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Sinead O'Connor──私を教会に連れてって



 シニード・オコナー、まさかの完全復活。
 
 新譜『I'M NOT BOSSY, I'M THE BOSS』('14年8月11日発売)のジャケットを飾るこの写真を見た時は本当に驚いた。グレッチのギターを抱くボブ・カットのヴァンプ。こ、これがあのシニード?? 最初は合成写真かとも思ったが、そうではない。47歳の彼女は贅肉を削ぎ落とした刺激的なルックスで再びポピュラー・ミュージックの前線に帰ってきた。過去記事で“最近はすっかりオバちゃん化している”などと書いてしまったことを猛省する。この新譜で彼女は久々に大きな脚光を浴びるだろう。容姿や外見といった視覚的要素は、やはり音楽アーティストの重要なパフォーマンスのひとつなのだと痛感する。

 今回は彼女の大復活を祝して、アルバムから1stシングルに切られた「Take Me To Church」の歌詞を和訳したい。ローマ・カトリック教会に対するあの痛烈な抗議も思い出させる、新生シニード・オコナーの所信表明と言うべき力強い歌である。「Nothing Compares 2 U」(1990)の映像を顔面に投影し、自身の過去イメージに抗う音楽ヴィデオも印象的だ。ジャンヌ・ダルクからファム・ファタールに変身しようと、この人の根っこはちっとも変わらない。




 Take Me To Church
 (O'Connor/Reynolds/Kearns)
 
 I don't wanna love the way I loved before
 I don't wanna love that way no more
 What have I been writing love songs for?
 I don't wanna write them any more
 I don't wanna sing from where I sang before
 I don't wanna sing that way no more
 What have I been singing love songs for?
 I don't wanna sing them any more
 I don't wanna be that girl no more
 I don't wanna cry no more
 I don't wanna die no more
 
 前のようには愛したくない
 ああいう愛し方はもうしたくない
 何のためにラヴソングを書いてきたんだろう?
 そういう歌はもう書きたくない
 前のようには歌いたくない
 ああいう歌い方はもうしたくない
 何のためにラヴソングを歌ってきたんだろう?
 そういう歌はもう歌いたくない
 ああいう女にはもうなりたくない
 もう泣きたくない
 もう死にたくない
 
 So cut me down from this here tree
 Cut the rope from off of me
 Set me on the floor
 I'm the only one I should adore
 
 さあ この木から降ろしてちょうだい
 ロープを切り離してちょうだい
 地面に立たせてちょうだい
 私が崇めるべきは私自身だけ
 
 Oh take me to church
 I've done so many bad things it hurts
 Yeah take me to church
 But not the ones that hurt
 'Cause that ain't the truth
 And that's not what it's for
 
 ああ 私を教会に連れてって
 私は悪いことをいっぱいしてきた
 さあ 私を教会に連れてって
 でも酷いことをする教会はイヤ
 そこには真実なんかないし
 本当の意味なんてないから
 
 Yeah take me to church
 Oh take me to church
 I've done so many bad things it hurts
 Yeah get me to church
 But not the ones that hurt
 'Cause that ain't the truth
 And that's not what it's for
 
 さあ 私を教会に連れてって
 ああ 私を教会に連れてって
 私は悪いことをいっぱいしてきた
 さあ 私を教会に行かせて
 でも酷いことをする教会はイヤ
 そこには真実なんかないし
 本当の意味なんてないから
 
 I'm gonna sing songs of loving and forgiving
 Songs of eating and of drinking
 Songs of living
 Songs of calling in the night
 'Cause songs are like a bolt of light
 And love's the only love you should invite
 Songs of longings but fulfilled
 Songs that won't let you sit still
 Songs that mend your broken bones
 And don't leave you alone
 
