楽シーンを俯瞰するニューミュージック特集とか、百恵と沢田研二を比較する“ザ・ツッパリ対決”とか、百恵とちあきなおみを比較する“ザ・ドラマチック対決”とか、歴代の『伊豆の踊子』主演女優を比較する“伊豆のダンス対決”とか、篠山紀信の激写特集とか、百恵の縁の場所を訪れる横須賀紀行とか、百恵コレクターのお宅訪問とか、色んなネタが思い浮かぶ。〈百恵ちゃんまつり〉等のステージ活動、レギュラー・ラジオ番組、出演広告、関連出版物の情報をここでフォローしても良い。「さよならの向う側」をフィーチャーする第31号は武道館の引退公演特集、「一恵」の第32号は『蒼い時』特集、といった具合に、基本的にタイトル曲に合わせた内容を考えると良いだろう。このコーナーは、やろうと思えばいくらでもマニアックなことがやれる。なるべく多くの視点から百恵を捉えることを心掛けたい。

 残りの3つの章については上の通り。“拝啓 山口百恵さま”は仕事仲間や友人だけでなく、単に百恵好きの著名人をフィーチャーしても面白い。例えば、中森明菜がいちファンとして百恵作品について熱く語ったり(無理か?)、荒木由美子が百恵に会ってビビったことを回想しても良いのである。

 表紙には必ずシングル盤ジャケ写の別テイクを使い、写真に合わせて色使いを変える。この雑誌の購買者層は主に30~50代で、美空ひばりの時より20歳以上若い。『美空ひばり こころの歌』のような渋い表紙では、売れるものも売れなくなってしまう。デザインにはもっと注意を払うべきだろう。

 雑誌本体はこれで決まった。問題は付録のCDである。

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付録CDのスリーヴ・デザイン例

 まず、CD(12cm)の収納方法に関して。プラケースは表紙がダサくなる上、読者が保管場所に困る。こういう商品を買う人たちは、部屋の中が“永久保存版なんとかボックス”で溢れかえり、みな苦しい思いをしているのである。少し予算は掛かるかもしれないが、ペーパースリーヴを作り、雑誌の最終ページにポケットを作って収納するスタイルをとりたい。ジャケ写の別テイクを使って独自のEPジャケットを作るか、もしくは、ゲートフォールドにし、表ジャケと見開き左(表ジャケの真裏)でオリジナル・シングルの表裏を完全再現するのが良いと思う(厚紙ではなく、シングル盤スリーヴを思わせる薄めの紙を使う)。コレクター心をくすぐるようなアイテムにすることが大切である。

 デアゴスティーニの分冊百科は、基本的に初級~中級者を対象にしているように思われる。山口百恵版が作られる場合、かつて彼女の現役時代にシングル盤を買っていたが、CDまでは持っていないような40~50代の“元百恵ファン”が懐かしがって買うような、飽くまで適度にマニアックな商品が企画されるはずである。筋金入りの現役ファンにとって、既発音源や既知のデータを纏めただけの分冊百科は物足りない。どうせなら、初級者から上級者まで、あらゆる購買者を唸らせるような商品を目指したい。
 
 『美空ひばり こころの歌』に倣い、CDには7曲前後を収録することにする。1~2曲目は必ずシングルA面曲、B面曲。その他は基本的に同時期のアルバムから佳作を厳選して収録する。編集盤やサントラ盤のみで発表された作品──「プレイバック Part 1」「たそがれ祭り」「子守唄(ララバイ)」「東京の空の下」等──は優先的に取り上げる。これらのレア曲やアルバム未収シングルB面曲は、現在、高額なボックス・セットか編集盤『MOMOE PREMIUM update』でしか聴けないため、これを入手しやすくするだけでもこの付録CDの価値は上がる。場合によってはライヴ録音を収録しても面白いだろう(例えば、第10号「ささやかな欲望」CDに「空はこんなに青い」のオリジナル版と'79年ライヴ版を両方入れるとか)。CDの最後には表題曲のインスト版(オリジナル・カラオケ版)を収録する。

 中にはB面曲のインスト版(すべて既発)を欲しがる人もいるかもしれない。あるいは、“百恵回帰”シリーズのリメイク版を収録するというアイデアもあるが、これらはひとまず保留にしておきたい。他にもっと収録すべきものがあるからだ。

 数年前に川瀬泰雄の自宅で発掘された百恵用の作家デモ音源、約80曲分。これをここで初公開する。宇崎竜童、谷村新司、さだまさし、浜田省吾、井上陽水、ジョニー大倉などの作家が百恵への提供用に録音したデモテープが未発表のままで眠っているのである(この事実は'11年に川瀬泰雄・著『プレイバック』が出版された時に明らかになった)。宇崎が百恵用に作った楽曲のデモはほぼすべて残っているという。作家自身による簡素なデモ録音(多くはギター1本の弾き語りと思われる)と完成版の音源を並べることによって、作品の誕生過程がかつてないほど明らかになる。これらのデモ音源を聴くことで、読者は編曲家の仕事や百恵の楽曲解釈についても深い理解を得ることができる。『隔週刊 山口百恵 歌い継がれてゆく歌のように』は、歌謡曲の歴史的名作群がどのように制作されたかを解き明かす画期的な出版物になるだろう(川瀬氏にはデモとの比較に重点を置いた解説を行ってもらう。『プレイバック』と同じ記述にはならないはずだ)。


 私は作家デモ音源が世に出る可能性をずっと考えていた。別アレンジ、アウトテイク等はソニーがきちんと未発表音源集を作って発売すれば良い。しかし、作家デモ音源の権利は一体どこに帰属するのだろう。宇崎が歌っている音源をソニーから発売することは可能なのだろうか? 作家本人の許諾さえ取れればOKなのか? 素人の私には権利関係がさっぱり分からない。もしかすると、CDではなく、売り切りの雑誌でなら案外簡単に出せるのではないか……そう考えた時、私はこの分冊百科の企画を思いついた。

 『隔週刊 山口百恵』は、私がこれまで提示してきた百恵企画の中では最も実現性が高いように思われる(リアルすぎて、書いていて逆にいまいち面白くないのだが……。実現したら笑えるような企画を真剣に考えるのが一番楽しい)。もしかすると、この企画はソニーとデアゴスティーニの間で既にある程度話が進められているかもしれない。『隔週刊 美空ひばり』があって『隔週刊 山口百恵』を思いつかなかったとしたら、ソニーもデアゴスティーニも企画力不足だと言わざるを得ない。

 創刊号の発売に最も相応しい日は、百恵のレコード・デビューからちょうど40年目に当たる'13年5月21日(火)である。創刊号には有名曲を持ってきたいだろうが、百恵の場合はやはりデビュー曲「としごろ」から順番に行くべきだ。まだ1年の準備期間がある。もしソニーとデアゴスティーニにやる気があるなら、CDには絶対にデモ音源を収録することを考慮してもらいたい。デモ音源が入れば、百恵ファンだけでなく、歌謡曲ファンを中心に多くの音楽ファンがこの雑誌に飛びつくはずである(デモ音源の商品化はどうしても無理だと言うなら……その時は、川瀬さん、しれっとYouTubeに音源を上げてください)。

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I came from 横須賀──趣味は手芸、キーホルダー集め、レコード鑑賞です

 それにしても、引退30周年記念が終わったと思ったら、来年はもうデビュー40周年記念なのである。一体どんな商品が発売されるのやら。ファンは今から貯金しておかなければいけない。助けてくれ~!!!


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