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Smooth Operator [single]

Epic_TX4655.jpg
SMOOTH OPERATOR
7": Epic A4655, 15 September 1984 (UK)
Side 1: Smooth Operator (4:15)
Side 2: Spirit (5:28)**

12": Epic TX4655, 15 September 1984 (UK)
Side 1: Smooth Operator (5:25) / Red Eye (3:18)*
Side 2: Spirit (5:28)**

* written by Matthewman/Hale
** written by Adu/Matthewman/Denman/St. John
Photography: Chris Roberts
Design: Graham Smith

UK chart: #19
US chart: #5
US R&B chart: #5
US Adult Contemporary chart: #1


 『DIAMOND LIFE』から本国イギリスでの第三弾シングル。
 特に内容が充実している12インチは、恐らくシャーデーの全シングルの中で最も商品性が高く、人気のある盤だろう。アメリカでは第二弾シングルに当たり、この曲の大ヒットにより、イギリスから約1年遅れてシャーデー人気に火がついた。
 ちなみに、イギリスでは「Your Love Is King」('84年2月/全英6位)、「When Am I Going To Make A Living」('84年5月/全英36位)、「Smooth Operator」('84年9月/全英19位)、アメリカでは「Hang On To Your Love」('84年12月/全米102位)、「Smooth Operator」('85年3月/全米5位)、「Your Love Is King」('85年6月/全米54位)の順にシングルカットされている。

 まず、表題曲「Smooth Operator」だが、これはシングル版で、アルバム未収インスト曲「Red Eye」にメドレー形式で繋がる。このメドレーは、ジュリアン・テンプルが監督した「Smooth Operator」PVに使われているものである。
 この「Smooth Operator」を“シングル版”と呼ぶのは、単に「Red Eye」とメドレーになっているからではない。もともと本国イギリス盤『DIAMOND LIFE』収録の「Smooth Operator」は、このシングル版(ヴィデオに使われている版、『THE BEST OF SADE』収録版、アメリカ盤『DIAMOND LIFE』収録版)とは録音自体が異なる全くの別版なのだ。「Smooth Operator」には、本国アルバム版(オリジナル録音)とシングル版(再録音)の二種類が存在するのである。

 「Smooth Operator」の録音違いについては、なかなかややこしいので詳述しておこう。単にアルバムとシングルで録音が違うなら話はそう複雑ではないのだが、『DIAMOND LIFE』がアメリカ発売される際、発売元のPortrait(エピックの姉妹レーベル。シンディ・ローパーが同時期のドル箱)が、アメリカ盤のアルバムに「Smooth Operator」のシングル版を採用したせいでおかしなことになった。つまり、同じ『DIAMOND LIFE』でありながら、英米で内容に違いがあり、しかもその点が全く明記されていないので、ファンの間で二つの異なる「Smooth Operator」が同一の録音作品として誤認されるような状況が生じてしまったのである。

 二つの録音はアレンジも同じで非常に似ているのだが、両者を簡単に識別する方法がある。
 以下にそれぞれの特徴を記す。

Smooth Operator - UK album version (original recording)
 決定的な違いは、冒頭の語り部分。シングル版の "Jewel box life diamond nights and ruby lights..." と語られるくだりで、"Jewel box life" 部分がオリジナル録音版にはない。また、再録シングル版と較べると、こちらのほうが演奏に硬さがあり、特にアデュの歌唱にはかなり力みが感じられる。ミックスはリバーブ感が希薄で、サウンドに生々しさがあるのも特徴。全体的にデモ的でラフな印象を受けるのがオリジナル録音=本国アルバム版である。
 この録音の初出は'84年2月イギリス発売のデビュー曲「Your Love Is King」の12インチ盤(Epic TA4137)B面で、「Snake Bite」にメドレーで繋がる形式で収録されている。アルバム('84年7月イギリス発売)ではフェイドアウトし、収録時間は4分57秒。『DIAMOND LIFE』(LP/CD/Cassette)のイギリス/ヨーロッパ盤、日本盤(つまり、アメリカ盤以外)にはこの録音が収録されており、それは'00年リマスター再発でも変わらない。
 この録音が収録された『DIAMOND LIFE』イギリス盤の型番を以下に記しておく。
LP: Epic EPC 26044, 28 July 1984 (UK)
CD: Epic CDEPC 26044, 28 July 1984 (UK)
CD: Epic 500595 2 (remastered), November 2000 (UK)
 
