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闘う白鳥



「私はただ自分の踊りをする。それについて特に考えたりはしない。考えたらダメになってしまうと思うわ。ひとつ面白い話があるの──。長いあご髭を生やした老人が道を歩いていた。少年たちが駆け寄って訊ねた。“おじいさん、寝るときに髭は毛布の外に出しておくの? それとも中に入れておくの?”。老人は考え込んでしまい、二度と眠れなくなった。……そういうことよ。考えてはいけないのよ」




「〈瀕死の白鳥〉にはとても思い入れがある。ずっと踊り続けてきた作品だし。戦時中、疎開先のスヴェルドロフスクにいた頃、即興で踊ったのが最初だった。バレエ学校に通っていたせいで、皆から何か踊ってくれと頼まれたの。卒業までまだあと2年という時期。私はその場で即興で踊った。それがすべての始まりよ。これまで踊った回数は正確には分からない。世界中で2万回か3万回か……全く見当もつかないわ。誰が振付けたわけでもない即興作品だから、私は毎回違う風に踊った。後ろ向きで登場したり、観客側を向いて登場したり。上手から出るときもあれば、下手から出るときも。私にとっては、演奏している楽器が何かという点がとても重要だった。チェロなのか、フルートなのか、それともヴァイオリンなのか。楽器によって雰囲気が違ってくる。チェロなら鳥のように、ヴァイオリンなら……という具合に、性格がまるで変わってくるわけ。たくさん即興をやったわ。いつも同じだと観客も飽きてしまうでしょ。だから私は舞台に即興を入れる。アンコールで違う演技を見せたりね。私の人生はずっと〈白鳥〉と共にあった」

──マイヤ・プリセツカヤ

2004年12月、ミュンヘンにて(DVD『Maya Plisetskaya: Diva of Dance』)



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シルヴィ・ギエム『ボレロ』@NHKホール 2014
阿修羅のごとく

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