2017 09123456789101112131415161718192021222324252627282930312017 11

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

Fatima──シャーデーとミニー・リパートン

Fatima_Family01.jpgFatima_Family02.jpg
Fatima_Family03.jpg
WAX POETICS JAPAN (Issue 24, Oct/Nov 2012)
MINNIE RIPERTON - ADVENTURES IN PARADISE (1975)


 シャーデー表紙のWax Poetics Japanとミニー・リパートン『ADVENTURES IN PARADISE』のLPを自室の窓際に飾っている女の子がいる。君は一体、誰?


Fatima_Family04.jpg
久しぶりにAZでも聴こうかなー

Fatima_Family05.jpg
それともリル・キム聴いちゃおうかなー

Fatima_Family06.jpg
ビー・ジーズやザップもいいけど……

Fatima_Family07.jpg
今日はプリンスを聴くのだ(カセットしか持ってないけど……)

Fatima_Family08.jpg
♪I'm goin' down 2 Alphabet Street...

Fatima_Family09.jpg
むむ……私も曲が浮かんできたあ!


FROM FATIMA'S RECORD COLLECTION
Fatima_Family10.jpgFatima_Family11.jpgFatima_Family12.jpgFatima_Family13.jpg
Fatima_Family14.jpgFatima_Family15.jpgFatima_Family16.jpgFatima_Family17.jpg
MINNIE RIPERTON - PERFECT ANGEL (1974)
AZ - SUGAR HILL 12"(1995)
LIL' KIM - NOT TONIGHT 12" (1997)
BEE GEES - CHILDREN OF THE WORLD (1976)
ZAPP - ZAPP III (1983)
PRINCE - LOVESEXY (1988)
HALLE ORCHESTRA/JAMES LOUGHRAN - HOLST: THE PLANETS (1976)
NANCY HOLLOWAY - MELODIE EN SOUL SOL PRESENTS NANCY HOLLOWAY (2001)





 ストックホルム生まれのスウェーデン人、'06年からロンドンで暮らすシンガー・ソングライター、ファティマ。彼女のレコード・コレクションが垣間見られるのは、最新EPの表題曲「Family」の音楽ヴィデオ('13年11月20日公開)。この曲が素晴らしい。チェレスタの幻想的な分散和音、ジャズとレゲエが混じり合ったような奇妙なリズムに乗って、ニュー・ソウル感覚の内省的なファティマ嬢のヴォーカルが人懐こいメロディを紡いでいく。翳りのあるジャジーでソウルフルな歌唱はリアン・ラ・ハヴァス、チェンバー・ポップ風の風変わりな音使いはローラ・マヴーラを思わせる。「Family」と両A面扱いで発表された「La Neta(こちらもMVあり)は、3拍子のまったりした黄昏チェンバー・サウンドが途中で高速にギア・チェンジする大胆不敵なエクスペリメンタル・ソウル。B面曲「Black Dough」では、ティンバランド風のバウンシーで無機質なエレクトロニック・ビートをジャジーなヴォーカルで見事に乗りこなしていて、これまた驚かされる。リアンやローラと同じく、ファティマは'10年代のポスト・ネオ・ソウルの行方を握るだろうイギリス発の逸材だが、彼女たちとはまた違うベクトルの持ち主で、その幅広い音楽性と柔軟な歌唱力は底知れない可能性を感じさせる。

