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Buika──シャーデー大賞2015



 '15年のシャーデー大賞が日本時間の12月30日午後10時に発表された。今年も超速報で結果をお伝えする。

 シャーデー大賞は、シャーデーのように時代や流行にとらわれることなく、独自のソウル・ミュージックをエレガントかつ果敢に追求している次世代アーティストに毎年与えられる謎の音楽賞である(シャーデーのメンバーは一切選考に関わっていない)。性別や国を問わず、その年に優れたアルバム/EPを発表したアーティストに贈られる。'13年の第1回はアリス・スミスが『SHE』で、'14年の第2回はディアンジェロが『BLACK MESSIAH』で受賞を果たした。

 例年通り、シャーデー大賞選考委員会による厳正な審査が行われた結果、'15年の第3回シャーデー大賞は、10月にアルバム『VIVIR SIN MIEDO』を発表したスペイン出身の女性シンガー・ソングライター、ブイカさん(43)に決定した。今年の大賞には、1月にデビュー・アルバムを発表した英国出身の個性派シンガー・ソングライター、ベンジャミン・クレメンタインが本命視されていたが、終盤になってまさかの番狂わせが起きる結果となった。

 '15年シャーデー大賞のノミネートは以下の通り。


SADE PRIZE 2015: NOMINEES AND WINNER

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BENJAMIN CLEMENTINE
album AT LEAST FOR NOW released 12 January 2015
PHONY PPL
album YESTERDAY'S TOMORROW released 13 January 2015
MISS TATI
single SHAKEDOWN released 20 January 2015
single DON'T LET GO released 26 October 2015
IBEYI
album IBEYI released 16 February 2015
NTJAM ROSIE
album THE ONE released 17 February 2015
GHOSTPOET
album SHEDDING SKIN released 2 March 2015
NNEKA
album MY FAIRY TALES released 2 March 2015
ESTER RADA
ep I WISH released 18 March 2015
KOVACS
album SHADES OF BLACK released 3 April 2015
BLICK BASSY
album AKÖ released 6 April 2015
CASSANDRA WILSON
album COMING FORTH BY DAY released 7 April 2015
ALABAMA SHAKES
album SOUND & COLOR released 21 April 2015
DONN T
album FLIGHT OF THE DONN T released 21 April 2015
ESKA
album ESKA released 27 April 2015
TAXIWARS
album TAXIWARS released 27 April 2015
ANDREYA TRIANA
album GIANTS released 4 May 2015
VAN HUNT
album THE FUN RISES, THE FUN SETS released 4 May 2015
GEORGIA ANNE MULDROW
album A THOUGHTIVERSE UNMARRED released 19 May 2015
HARLEIGHBLU
ep FUTURESPECTIVE released 1 June 2015
ep FUTURESPECTIVE 2 released 25 September 2015
MELODY GARDOT
album CURRENCY OF MAN released 1 June 2015
DAYME AROCENA
album NUEVA ERA released 8 June 2015
ABRA
album ROSE released 16 June 2015
AZEKEL
ep RAW, VOL. 1 released 21 June 2015
EMILY KING
album THE SWITCH released 26 June 2015
MIGUEL
album WILDHEART released 29 June 2015
BILAL
album IN ANOTHER LIFE released 30 June 2015
TWIN DANGER
album TWIN DANGER released 30 June 2015
MS. LAURYN HILL, etc.
album NINA REVISITED... A TRIBUTE TO NINA SIMONE released 10 July 2015
JILL SCOTT
album WOMAN released 24 July 2015
LIANNE LA HAVAS
album BLOOD released 31 July 2015
TERRI LYNE CARRINGTON
album THE MOSAIC PROJECT: LOVE AND SOUL released 7 August 2015
ANDRA DAY
album CHEERS TO THE FALL released 28 August 2015
LIZZ WRIGHT
album FREEDOM & SURRENDER released 4 September 2015
PETITE NOIR
album LA VIE EST BELLE / LIFE IS BEAUTIFUL released 11 September 2015
SABRINA STARKE
album SABRINA STARKE released 25 September 2015
SAMM HENSHAW
ep THE SOUND EXPERIMENT released 25 September 2015
TONY MOMRELLE
album KEEP PUSHING released 2 October 2015
BUIKA winner!
album VIVIR SIN MIEDO released 16 October 2015
LURA
album HERANÇA released 16 October 2015
RAURY
album ALL WE NEED released 16 October 2015
SON LITTLE
album SON LITTLE released 16 October 2015
JUDITH HILL
album BACK IN TIME released 23 October 2015
SEINABO SEY
album PRETEND released 23 October 2015
JAMIE WOON
album MAKING TIME released 6 November 2015
ERYN ALLEN KANE
ep AVIARY: ACT 1 released 17 November 2015
KAE SUN
ep OCEANS APART released 20 November 2015
NXWORRIES
ep LINK UP & SUEDE released 4 December 2015
TERES△JENEE
ep THE JNFR KILLA released 4 December 2015