 私が歌うのは 愛や許しの歌
 食べることや飲むことの歌
 生きることの歌
 闇夜を導いてくれる歌
 歌は一筋の閃光のようなもの
 愛こそは招き入れるべきもの
 切なる願いが叶う歌
 じっとしていられなくなる歌
 折れた心を治してくれる歌
 一人にしないでくれる歌
 
 So get me down from this here tree
 Take the rope from off of me
 Set me on the floor
 I'm the only one I should adore
 
 さあ この木から降ろしてちょうだい
 ロープを取り外してちょうだい
 地面に立たせてちょうだい
 私が崇めるべきは私自身だけ
 
 Oh take me to church
 I've done so many bad things it hurts
 Yeah take me to church
 But not the ones that hurt
 'Cause that ain't the truth
 And that's not what it's for
 
 ああ 私を教会に連れてって
 私は悪いことをいっぱいしてきた
 さあ 私を教会に連れてって
 でも酷いことをする教会はイヤ
 そこには真実なんかないし
 本当の意味なんてないから
 
 Yeah take me to church
 Oh take me to church
 I've done so many bad things that hurt
 Yeah get me to church
 But not the ones that hurt
 'Cause that ain't the truth
 And that's not what it's for
 
 さあ 私を教会に連れてって
 ああ 私を教会に連れてって
 私は悪いことをいっぱいしてきた
 さあ 私を教会に行かせて
 でも酷いことをする教会はイヤ
 そこには真実なんかないし
 本当の意味なんてないから


「無条件に自分のことを愛せるようになったわ。よく言うでしょ、“人を愛する前にまず自分のことを愛さなければいけない”とかって。私にはさっぱり意味不明だったんだけど。でも、12月で私は48になるんだけど、年とってくると、しみじみとそう思うわけ。バカやってこそ気付くこともあるってことよね。じゃない?」
──シニード・オコナー(8 August 2014, Billboard.com


Sinead_the_Boss2.jpg

 現在のシニード・オコナー、本当はこんな感じ。25年前に戻った(笑)。すっかり○ライ○マ化していたのに……(ダライラマじゃない)。とんでもなく懐かしい人と再会した気分だ。

 『I'M NOT BOSSY, I'M THE BOSS』には通常版デラックス版(3曲追加)の2種類がある。収録曲の中には、なんと、シェウン・クティのサックスをフィーチャーした「James Brown」(!!!!!)というタイトルのブルース・アフロ・ファンク曲まである。ああ、私をア○ゾンに連れてって!


Queer Music Experience: Sinead O'Connor(日本における彼女の名前表記の変遷がまとめられた良記事。“シニード”と書くべきか“シネイド”と書くべきか、“マドンナ”と書くべきか“マダーナ”と書くべきか、あるいは、“ジャネル”と書くべきか“ジャネール”と書くべきか、“アデル”と書くべきか“アデール”と書くべきか……それが問題だ? ちなみに、現在のグーグル検索ヒット数、“シニード・オコナー”は約20,600件、“シネイド・オコナー”は約9,850件。今度、国内盤を出す時は“シネード・オコナー”でお願いします)

わたしがわたしでありつづけること〜シネイド・オコナーの素晴らしい新作('12年発表の前作『HOW ABOUT I BE ME (AND YOU BE YOU)?』の素晴らしさを熱く訴える中川五郎氏のテキスト。彼女の復活は実は前作から始まっていた。シングル曲の2本のヴィデオ「The Wolf Is Getting Married」「4th And Vine」をチェックしよう)



追記(2014年8月27日):
 アルバムを入手。私が購入したデラックス版CD(ブック型の特殊パッケージ)のブックレットには、ボーナス曲も含めた全15曲の歌詞がきちんと掲載されていた。本記事の投稿時にはネット上の複数の聞き取りを参照した原詞を掲載していたが、ごく一部に相違点があったため、単語表記や改行位置も含め、公式の歌詞に準じて修正を入れた(より実際の歌唱に近い形にしてある)。また、それに伴って拙訳も部分的に変更した。




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