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シャーデー新曲「Soldier Of Love」公開



 2010年2月8日発売のシャーデーの新譜『SOLDIER OF LOVE』からの先行シングル曲「Soldier Of Love」が、12月8日に解禁になった。シャーデーの公式サイト、および、公式YouTubeチャンネルで公開されているので、未聴の人はまずそちらを聴いてもらいたい。
 同時に、シングルのアートワークと思われる画像(上)も公開された。アデュ、今度はきちんと正面を向いている。10年前の写真か?と思うほど変わっていない(嬉)。

 さて、気になる音の方は……。


 新曲「Soldier Of Love」は6分にも及ぶ大作。うらぶれたラッパの音に導かれて、軍隊行進を思わせる強靭なマーチング・ドラムのビートが始まる。そこにギターのヘヴィな低音、暗雲のようなシンセが絡み、荒野か焼け野原のようなサウンドスケープが広がっていく。そして、その中を(恐らく馬に乗った)“愛の戦士”=シャーデー・アデュが、あの声で力強く突き進んでいく。

 まず感じるのは、2週間前に公開されたアルバム・カヴァー&タイトルに極めて近い印象の作品であるということ。重く荒涼としていて、戦闘的・闘争的で、やはり“survive”というのがひとつのキーワードになっている。

 アートワークから感じられたメキシコ~スペインの地域性は、予想とは全く違う形で顕れていた。メキシコはメキシコでも、西部劇に出てくるメキシコで、しかも、マカロニ・ウェスタンの非情で殺伐とした世界なのである。「Soldier Of Love」を聴きながら、私は思わず『続・夕陽のガンマン』のテーマを口笛で吹いてしまった(完璧にハマるのでお試しあれ)。扇情的なスネア・ドラムはボレロかとも思ったが、直接的にはやはりモリコーネの西部劇音楽の世界に通じているように思う(ちなみに、マカロニ・ウェスタンのロケ地の多くはスペインである。アデュが「The Sweetest Taboo」ヴィデオで馬を駆っているのが、実際に多くのマカロニ・ウェスタンが撮影されたアルメリアの砂漠……というのは余計な情報だが、新曲では“So I ride”と歌っているので、私は馬を駆るアデュが久しぶりに観られるのではないかと密かに期待している)。

 過去に似たようなシャーデー作品があったかと考えれば、前作『LOVERS ROCK』収録の「Somebody Already Broke My Heart」にちょっと近いかもしれない。あれに思いきりエッジを利かせると「Soldier Of Love」に近づくだろうか。常識的なR&B/ソウルの枠組からはもはや完全に逸脱し、音楽性としては、ニーナ・シモンやニック・ケイヴあたりを彷彿とさせる(実際、ジャケ写のアデュはちょっとニーナ・シモン風)。カテゴリー不明の、まさに辺境のソウル・ミュージック。変わったと言えば変わったし、変わっていないと言えば変わっていない。本当にシャーデーらしい最高の新曲だと思う。


 ひとまず、聴き取りに基づいた歌詞を拙訳と共に紹介しておく。公式なものではないので、部分的に怪しい箇所もあるが、大方これで間違いないだろう。これが今回のシャーデーのテーマ・ソングだ。


 Soldier Of Love

 I've lost the use of my heart
 But I'm still alive
 Still looking for the life
 The endless pool on the other side
 It's a wild wild west
 I'm doing my best
 
 私の心はくたびれ果てた
 それでもまだ生きている
 いまだに人生を求めながら
 一方には果てしない水たまり
 ここは西の荒野
 私は必死
 
 I'm at the borderline of my faith
 I'm at the hinterland of my devotion
 In the frontline of this battle of mine
 But I'm still alive
 
 私は信念の境界にいる
 私は献身の奥地にいる
 自分のこの戦いの最前線の中
 それでもまだ生きている
 
 I'm a soldier of love
 Every day and night
 I'm a soldier of love
 All the days of my life
 
 私は愛の戦士
 明けても暮れても
 私は愛の戦士
 来る日も来る日も
 
 I've been torn up inside
 I've been left behind
 So I ride
 I have the will to survive
 
 心はずたずた
 取り残されて
 だから進もう
 生き残るために
 
 In the wild wild west
 Trying my hardest
 Doing my best
 To stay alive
 
 西の荒野で
 死にもの狂い
 私は必死で
 生き続ける
 
 I am love's soldier
 I wait for the sound
 I know that love will come
 that love will come
 Turn it all around
 
 私は愛の戦士
 お告げを待つ
 愛はきっと訪れる
 きっと訪れる
 すべては転じる
 
 I'm a soldier of love
 Every day and night
 I'm a soldier of love
 All the days of my life
 
 私は愛の戦士
 明けても暮れても
 私は愛の戦士
 来る日も来る日も
 
 I am lost but I don't doubt
 So I ride
 I have the will to survive
 
 迷ってはいられない
 だから進もう
 生き残るために
 
 In the wild wild west
 Trying my hardest
 Doing my best
 To stay alive
 
 西の荒野で
 死にもの狂い
 私は必死で
 生き続ける
 
 I am love's soldier
 I wait for the sound
 I know that love will come
 I know that love will come
 Turn it all around
 
 私は愛の戦士
 お告げを待つ
 愛はきっと訪れる
 愛はきっと訪れる
 すべては転じる
 
 I'm a soldier of love
 I'm a soldier
 
 私は愛の戦士
 私は戦士
 
 Still wait for love to come
 Turn it all around
 
 愛の訪れを待ち続ける
 すべては転じる
 
 
 この曲を私は既に50回くらい聴いたが、聴くほどに素晴らしい。'09年3月にマックスウェルが制作中のシャーデーの新作について“monolithic(一枚岩のような、がっしりした)”と語っていた意味が、これでようやく分かった気がする。これは本当にアルバムの発売が楽しみだ。

 「Soldier Of Love」に関しては、いずれ改めて当ブログの“Songs”というカテゴリーで取り上げる予定。


※ところで、2つあった公式サイト www.sade.comewww.sadeusa.com だが、どうやら前者で統一されたようだ。但し、www.sadeusa.com にあったフォーラムは www.sade.come 内からリンクされる形で存続している。



追記('10年2月9日):
 アルバムが発売され、ブックレットで公式な歌詞を確認することができた。上の聴き取りにはいくつか誤りがある。大きな相違点は以下の2つ。

× Still looking for the life(いまだに人生を求めながら)
○ Still looking for the light(いまだに光を求めながら)

× So I ride(だから進もう)
○ Tall I ride(いざ進もう)

 “Life”と“Light”の違いは想定内だったが、“So I ride”が“Tall I ride”だったのには驚いた。改めてよく聴くと、確かにそう歌っている。“I ride tall”が倒置されているのだろうが、素直に“So I ride”でいいじゃないか、とも思う(笑)。馬に乗り、胸を張って堂々としているイメージなので、和訳としては“いざ進まん”とすると雰囲気が出ると思う。最終的な拙訳としては、やや砕いて“いざ進もう”としたい。

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