 今年のシャーデー大賞は波瀾の展開となった。大本命のベンジャミン・クレメンタインが受賞を逃すという結末には、選考委員たちでさえショックを受けているという。委員の数人に話を聞いた。

「ベンジャミン・クレメンタインがシャーデー大賞を獲ることは、1月にデビュー・アルバムが出たときから決まっていた。いや、去年の夏に2nd EPが出た時点で決まっていたようなもんだった。彼はスクリーミン・ジェイ・ホーキンスとニーナ・シモンの血統をあわせ持つ恐るべきアウトサイダーで、独自のエレガンスも兼ね備えた本当に素晴らしいアーティストだ。彼の独走状態だったんだけど、10月にブイカがとんでもない新譜を出したせいで振り出しに戻ってしまった。ショックだったよ。大賞はベンジャミンしかない、と選考委員の誰もが信じていたからね。今年のシャーデー大賞は、最終的にベンジャミン・クレメンタインとブイカの一騎打ちになった」

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SadePrize2015_Buika4.jpgSadePrize2015_Buika5.jpgSadePrize2015_Buika6.jpg
ブイカのアルバム(2000〜13)。まずは'06年の2nd『MI NINA LOLA』を

 ベンジャミン・クレメンタインの受賞を阻んだブイカは、'72年生まれのアフリカ系スペイン人。'00年にコンチャ・ブイカ Concha Buika 名義でピアニストと組んだジャズ・アルバムを出した後、'05年に“ブイカ”としてソロ・デビュー。これまでフラメンコをベースに、ジャズ、ソウル、アフロ、ラテンなどを取り入れたオーガニックな越境サウンドと、フラメンコ歌手らしい焼け焦げたハスキーな歌声で独自のスペイン流ソウル・ミュージックを聴かせてきた歌姫である。ペドロ・アルモドバル監督『私が、生きる肌』(2011)へのゲスト出演などで世界的にも広く知られる。10月に発表された最新作『VIVIR SIN MIEDO』は、オリジナル・アルバムとしては通算6作目に当たる('11年に新録曲などを含む2枚組ベスト盤『EN MI PIEL』もあり)

「ブイカは、アルバムを出せば必ずシャーデー大賞の候補になるようなトップシードのアーティストだ。彼女は黒人音楽ファンとフラメンコ・ファンを同時に魅了する本当に稀有な歌姫だよ。本格的なデビュー作だった1st『BUIKA』は、いかにも“スペイン版ネオ・ソウル”という感じだったけど、その後、彼女は英米のポピュラー音楽シーンとは距離を置き、フラメンコとキューバ音楽を軸に自分の世界を深化させてきた。ところが、今回の新譜で彼女はマーティン・テレフェ(グレン・スコット、ロン・セクスミス、ジェイソン・ムラーズ等を手掛けてきたポップ畑のプロデューサー)と組み、新たにレゲエ〜ダブの要素も取り入れながら、改めてポップ・ミュージック寄りのアプローチをしている。もちろん、これまでの音楽的蓄積をフルに活かしながらね。もう、脱帽するしかないよ。シャーデー大賞を贈るならこのアルバムしかないと思った。この音楽的なスケールと深み、力強さ、そしてエレガンスは、シャーデー・アデュでさえも羨望するんじゃないかな。ジェイソン・ムラーズの客演曲がシングルで、全体的に英語歌詞の比率も上がっているから、最新作はこれまで彼女に馴染みのなかった英語圏のリスナーにも大いにアピールするだろう。あと、ミシェル・ンデゲオチェロがベースで1曲参加しているのもポイントだね。演奏が云々以前に、彼女が参加しているという事実が大事だ。それでこのアルバムに興味を持つ音楽ファンはたくさんいるだろうから。ミシェルはいい仕事をしたと思うよ」

 別の選考委員はブイカの新譜について興奮気味にこう話す。

「アメイジングだ。1曲目の〈Vivir Sin Miedo〉でいきなりKOされるぜ。ミシェル参加の〈Mucho Dinero〉は、ハウイ・Bがプロデュースした16年前のネグレス・ヴェルトみたいな音なんだが、とにかく歌力がハンパない。アルバム終盤の〈The Key〉の爆裂ぶりなんて、ニーナ・シモンの〈Sinnerman〉並みのヤバさだよ。いや、それ以上だ!」

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ビリー・ホリデイ(左)、ニーナ・シモン(右)

