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Michelle Gurevich──ロシアの恋の物語



アーティスト名:ミシェル・グレーヴィチ
以前の名前:チャイナウーマン Chinawoman
出身地:カナダ、トロント(ロシア系カナダ人)
活動拠点:ドイツ、ベルリン
ジャンル:ロシア系頽廃東欧エレクトロニック歌謡
似ているアーティスト:レナード・コーエンPJ・ハーヴェイ
割と似ているアーティスト:レナ・プラトノスニコヘルミーネサーダ・ボネールアンナ・ドミノアン・ピガールタニタ・ティカラムポーティスヘッドアニカエクスプローデッド・ヴューアンナ・カルヴィリサ・アルマピーチズスーサイドタキシードムーンクライム&ザ・シティ・ソリューションアラ・プガチョワ




 Russian Romance
 (Michelle Gurevich)
 
 Beautiful nihilist
 When nothing matters
 Every moment comes alive
 In love it's all or nothing
 Look at this life
 How could the stakes be less than high
 
 美しき虚無主義者
 何も構わなくなった時
 あらゆる瞬間が輝き出す
 愛は全か無
 人生をごらん
 賭けの代償はただでは済まない
 
 Feel -
 The heat beyond the heat
 The winter of all winters
 The heart at maximum
 And love
 Until the edge of time
 I will be by your side
 The madness of this life
 
 感じて──
 熱を超えた熱を
 冬の中の冬を
 限界の心を
 そして愛
 終わりが訪れるまで
 私はあなたのそばにいる
 この狂おしき人生
 
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 You ask what happened
 I only say
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 Even when love is gone
 The song plays on
 
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 何事かと尋ねるなら
 こう言うだけ
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 たとえ愛が消え去っても
 この歌は続く
 
 An ancient melody
 We knew the words by heart
 Before we even met
 When you're faced with your darkest nature
 Plunge down my love
 And I'll be waiting for you there
 
 いにしえのメロディ
 出会う以前から
 私たちは歌詞を悟っていた
 あなたが暗闇の本性に目覚め
 この愛に陥る時
 そこで私は待ってるわ
 
 Feel -
 The heat beyond the heat
 The winter of all winters
 The heart at maximum
 And love
 Until the edge of time
 I will be by your side
 The madness of this life
 
 感じて──
 熱を超えた熱を
 冬の中の冬を
 限界の心を
 そして愛
 終わりが訪れるまで
 私はあなたのそばにいる
 この狂おしき人生
 
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 You ask what happened
 I only say
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 Even when love is gone
 The song plays on
 
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 何事かと尋ねるなら
 こう言うだけ
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 たとえ愛が消え去っても
 この歌は続く
 
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 There are some things in life
 Of which you'll never make sense
 A Russian Romance
 A Russian Romance
 Even when love is gone
 The song plays on
 
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 人生には決して
 理解できないものがある
 ロシアのロマンス
 ロシアのロマンス
 たとえ愛が消え去っても
 この歌は続く


 前作『Let's Part In Style』(2014)まで“チャイナウーマン”の芸名で活動していたトロント出身の女性シンガー・ソングライター。ロシア人の両親を持つカナダ人で、ドイツに住んでいるが、名前は“中国女”……というわけの分からなさが良かったのだが、さすがに分からなすぎたのだろうか。本名のミシェル・グレーヴィチに活動名を変え、'16年9月、4thアルバム『New Decadence(新しき頽廃)』を発表した。

 私が彼女の存在を知ったのは、'13年に「Vacation From Love」というシングルが出たときだった。単調な打ち込みビートとエレキ・ベースのループの上に、ミシェルのボソボソと喋るようなシュプレヒシュティンメ調の歌が乗った暗黒エレクトロニック・カバレット・シャンソン。音楽ヴィデオをYouTubeでたまたま観た私は、曲を聴いて“あっ、PJ・ハーヴェイ(「Down By The Water」)”、カップの中でコーヒーが渦を巻く映像を見て“うっ、ゴダール(『彼女について私が知っている二、三の事柄』)”と思った。Bandcampでまともに聴いてみると面白かったので、そこで売られていた彼女の自主制作CDをすぐに注文した。CDはベルリンから送られてきた。

Michelle_Gurevich2.jpg
もしもし、あたしもうチャイナウーマンじゃないから

 '05年からMySpaceで音楽活動を始める以前、ミシェル・グレーヴィチは10年ほど映画/テレビ業界で映像編集の仕事をしていた。元々は映画監督を志し、自主制作で短編を撮ったりもしていたが、最終的に“より安価で制作でき、しかも良い結果が得られやすい”音楽の道に進むことにしたという。YouTubeの公式チャンネル(Chinavoomen)で公開されている音楽ヴィデオは、すべて彼女自身の手によるもの。プロとして映像制作の経験を積んでいるミシェルだが、自分の作品では敢えてアンチ・プロフェッショナルなホームメイド感覚を大事にしているという。最愛の映画監督としてフェデリコ・フェリーニの名前を挙げる彼女。“チャイナウーマン”という名前は、ゴダール作品のタイトル『中国女(La Chinoise)』に因んだものかもしれない。
 
 “Chinawoman──彼女について私が知っている二、三の事柄”というタイトルでいずれ紹介記事を書こうと思っていたら、名前が変わってしまった。今回の改名に伴い、チャイナウーマンとして発表した過去のアルバム/動画も、すべてミシェル・グレーヴィチ名義に変更されている(アルバムに関しては、ジャケ画像から“Chinawoman”の表記が消され、配信のみでCD販売はなくなった)。レナード・コーエンの訃報で彼女のことを思い出し、検索してみてビックリである。

 '16年11月の最新インタヴューで改名について訊かれ、ミシェルはこう答えている。

「これからは本名のミシェル・グレーヴィチでいく。SpotifyやiTunesなんかでも私のアルバムは全部この名前で出てるわ。今ではあの古い名義に違和感を覚える。以前からのリスナー──いればだけど──には慣れるまで時間がかかるでしょうけど。私の好きなアーティストは大抵自分のフルネームで活動してるし、名前そのものがひとつの代名詞になってる。とはいえ、活動自体は変わらないし、以前の曲も引き続きやっていくつもりよ」(9 November 2016, Dinlesen Cok Seversin!)

 和訳した「Russian Romance」は、最新作『New Decadence』の収録曲。名前は変わったが、相変わらず暗い。ロシアの冬は寒そうだ。



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