Smooth Operator - UK & US single / US album version (re-recording)
 冒頭の語りで "Jewel box life" 部分が加えられているのが再録シングル版。また、"Heaven help him when he falls" と直後のAメロの間に、再録版ではサックスが入るなどの違いもある。演奏は全体的によりこなれていて、伸び伸びとして余裕が感じられる。後半に登場するストリングスはこちらのほうが音量が大きく、シンセ臭さもない。間奏部分にしかなかったギターのカッティングが後半にも入ったことで、サウンドが厚く(熱く)なっているのも特筆ものだ。ミックスはリバーブ感が強く、聴きやすいサウンド。要するに、こちらのほうが演奏も音もスムーズでマイルド。完成度で言えば断然こちらが上だが、最初に慣れ親しんだ録音がどちらであるかによって、ファンの好みは分かれるかもしれない。
 初出は'84年9月イギリス発売の「Smooth Operator」シングル(アメリカでは'85年3月発売)で、12インチ盤では「Red Eye」にメドレーで繋がる形式で収録。'85年2月発売の『DIAMOND LIFE』アメリカ盤にはこの再録音シングル版が採用され、'00年リマスター再発でも変わっていない。アルバムではフェイドアウトし、収録時間は4分54秒。『THE BEST OF SADE』には、英米盤共に冒頭の語り部分をカットした短縮版(4'16")でこの録音が収録されている。一般的によく知られているのは、シングルヒットし、ヴィデオにも使われているこの再録音版のほうだろう。
 この録音が収録された『DIAMOND LIFE』アメリカ盤の型番を以下に記しておく。
LP: Portrait BFR 39581, 23 February 1985 (US)
CD: Portrait RK 39581, 23 February 1985 (US)
CD: Epic EK 85240 (remastered), November 2000 (US)

 『DIAMOND LIFE』アメリカ発売の際、なぜ「Smooth Operator」が別版に差し替えられたか、と言うと、それは多分、ヴィデオにも使われているシングル版のほうがアメリカのリスナーにはアピールしやすく、なおかつサウンド自体もキャッチーだと判断されたからではないか。『DIAMOND LIFE』をアメリカ盤でしか所有していないファンは、試しにイギリス盤か日本盤を購入してみるといい。聴き慣れたものとは一味違う「Smooth Operator」の登場に驚くはずである(ちなみに、'00年リマスター再発『DIAMOND LIFE』では、英米盤共に「Your Love Is King」「Hang On To Your Love」の収録時間が旧マスターより短いという違いもあり、実に厄介だ)。

 さて、この12インチに収録されている「Smooth Operator」は有名な再録音版の方だが、フェイドアウトせず最後まで完奏されるのが何より嬉しい。プリンスの'80年代シングル群などは典型だが、時にこういう完全版が聴けたりするのも12インチならではの醍醐味である(7インチには、冒頭の語り部分がカットされた上、本来4小節あるドラム&パーカッションのイントロが2小節に縮められたエディット版が収録されている。始まってすぐにベースが飛び出すので驚く)。
 ちなみに、このシングルでは「Smooth Operator」の作者として、アデュとセントジョンに加え、アルバムではクレジットされていないマシューマンの名前が見られる。どうでもいいが、印税の分配はどうなっているのだろうか。

 間髪入れずに始まる「Red Eye」は、ポール・デンマンのベースがグイグイ引っ張るインストのラテン・ジャズ・ナンバー。'93年と'01年のライヴ映像作品(『Sade Live』『Lovers Live』)でもメドレー形式で演奏されているので、ファンにはお馴染みの楽曲だろう(ちなみに、'84年ツアーの時点で「Smooth Operator」とメドレーにされていたのは「Snake Bite」の方で、「Red Eye」は単体で演奏されていた)。「Smooth Operator」ヴィデオでは途中でフェイドアウトしてしまうが、これもここではきちんと完奏される。4ビートが挿入される後半の展開もスリリング。メンバーの演奏能力が大いに発揮される白熱のアップである。

 B面収録のアルバム未収曲「Spirit」も熱い。彼らには珍しいディスコ・ファンク調の曲で、アデュのヴォーカルもかなり熱気がある。作曲クレジットにレイ・セントジョンの名前があることから、これも恐らくシャーデー以前、プライド時代からのレパートリーだったと思われる。まだまだ垢抜けなさが漂うが、クオリティは決して低いわけではなく、かなり聴き応えがある。「Smooth Operator」の間奏を思わせるベース・パートが登場するのも聴きどころで、いかにもB面曲的な味わいがある。この曲は'84年ツアーでもしばしば演奏されていた。


Epic_A4655_poster1.jpg
7": Epic A4655 (poster sleeve)

 「Smooth Operator」7インチには限定版ポスター仕様も存在する(型番は通常版と同じEpic A4655)。スリーヴがそのまま折り畳みポスターで、広げると6倍の大きさになり、裏面に黒のレザー・ジャケット&パンツ姿の粋なアデュが登場する。'84年9月、「Smooth Operator」で〈Top Of The Pops〉に出演した際の彼女の格好がこれだった。

Epic_A4655_poster2.jpg
Limited edition - free poster

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