 '15年はビリー・ホリデイとニーナ・シモンの年でもあった。ビリー・ホリデイは生誕100周年。しょっちゅう再評価されているニーナ・シモンは、昨年から続く一連の人種問題によるアメリカの緊張した空気の中で特に注目度が高まったようだ。いずれも20世紀のアメリカで人種差別と闘った伝説の歌姫であり、多くの黒人アーティストが作品を通して社会的メッセージを発した'15年を象徴するような存在と言えると思う。今年のシャーデー大賞には、カサンドラ・ウィルソンによるビリー・ホリデイ作品集『COMING FORTH BY DAY』、そして、2つのニーナ・シモン・トリビュート作がノミネートされている。

「しっかりビリー・ホリデイの誕生日に発表されたカサンドラのアルバムは、さすがの重さと倦怠感で聴き応え十分だった。同時に温かみもあって、ビリー・ホリデイに対する彼女の深い愛情を感じたよ。もうひとつ、ビリー・ホリデイ繋がりで面白かったのは、ホセ・ジェイムズ……じゃなくて(彼のトリビュートも普通に良かったけど)、レベッカ・ファーガソン……でもなくて(彼女も悪くなかったけど)コヴァクス Kovacs というオランダの新人かな。“S”がついてるからバンド名みたいだけど、シャロン・コヴァクスという白人女性ソロ・アーティストだよ。“オランダの裏カロ・エメラルド”と言ったらいいかな。すごくダークでね。『SHADES OF BLACK』というアルバム・タイトルからして真っ暗だろ? カロのノワール版みたいな音をバックに、ビリー・ホリデイの声色でシャーリー・バッシーのように歌う。一部では“エイミー・ワインハウス meets ポーティスヘッド”とか言われてるようだけど、エイミーと言うよりはパロマ・フェイス、ポーティスヘッドと言うよりはモロコに近いんじゃないかな。まあ、早い話が、キャット・エドモンソンとアニー・レノックスを混ぜたような暗黒ヴィンテージ・ポップ歌姫なんだ。坊主頭というルックスも面白いね。彼女は去年5月に出た『MY LOVE』というデビューEPで、ピアソラの……と言うか、グレイス・ジョーンズの〈Libertango (I've Seen That Face Before)〉をカヴァーしてて、そのあたりにも風変わりなアーティスト性がよく表れてると思う。カサンドラの『COMING FORTH BY DAY』にはニック・ケイヴ&ザ・バッド・シーズの連中が関わってただろ? カサンドラとコヴァクスはジャンルも人種も国も全然違うけど、両者のアルバムには意外と近いものがあるかもしれないね。どちらもビリー・ホリデイの根強い影響力を感じさせる作品さ。ちなみに、コヴァクスとタクシーウォーズの2組は、シャーデーではなく、ツイン・デンジャー枠でのノミネートだ。ツイン・デンジャーが好きなら気に入る可能性が高いってことだよ」

「私はエスター・ラダの『I WISH』に一票入れたわ。ニーナ・シモンの代表曲を4つ取り上げたEPで、全曲にライヴ仕立ての音楽ヴィデオも作られた。シャーデーみたいでとっても素敵な映像なの。ローリン・ヒルとロバート・グラスパーが奮闘した『NINA REVISITED』は、アメリカの黒人アーティストたちによる王道トリビュートって感じだったけど、エスター・ラダみたいな非西欧アーティストの解釈ももっと注目されるべきだわ。音楽的にも自由だしね。アメリカの黒人アーティストがニーナ作品に取り組むと、どうしても精神的・思想的な面に意識が行ってしまって、窮屈な解釈になりがちなんじゃないかしら。その点、『NINA REVISITED』では、アリス・スミスの〈I Put A Spell On You〉がずば抜けてたと思うわ。ニーナ並みに“何なの、これ?!”って驚かせてくれたのはアリスだけだった」

 尚、『NINA REVISITED』は複数アーティスト参加のコンピレーションゆえ、本来は選考外だが、6曲で参加したローリン・ヒルを対象として特別にノミネートされた。

「ローリン・ヒルのノミネートはおまけだ。6曲ならEPに相当する分量だし、それに彼女はライヴで〈Love Is Stronger Than Pride〉をカヴァーしてるからね。あと、彼女は今年の8月30日にナイジェリアのラゴスでコンサートをやった。シャーデーもいつか絶対やるべきだと思うよ。ローリンには是非とも自分のアルバムを出してもらいたい。今年は大賞をあげられない代わりに、特別に“チケット代が高すぎるで賞”を贈っておくよ」

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リアン・ラ・ハヴァス

 昨年11月に発売されたもうひとつの傑作ニーナ・シモン・トリビュート盤『ROUND NINA』で「Baltimore」を歌っていたリアン・ラ・ハヴァスは、今年、待望の2ndアルバムを発表した。彼女も有力候補の一人だったという。