 ファティマは、フローティング・ポインツ Floating Points の名で知られる若手DJ/プロデューサーのサム・シェパード Sam Shepherd が主宰するロンドンの新興レーベル、Eglo Recordsの歌姫として、アンダーグラウンドでは数年前から知られる存在だった。'10年から'14年3月現在まで、同レーベルからソロ名義で計5枚のEPを発表している(1枚はレーベルメイトのFunkinevenとの共同名義。本記事末のディスコグラフィを参照)。Eglo Recordsはアシッド・ハウス色の強いダンス・ミュージック系レーベルで、ファティマの音楽もソウルやジャズに留まらず、ヒップホップ、ハウス、エレクトロ・ファンク、ディスコ/ブギーなどを自然に取り込み、現行クラブ・シーンとリンクしながら多角的に発展してきた。キャリア初となるフル・アルバムからの第2弾先行曲として'13年末に発売された先述の両A面シングル「Family」「La Neta」では、Flakoというエレクトロニカ系DJを新たにプロデューサーに迎え、これまで以上にユニークでソウルフルな独自のフュージョン世界を作り上げている。

 ミニー・リパートンのように天真爛漫で、シャーデーのように奥ゆかしい。スティーヴィー・ワンダーにプロデュースされたシャーデー……という喩えはさすがに無理があるかもしれないが、ファティマ嬢の魅力は、ミニー・リパートンとシャーデーという、ある意味、真逆とも言える2人の女性歌手の肖像が自室の窓際に飾られているところによく表れているように思う。ミニーとシャーデーの間に横たわる距離がそのままファティマの音楽の幅だと言えば、彼女がどれくらい面白いアーティストか恐らく分かってもらえるだろう(普通に言えば、近年のエリカ・バドゥに近いのだが、最新EPではバドゥとは明らかに違う個性を見せている)。アルバムの完成が本当に楽しみだ。

 それにしても、ロンドン在住のファティマがシャーデー表紙の日本版Wax Poeticsを持っているのはなぜなのか。実は'12年末、彼女はEglo Recordsのショウケース・ライヴ(@代官山UNIT、'12年12月1日)のため、レーベルの仲間たちと一緒に来日していた。部屋に飾られているWax Poetics Japan('12年10〜11月号)は、その時に購入したものと思われる。いずれフル・アルバムを引っ提げて、是非また日本に来て欲しい!


FATIMA: DISCOGRAPHY 2010-2013

Fatima_Family18.jpg
MINDTRAVELIN
12": Eglo Records EGLO05, March 2010 (UK)

Side 1: Higher / Warm Eyes
Side 2: Soul Glo / On The Go

Produced: "Higher" by VeeBeeO; "Warm Eyes" by Dam Funk; "Soul Glo" and "On The Go" by Funkineven


Fatima_Family19.jpg
FOLLOW YOU
12": Eglo Records EGLO14, June 2011 (UK)

Side 1: Cinnamon / Mind / Innervision
Side 2: Red Light

Produced: Fatima Bramme Sey and Sam Shepherd


Fatima_Family20.jpg
PHONE LINE (Funkineven & Fatima)
12": Eglo Records EGLO24, July 2012 (UK)

Side 1: 90's / West 2 East
Side 2: Phone Line / 90's Reflex


Fatima_Family21.jpg
CIRCLE
12": Eglo Records EGLO28, August 2013 (UK)

Side 1: Circle [feat. Shafiq Husayn] / Technology
Side 2: Red Light [live]

Produced: "Circle" by Computer Jay; "Technology" by Oh-No


Fatima_Family22.jpg
FAMILY / LA NETA
12": Eglo Records EGLO31, December 2013 (UK)

Side 1: La Neta / Family
Side 2: Black Dough / Black Dough [instrumental]

Produced: Flako


※'14年3月現在、これらのEPは12インチ/デジタル配信のみの発売で、音源は基本的にCD化されていない。'13年4月にレーベルの4周年を記念して発売された2枚組のレーベル・コンピCD『EGLO RECORDS VOL. 1』には、ファティマ作品が客演曲も含めて4曲収録されているので、CD派の方はそちらをチェックしてみるのもいいだろう。シャーデーの'88年のB面曲「Make Some Room」(シャーデー流アシッド・ハウス)が好きな人は、きっとこのレーベルが気に入ると思う。

| Diva Legends | 03:30 | TOP↑

PREV | PAGE-SELECT | NEXT