「ブイカとベンジャミン・クレメンタインの次に多くの票を集めたのがリアンだった。シャーデー大賞の選考委員たちはみんな彼女の大ファンなんだ。『BLOOD』は1stよりもソウル〜ポップ色を増した素晴らしい出来だった。プリンスとの共演も経て、彼女はよりスケールの大きなアーティストに成長したと思うよ。彼女は“'10年代のアリシア・キーズ”だ。いずれ大賞を獲る時が来るんじゃないかな」

「リアンもいいけど、テレサジェニーもね。リアンのエレクトロニカ版みたいな感じなんだけど、生ピアノでジャジーに歌ったりもするの。3年前の〈Ode To October〉っていうチャーミングな曲を覚えてる? 12月に出た最新EPは、エレクトロニックな要素とオーガニックな要素のバランスが絶妙で、彼女の魅力がよく出てると思うわ。あと、どうでもいいけど、ジャケ写がダース・ベイダーに見えて仕方ないのは私だけかしら?」

 ところで、11月末に新譜『25』を発表したアデルはシャーデー大賞の候補にはならないのだろうか?

「007の主題歌を歌った歌手はエントリー資格を失うという規定があります。まあ、彼女は他にいくらでも賞を獲るでしょうしね。アデルの代わりというわけではありませんが、今年は元Ninja Tuneの歌姫、アンドレヤ・トリアナがノミネートされています。ソウル〜ゴスペル色を増した2nd『GIANTS』には、アデルの〈Rolling In The Deep〉みたいな曲がたくさん入っています。1stシングルの〈That's Alright With Me〉を聴いたときは、アリーサジョージの〈I Knew You Were Waiting (For Me)〉かと思いました。完全にアレサ・フランクリン状態です。選考委員の中には、ジャジーでアンニュイな5年前の1stアルバムのファンが多いので、今回、残念ながらアンドレヤはあまり票を集められませんでした。いいアルバムでしたけどね。ゴスペル調ポップ・ソウルという点では、スウェーデン出身のセイナボ・セイのデビュー作がユニークでした」

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ベンジャミン・クレメンタイン

 今回、惜しくも受賞を逃したベンジャミン・クレメンタイン『AT LEAST FOR NOW』は、11月20日に発表された今年の英マーキュリー賞で大賞に選ばれた。

「ベンジャミン・クレメンタインはいかにもマーキュリー賞向けのアーティストだよね。10月にノミネート一覧を見たとき、彼が獲るだろうなと思ったよ。シャーデー大賞の選考基準は、実はちょっとマーキュリー賞と似てるんだ。アメリカのポップ・ミュージックへの返答となるようなオルタナティヴなものを積極的に評価する点がね。シャーデーはそもそもイギリスのバンドだしさ。マーキュリー賞はポップ〜ロック寄りだけど、シャーデー大賞はソウルが中心で、アメリカも含めて世界中のアーティストが対象になる。R&Bでもヒップホップでもジャズでも構わないんだけど、オーセンティックなソウル感があることが大事だね。しかも、どこか異質で、メインストリームから逸脱した独自の道を歩んでいるアーティストでなければならない。それでいて聴きやすいこと、スムーズであること。先鋭的な黒人音楽を取り上げるメディアは、今年であれば、ケンドリック・ラマー、ジ・インターネット、ジーサティスファクション、ハイエイタス・カイヨーテなんかを高く評価するかもしれないけど、あまりにヒップホップだったり、R&Bっぽかったり、エクスペリメンタルすぎてもダメなんだ。逆に、いくら“ソウル”でも、リオン・ブリッジズやジャック・ムーヴスみたいにレトロすぎるのもNGだ。言ってること分かる? ぶっちゃけた話、シャーデー大賞というのは、シャーデーのファンが気に入りそうなアーティストをまとめて紹介するために存在する。まあ、ベンジャミンがマーキュリー賞を獲ったことは選考には関係ないけど、最終的にブイカがシャーデー大賞に決まって、マーキュリー賞との違いがはっきりしたのは良かったと思うよ」

 ベンジャミン・クレメンタインには、シャーデー大賞選考委員会から特別賞が贈られるそうだ。

「彼に大賞をあげられなかったことを選考委員の誰もが残念に思ってる。本当に苦渋の選択だった。でも、彼はまだデビューしたばかりだし、これからいくらでも受賞する機会があると思う。まあ、この賞が今後もしつこく続けばの話だけどね。ベンジャミンは十数年に一人の怪物アーティストだ。彼の音楽と言葉には魔術的な力がある。彼は強烈なフォースの持ち主だよ。ベンジャミン・クレメンタインには、とりあえず“音楽界一ライトセーバーが似合うで賞”を贈らせてもらうよ」



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